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それ、原因は他にはありますよ。

東京商工会議所の調査によると、テレワークを一時期導入していたが、今は取りやめたと答える企業が22%にものぼるそうです。

たしかに、テレワーク独自の問題もあるものの、同じような規模・業種で成功し、働き方改革を推し進めている企業もあるのに、なぜこんな差になるのか。

答えは簡単で、「テレワークが問題なのではなく、もっと別なところに問題がある」からです。

同様に、採用においても「離職者が多いから、採用を強化したい」という企業は少なくありません。しかし、ちょっと待ってください。それは「採用」で解決する問題ですか?

はっきり言えば、穴の空いたバケツで水を貯めるようなものです。いくら水を入れても、水は漏れていくままで本質的な解決にはなりません。

ほかにも、採用で解決する前に社内で解決すべき問題を棚上げしているケースが散見されます。本当は社内の問題を解決すべきなのに、それに目を背け、採用で解決すると思いこんでいる企業は、けっして少なくありません。

しかし、あえて言わせてください。その問題、放っておくと大変なことになりますよ、と。

採用の面から考えると、リファラル(社員紹介)がうまくいっている会社ほど素晴らしい会社はありません。社員が友人に会社を紹介したいほど、社員のロイヤリティが高いからです。そのような会社は総じて業績が良い傾向にあります。

さきほどの離職者が多い会社は上記の逆の状態です。会社に問題があるのに、新しい人材を入れたところで定着するはずもありません。また、社員や元社員がネガティブな口コミを発信し、「あの会社はよくない/ブラック企業だ」という認識が広がります。実際に社内の雰囲気も良くないから、求職者は「ああ、やっぱり」と辞退していく。

社内の問題を解決しない限り、定着(オンボーディング)も含めた採用はうまくいきません。

人材サービス会社はあくまで「採用」にコミットするので、社内問題があっても問題に言及することはしません。言及したところで、自分たちの利益にならないからです。

自分たちの問題は自分たちで解決するしかありません。ましてや採用で解決する問題ではありません。

なかには、問題を解決してくれる人物を採用したいというオーダーもあります。しかし、そんな人物が入社してくれるでしょうか。答えはNoです。よくあるパターンが「プロパーにリーダーができる人間がいないから、外部から採用したい」というもの。プロパー(=新卒から働いている社員)が育っていないという問題がある限り、この問題は解決されず、外部から人材を採用しても早晩、退職していくのが目に見えています。最悪の場合、採用することでプロパーが「自分たちは期待されていない」と退職する可能性も。

まずはプロパーを育てる仕組みを見直し、プロパーからリーダーを生み出すことが中長期的な成長に繋がります。

採用はすべての問題を解決する銀の弾丸ではありません。その問題は採用によって解決するのか、それとも別の方法が必要なのか、真剣に考えない企業に明日はないでしょう。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。