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V字回復のはじめの一歩。どんな事業でもチェックすべき点は一つ。

想定外の時の判断こそが重要

人生では、起こった出来事に対して、自分なりに答えを出さなければならないことがたくさんあります。予想していた出来事や、準備ができていたことだと、冷静に判断もしやすく、状況を見ながら判断することもできるでしょう。しかし、突然起こった出来事や、想定外の出来事が起こった場合は、なかなか冷静に判断をすることが難しくなります。

自分の人生だし、他人には迷惑をかけてないから大丈夫だと思う気持ちにもなりがちですが、自分の行動や決断が、どのように周りに影響を起こしているかは、意外と自分自身ではわからないものです。特に、影響力が大きい人は、そういった時に判断した内容によっては、世の中を変えてしまうことにもつながることだって起こりかねません。

経営の危機のときに、不安や恐れをとるには…

私は、経営者のマネジメント基盤づくりを第1ステージに置いています。なぜ、第1ステージなのか。経営者やリーダーは、世の中や事業、人、組織に対して影響力があり、その意思決定次第で、豊かな世の中にすることにも、戦い奪い合う世の中にすることにもつながる、重要な存在だからです。

経営者の感情マネジメントをしないと、意思決定が歪む

第1ステージは、「マザーシップデザインステージ」と名付けています。このステージでは、自分の中にある強みや能力である、父性性や母性性の特徴とバランスを自覚し、自己認識と他者認識を受け入れる力が、その人の安定した基盤を創るベースになります。

人間は感情の生き物です。無自覚に反応する自覚はしているが抑えきれない感情に支配されてしまうと、自分自身の心の眼鏡から見える景色や情報は偏って見えてしまいます。特に恐れや不安の感情は認識をゆがめます。

本来、経営者やリーダーが、不安や恐れを持ちながら経営を行うと、見たくない事実と恐れがベースになり、自分自身の不安を打ち消すための意思決定をしてしまい、チャンスを失う可能性もあるのです。

「マザーシップデザイン」のステージでは、自分自身の思考行動パターンを自覚し、起こっている事実そのものをフラット思考で見る力を養うことが必要です。自分の思考をゆがめているものや、自分の可能性を制約しているものを見つけ出し、意味づけの置き換えをします。

自分自身をさらけ出すのは怖いもの

経営者とお話をしていると、時に、自分自身をさらけ出すのが怖いとおっしゃる方がいます。しかし、「さらけ出すことが怖いと思っている自分を受け止めながら、その恐れの原因を自分自身の中から見つけ出し、本来自分の中にある強みや能力を開放させてあげませんか」と、私はお伝えさせていただいています。自分らしい経営マネジメントを見つけるためにも基盤づくりは大切なのです。また、安定した基盤から作りだされるありたい姿は、ありのままの自分が大切にしている想いを呼び起こし、豊かな未来へとつながっていくのです。ーおわりにより

◆『全員参画経営』の紹介◆

多種多様な業種20人~10万人規模の企業の業績の向上・回復を導いてきたプロセスデザイナー・簑原原麻穂さんが提唱する新理論。この手法では、V字回復のための最初一歩として経営者が、まず自分の不安の正体・本質を掴むことが重要です。そのためには、経営者自身が自己認識を行う必要があり、誰もが持ち合わせている「父性性」と「母性性」という新しい見立てを使い、バランスを整えていきます。その上で、社員の強みを引き出し、社員自らが動きだす、変化に強い組織づくりを目指します。

本書は、V字回復に必要な2つのステージの解説と、それをプロセスデザイナーと共に実践していく、実話を元にした2つの会社のストーリーが主な内容となっています。

1、「マザーシップデザイン」ステージ:経営者のマネジメント基盤づくり
ステップ1 自己認識力と自己受容力の向上
ステップ2 思考行動パターンの変容
ステップ3 めざす方向性に近づくための改革シナリオ創り

2、「フォーメーションデザイン」ステージ:経営マネジメントの実践
ステップ1 ありたい姿と現状の認識合わせ
ステップ2 フォーメーションづくり
ステップ3 実践と振り返りの定着化
ステップ3 実践と振り返りの定着化

第1話 生き残りをかけた工場再生 ~社員自身の力で自分たちの市場価値を上げる~

突然の社長就任と厳しい現実を受け止める
改革のカギとなる想いの源泉を見つける
悩みの共有で自分の居場所をつくる
まずは工程の見える化が先
未知の挑戦は見本を五感で学ぶ
ガス抜き後のフラット対戦で事実が見える
基礎技術力を磨き市場価値を上げる
体を使って心の迷いを払拭する
新旧生産方式対決で決着をつける
判断基準と優先順位を明確にした繁忙期連携作戦
技術力を身につけたい!職人魂に火がついた
価値を高める最後の打ち手"改善"
改革を推し進めたその先に未来が見えた
世界一の工場を目指せ!
世界一の工場を目指せ!

第2話 赤字事業のV字回復 ~改革のテコを見つける!~3代目社長の孤独と悩み

業界の成長と社員の疲弊感
会社の未来をつくるキーマン発掘
これまでと違う新支店長
え?会議全部やめちゃうの?
厳しい顧客の声から見えた2つの課題
悔しさから生まれた改革の原動力
女性参謀の登場
パンドラの箱に入っていたモノ
仕事の価値を高める“7つの改革プロジェクト”
やっと見つかった改革のテコ
黒字を実現させた3つのサイクル
黒字を実現させた3つのサイクル

V字回復までのイメージがつきやすい2つのストーリーです。

―簑原麻穂( Minohara Asaho )

簔原さん250

スコラ・コンサルト プロセスデザイナー
泣く子も笑わせる関西出身。 JASに就職し、チーム連携と新商品開発による
顧客価値アップを実現したのち、JALとの統合プロジェクトにも参画。 リーダー育成や教育のしくみづくり、組織・システム統合、 新サービスの開発など組織の機能と マインド両面の変革を 要求される多数のプロジェクトに貢献。 その後、事業の成長と 人材と組織の関係をつきつめるべくスコラ・コンサルトの門をたたく。 積み重ねてきた幅広い経験から、中堅企業の尖ったサービスに専心する喜びと、 大企業で大きなシステムを動かす醍醐味、 どちらにも鼻が利く。加えて、経営者である父や引き継いだ兄との対話で磨いた感性が武器でリアリストでありそこはかとなくストイック。次世代経営者の良きアドバイザー兼温かみある伴走者として、中堅企業の尖ったサービスに専心する喜びと、大企業で大きなシステムを動かす醍醐味、 どちらにも鼻が利く。 加えて、経営者である父や引き継いだ兄との対話で 磨いてきた感性が武器で、 リアリストでありそこはかとなくストイック。 次世代経営者の良きアドバイザー兼温かみある伴走者として、粘り強い支援が特徴。経営者やリーダーの悩みや葛藤を受けとめながら、真の強みをとことん引き出す。その上で、事業をもう一段階成長させるために必要な要素を独自のバランス理論で見立てて、 人の持ち味・能力・経験の組み合わせで構築する。「組織の変革を成功させるために は、男女を問わず、人の強みを活かし合える環境が大切」。そこにある素材で最高の料理をつくる。


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想いを込めて作った書籍を応援してもらうことに繋がり、大変嬉しく思います。 また本が売れなくなっているというこの時代に、少しでも皆様にお伝えしたいという気持ちの糧になります。