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子供が楽しんでいるアートを「つまんねえわこんなとこ。まじでくだらねえ!何もおもしろくねえ!(原文まま)」と言い放った若い父親

体験型の美術展に行ったんですよ。
夏休みだからか、小さい子ども連れの家族が多かった。

この美術展はそんな親子連れをメインターゲットにしていて、お絵描きだったり坂すべりだったり、子どもが楽しめる要素が多かったんです。
(もちろん大人でも楽しめます!)

お絵描きコーナーで描いた絵をスタッフさんにスキャンしてもらうと、その部屋に自分が描いた絵が映って、動いたり、泳いだり、手で触れられたり、足で踏みつけたりできるようになるんです。
坂すべりも、自分がすべったあとに花が咲いたり花火が上がったりする特殊なスクリーンが映された特殊な坂でした。
子ども大興奮ですよ。こんな楽しいことないじゃないですか。自分の描いた絵が生きてるみたいに動くんです。
私が子どもの頃にこんなのがあったら絶対やりたかった。絶対大興奮して鼻血出した。

だから、子どもだけでなく大人も充分楽しめると思うんです。童心に返って。
実際私も子どもみたいに楽しんじゃいましたし、親御さんたちも楽しそうでした。
我が子・孫と一緒に親やおじいちゃんおばあちゃんが塗り絵を楽しんでいたり、動いている絵を嬉しそうに追いかける子どもを優しい目で見守ったり、そんなあたたかな光景はとても微笑ましかった。
アートってすごいなって純粋に思って、なんだかいいものを見せてもらったなと心がじわじわ暖かくなるような感覚がしてたんですよ。

してたんですけど、帰りの出来事で一気に冷めました。
180度反対の光景を目にしました。
温度差で風邪ひくわ。


展示の出口のところに、少し小さなグッズコーナーがあったんです。今回の展示に関係のない常設展グッズだったんですけど。

で、そんなグッズコーナーに向かって
少し離れたところから
「おい!!」て叫ぶ若い男性がいるんですよ。

穏やかじゃない。声量が美術展のそれじゃないぃ…

最初は何に叫んでるのか分からなくて、
市役所でもないこんな穏やかな美術展で、こんな怒気を含ませた大声に遭遇するのは初めてでした。
そんな剣幕で怒る要素なんてここにはありませんでした。少なくとも私はそう思いました。

巻き込まれたら大変!と思って逃げようとして
男に目を移したら、
どうやらグッズコーナーにいた小さい女の子に向かって怒鳴っていたのが分かりました。
それで、

「おい!おい!!早く来いって!もどれって!帰るぞ!

こんなくっっっだらねえとこさっさと出てえわ!」


って。
親子でした。(多分)

いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
え、まって、色々と突っ込みたいところありすぎてまとまらないけど、え、まってまって。
くだらねえとこ…???さっさと出てえわ…?
反抗期真っ只中の中学生男子が言うならまだわかるんですよ。
でもどう見ても20代か30代。しかも、小さい娘がいる。
展示を見終わった余韻でウキウキでグッズ見てる娘に向かってそんな酷いこと言うの???


でも、女の子の様子から察するに
普段からその男はそういう態度なのか、
女の子も臆せず「え〜…楽しいのに…」てつぶやくんですよ負けじと。怯えたようでもなくふつうに喋るんです。
そこで普通の大人なら頭冷えませんかね、冷えてほしかったです。娘の言葉で冷静になってほしかった。
公衆の面前で自分のわがままを大声で叫ぶ時点で、
非常識かつ正常でない人間なのは分かってたけど、それでも普段は女の子にとってはいい親であってほしいなと赤の他人なのにどこかで無意識に思ってしまいました。
いや、普段からいい父親なら公衆の面前でこんな発言しないとは思うんですが。


やっぱりその男は良識的ではない人間だったので、
あろうことかその娘の発言にも喰ってかかって、以下のとおり思いっきり叫んでました。

「つっっまんねえわこんなとこ!まじでくだらねえ!

何もおもしろくねえ!(原文ママ)」


って。
大人が、子どもに。
「おもしろくないから帰ろう!!!」って全力で言ってる。大人が子どもに全力で駄々こねてる。違和感。気持ち悪い。違和感どころの騒ぎじゃない。
発言にいちいち小さい「つ」を入れるのも子どもすぎる。いきんだように叫ぶ。
大型犬に噛まれてほしい。

大人の理性が微塵も感じられない、まして子供を持つ父親の発言とは到底思えない。
女の子はそのまま男に連れられて消え去った。母親はいたのか分からない。
娘や周囲が楽しいと感じたアートを、和気あいあいとしてる空気を、「くだらない」と真っ向から否定した。そして「ぼく帰りたいから帰る〜!!」を臆面なく大声で発した。娘に。そして本当に娘連れて帰った。これが大人か、これが大人のすることか。
製作者にも、アートにも、その場にいたたくさんの人にも、そして娘に対しても、あまりにも失礼な理解し難い言動に腹の底から怒りがわいた。自分勝手に娘を連れ去ったのも本当にムカついた。しばらく収まらなかった。

何を思うかは人の勝手だ、でもわざわざ口に出して言う必要は全くない。あろうことかそれをむざむざと娘に言う思考回路が理解できない。

7、8歳かな…小さい女の子。
その父親であろう若い男は、たぶんグッズ売り場が狭いから一緒に行かないで出入り口で待ってたと思うんですよね、(それでも大半の親は一緒に着いてってあげてたけど)

人多いし暑いし子どもの泣き声がそこかしこで聞こえるし、イライラしやすいのは分かる、
あなたがそこまでアートに興味がないのに連れてきてあげたのかもしれない、
それなら尚更早く帰りたかったのかもしれない。けど。
余りにもお門違いすぎる。自分勝手とかそこらのレベルじゃない。

というかこの美術展は間違いなくお前のためのアートではなく子どものためのアートである。
子どもがあんたの目の前で楽しんでるのよ?子どものための展示よ?いままさにアートを通して成長してんのよ?すごく喜ばしいことじゃないのか、おもちゃや遊園地とはまた違う楽しさに娘は気付けたのよ。
それなのに勝手に不貞腐れて真っ向から否定して連れ去る父親(仮)…。父親を名乗る資格ねえよ…。そもそも大人を名乗る資格も、子供を持つ資格も…。

というかそもそも展示を見る前に全員暗室にとおされて、今回の展示の趣旨が記載されたスライドを見る時間があるんですよ。それを最後まで見ないと、展示室に案内されない仕組みになってたんです。
「アートを通した子どもの教育を」みたいなスライドを1分くらい見る時間があるんですよ。
子連れも子連れ以外も関係なく全員。

それなのに親である男がそれを理解しなかった。子を連れてきた親なら、主催者がわざわざ全員に見せたこの趣旨をより深く理解できるでしょう。てか理解できて当然で、理解しないといけないでしょう。
でも理解しなかった。「俺」の感情を優先させた。
異常すぎる、、もしかしたらこれも「つまんねえ!」とか言ってスタッフさん押し切って見てないのかもしれない…。


理性が微塵も感じられない。
子どもを正しく子供扱いしてない。きもい。このすっとこどっこいアホんだら。
知性が低い。思慮が浅い。子どもより我慢ができない。
子どもに自分の感情をぶち当てる汚さもしんどい。見てるだけでしんどい。本当しんどい。目も当てられない。
すべてがあかん。もしかしたら障がいが隠れているかもしれない、隠れ知的障がいとか、躁うつ病とか。
でも許せない。

しかも人混みで大きい声で怒鳴ってたから、
他の親子連れ、子ども、グッズ売り場のスタッフさんにまで当然聞こえた。突然の怒号にみんな驚いて、一瞬静寂が訪れて空気が固まったように感じた。

いま思えば女の子、周囲へのフォローとして「えー楽しいよ」と発言をしたのかもな…考えすぎかなあ…。
だって普通「大人」しかも「父親」が、場もわきまえずみんなの前で喚いてる異様な光景を目にしたら、誰でもショック受けません?普段から愛情を受けている子どもならそんな親の豹変ぶりに固まるか、たじろぐかしません?でもその子全然たじろがなかったんです…そんなの場に慣れてるとしか思えない…そんな…

今回の展示は東京の本拠ほどの規模ではないので、大人は少し物足りなさを感じたと思います。
でもこれは大人側の勝手な感覚です。
子どもたちは規模のことなんかそれほど気にしていないだろうと思います。
子どもの視点からすると、とても楽しい非日常的な空間であることに違いはなかったと思います。みんな騒いでたし。
もし規模に不満を感じたとしても、まともな大人ならこの規模の小ささは仕方ないだろうと感覚的に理解できるはずです。
建物の大きさも、おそらく機材の規模も東京のそれとは明らかに違うし、そっくりそのまま持ってくるのは難しいだろうということもちょっと考えれば分かるはずです。
てか子どもが楽しめればそれでいいというのが親の心根だと思ったのですがどうなのでしょうか。

「俺がさして興味のないこんな場所に
わざわざ来たってのに、展示は子ども向けだし俺には全然楽しさが分からねえ!俺はぜんぜん楽しくなかった!楽しくなかった!!」
って、周りにいる私たち大人にも訴えるような、駄々っ子の主張のようなものをこの男の発言から感じました。寒かった。ゾワっとした。
たまにいるじゃないですか、
公衆の面前ではしたなく大声で主張してる人。

社会的に再起不能になるまで何処かで恥をかけと思った。

子どもに迷惑がかからない範囲で。
子どもが独立してからでもいい。
子どもにとってはそれほどの毒だと思う。
自分の好きな、関心があるものを
大人のクソガキじみたワガママかつ乱暴な言葉で頭から否定されれば誰でも大人になっても引きずると思う。ましてや親(多分)に言われれば。

まだ自分の言葉をもたない弱い子どもに対して、
自分の欲を汚く吐き散らかす大人の行為がどれほど罪深い行為なのか、どれほど醜くて酷い行為だったかを猛省してほしい。しないだろうけど。そもそも気づかないだろうな。

それほどの毒を吐いてしまったことを自覚して、
後悔してもしきれない時がいつか来たらいいと思う。
心から反省したらいいと思う。

ほんとうに、他人ながらあの子の今後が心配すぎる。
今後虐待されるんじゃないだろうか…いやもう家庭の状況はあまり良くないだろうな。やだなこんなこと考えたくなかったのに考えてしまう。本当にあのくそ親父以外に頼れる大人ができたらいいなと思いました。
助けてあげられなくて申し訳ないけど。
あなたが楽しいと思ったのは間違いじゃないよって伝えてくれる身近な大人が、あの子のそばにいてくれたらいいと願う。
きっとあの男もそういう否定の環境で育ったんだろうな…そこを治さないと元凶の男の性格も治らないかもなあ、大分勝手な妄想ですが。

あと、ああいう異常な人の対応をする美術スタッフさんの苦労を想像して少ししんどくなりました。過去の自分の仕事と重ねてしまった。
どこにでもいるなあ…
あああ、展示とは関係ないところで過去のトラウマを色々引き摺り出された印象的な美術展めぐりでした。完。

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