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サービスコラム 第16~21章

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第16章 サービスが社会にもらたす明日 第17章 サービスが個人にもたらす明日 第18章 卓越したサービスとは? 第19章 第1の扉-卓越者は強みよりはじまる 第20章 第2の扉…
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#ビジネス

02.卓越した接客者が一流の顧客を生み出す

02.卓越した接客者が一流の顧客を生み出す

卓越した接客者のキャビンアテンダントは、自分の仕事をしたにすぎない。
彼女からすれば小さなミスや、まだまだこれではいけないと感じることがあったに違いない。
お客の中には多少の不満を感じた人がいたかもしれない。
しかしそれでも、彼女がサービスを最高に感じてもらうための接客を行い、それが見る人から見て「やはりこれは尋常ではない」と感じさせたことは事実として間違いない。

卓越した接客者は全員、自分がま

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01.感謝の手紙が教えてくれること

01.感謝の手紙が教えてくれること

「ありがとう」の言葉ほど、接客者の心を温か包み込んでくれるものはないように思う。
接客の場面で口にしてくれても嬉しいけれども、やはり改めて手紙やメールが送られてくるとより嬉しいに違いない。

お客が改めて手紙やメールを送るということは、本当に感じるところがあったのだということの証明でもあるし、わざわざ書いて送ってくれるという手間をかけてくれたという意味がある。

ほとんどのお客が後になってからわざ

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10.卓越者が行なっている感性を磨く方法

10.卓越者が行なっている感性を磨く方法

まずはじめに、少なくとも私たちは自分が得意とする状況で、直感をより多く使うのか、感受性の方が得意なのか、あるいは知覚に頼っているのかということを知る必要がある。

いつの間にか新刊と返却本の本を整理する仕事を行っている書店員であれば、その仕事が「できてしまう」とき、イメージがよぎるのか、結論がわかってしまうのか、冊数やタイトル、時期などのつながりから意味を見出すことができるのかということを特定する

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09.3つの感性の特徴

09.3つの感性の特徴

3つの感性のうち直感は、イメージが浮かぶという視覚により近い感性である。
「見た」ときに「わかる」という感覚があり、実際に見えたかどうかは別として見た感覚で「わかる」。
おでこ付近の脳の部分を使っていることがわかっている。

スポーツ選手の中には、新しい技術を習得するときに、直感によって習得のスピードを上げる人がいる。
このタイプの人はたとえば技の状態をよく観察して、イメージが自分のものになれば習

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08.感性を磨く

08.感性を磨く

正直、感性の磨かれた接客者は恐ろしい。
彼らは頭の中を読んでいるのではないかと思うほど、考えていることやニーズを特定する。
お客が自分では気づいていないことさえ明らかにしてしまう。

感性はしかし、超能力や霊能力ではない。インチキ占い師のように誰にでも当てはまることを言って相手を納得させるスキルでもない。
具体的には直感と、感受性と、知覚であることが多い。
「であることが多い」というのは、他にも感

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07.本質を追求すること

07.本質を追求すること

本質を追求しようとして何かを行う卓越した接客者は実はいない。
彼らは2つの行動を身につけていて、それが結果として本質の追求につながっている。
2つの行動とは「マルコポーロのように行って、見る」と「氷山の下を調べる」ということである。

彼らはこの2つを当たり前のように行う。しかも継続して行う。
この2つの方法を通じて彼らは学ぶ。
その様子はそれを行わない人が見ると変質的にすら映る。
そこまでするか

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06.自分を古くし新生すること なぜ自分を古くするのか

06.自分を古くし新生すること なぜ自分を古くするのか



卓越した接客者のほとんどは、現状に満足していない。
自分をまだまだだと思っているし、完璧に達していないと考え感じている。

彼らは人からの高い評価に対しても決して鵜呑みにせず、否定するかどうかはさておき、内心は冷静に判断する。
修行僧や山伏などとは違い、苦行が目的になっているわけではない。
ちゃんと自分の立ち位置を知っており、何ができ何が足りないかを把握している。

しかし実際には、接客の業務

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05.成果の追求による顧客満足 顧客満足を生みだすもの

05.成果の追求による顧客満足 顧客満足を生みだすもの



素晴らしい接客者はお客に高い満足を生み出す。
卓越した接客者もお客に高い満足を生み出す。
しかし、素晴らしい接客者の生み出す満足と、卓越した接客者の生み出す満足には大きな違いがある。

素晴らしい接客者はプロセスから満足を生み出す。一方の卓越した接客者は成果から満足を生み出す。
ただし、プロセスがサービス提供の途中で、成果が提供後という意味ではない。

プロセスというのはサービスを提供する過程

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04.個別化という考え方 人を1人の人間として見る

04.個別化という考え方 人を1人の人間として見る

人を1人の人間として見る

卓越した接客者は目の前のお客を1人の人間として見る。
接客をする立場の人であれば、それはとても当たり前なことを言っているように聞こえるかもしれない。
しかし実際には、人が人を知ろうとするときにはまず、表面上の情報から入る。

洋服や髪型などの外見から判断しようとするし、名刺の役職や会話の内容から好みや性格を知ろうとする。
こうして積み重なった表面上の情報は経験という形で

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03.真摯さは信頼を生みだす。プロ意識と責任は信用を生みだす

03.真摯さは信頼を生みだす。プロ意識と責任は信用を生みだす

真実を基準として物事の正しさを判断し、誠実な人間性によってそれを扱い、今自分ができる精一杯を行うことで相手に貢献する。
これが卓越する接客者の「真摯さ」である。

真実、誠実、貢献のどれもが接客者自身の内側にあるもので、内側から湧き出てくるものであることがわかる。
そしてそれは、どのような場合も相手という「人」に向かって使われる。

これに対してプロ意識と責任感は、仕事という外の世界に反応して生み

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02.真摯さを形作るもの

02.真摯さを形作るもの



卓越する接客者が住む世界の入口にあり、はじまりにあるのが「真摯さ」である。
真摯さは、「まじめでひたむきなこと」や「清く、正しく、美しく」とか、単に誠実であることなどと考えられている。
日本語の単語としてあまり使われることがないため、およそのイメージで考えられやすい。

真摯さとは、

とし、

とし、

として、果たすべき役割を行うことである。
人に接するのに、まず自分がどのような価値観を持

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01.3つの世界観と3つの生き方

01.3つの世界観と3つの生き方

卓越した接客者と素晴らしい接客者は住む世界が違う。
見ているものが違い、考えていることが異なる。

卓越した接客者の世界は、真摯、個別化、成果の追求、の3つの事実から成り立っている。
この3つが卓越した接客者が見る世界観になっている。

素晴らしい接客者の世界は、プロ意識と責任感、類型化、プロセスの追求、の3つの事実で作られる。
これが素晴らしい接客者の世界観となる。

卓越した接客者は彼らが過ご

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10.強みの発揮を支えるもの2

10.強みの発揮を支えるもの2



通常接客の仕事では、同僚は自分と同じ仕事をする。
しかしその中でも役割分担はある。

同僚が強みを支える一番大きな理由は、弱みをカバーしてくれることにある。
強みは弱みのカバーがなくては上手く発揮されない。
または、もっと基本的な考え方として、休息を取ることを可能にしてくれる。
どんなに素晴らしい強みを持っていても、1週間に7日働いていればいつか体を壊してしまう。
万全な状態で挑むために、同僚

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09.強みの発揮を支えるもの1

09.強みの発揮を支えるもの1

強みの発揮を可能にし、土台として支えるものは5つある。

仕事、お客、道具、同僚の4つは接客者の外の世界にあり、「仕事」「お客」が欠けると強みは全く発揮されない。
「道具」が必要な接客であれば「道具」がなければやはり強みは発揮されない。
「同僚」がいなければ強みに集中することができず、弱みを自分で克服しなくてはならなくなる。
「能力」も同じように、強みの発揮を可能にし、強みを支える。

「能力」は

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