ミツカンのスローガンにはこんな意味がある!

ブランドスローガンは、自社がどんな企業でありたいのか、また顧客にとっての価値として何を提供するのかなどのメッセージを簡潔に伝える言葉である。

ここでいう価値は、どこの企業でも提供できるものではなく、その企業ならではのものであるべき。

とはいえ、通常は他では絶対に売ってはいないような独自の商品を提供できるケースは稀である。

ゆえに競合とは異なる企業であることを強調して、その表現を工夫することになる。

そこでは、フレーミングの考え方が使われていることが非常に多い。

わかりやすい例として、「ミツカン」を取り上げてみる。

同社は2004年6月に新しいスローガンを決定するとともに、ロゴマークも変更した。

新たなスローガンは、「やがて、いのちに変わるもの」というもの。

同社のサイトには下記のように解説されている。

「食品は人のいのちの源です。新しいスローガン『やがて、いのちに変わるもの』は、安全・安心で自然の力が活きた明確な根拠に基づく健康をおいしく提供するというミツカングループが今後お客様に提供していく価値の宣言です」

ミツカンが提供する商品は、食に関わるものであり、バリエーションには有名な酢、みりん以外にも味ぽんのような調味料、納豆の金のつぶなど多岐にわたる。

新しいスローガンで伝えたいのは、ミツカンは安心・安全で自然を活かした食により健康を提供するというということ。

特に食を「いのちにかわるもの」と言い換えているところがポイントである。

確かに食べ物によって、我々人間は命を保っている。

しかもミツカンの提供する食は、加工食品よりも自然なもの。

健康の直結する栄養を提供しているというメッセージが、自然に受け入れられる。

また、いのちという言葉は、非常に大切な食を提供していると暗示する表現である。


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