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応募企業を判断する、一つの指針

これまでいろいろと話しをしてきましたが、転職希望者にとっては「どこが良い企業なんだよ!」と思っているのではないでしょうか。

「良い企業」は人によって違うので、一概には言えませんが、ITエンジニアがSIer(あるいはSES)に転職するさい、気をつけるポイントを一つ。

それは「一人あたりの売上高」です。

当たり前の話として、売上の出ていない企業に転職するのは危険です。特にITエンジニア=売上となるSIerにとっては、一人あたりいくら売上を出しているかが、安定している企業の証であり、工程としても、商流としても、上流工程のプロジェクトを多く持っている可能性があります。

運用・保守案件はストックビジネスとして企業に旨味がありますが、売上高が低くなります。そのような企業に入社した場合、運用・保守案件にアサインされる可能性が高いでしょう。

では、一人あたりの売上はいくらならばよいのか。

一人あたりの売上高

上記は経済産業省「特定サービス産業実態調査(平成30年)」から抜粋したものです。ここで言う「従業員」はITエンジニア以外も含まれています。

というのも、求人のほとんどが従業員数の記載はあっても、ITエンジニアのみの人数記載はないためです。

この表(従業者規模数)を見ていただくと分かる通り、SIer(=ソフトウェア業)は規模が小さくても一人あたり1,000万円は売り上げています。逆に、1,000万円も稼いでいない企業は問題ありといえるわけです。

もう一点、技術派遣ではマージン率が30~40%と言われています。これを1,000万円で考えると、600~700万円が派遣技術者の賃金となります(企業負担分の社会保険などがあるので、実際にはもう少し低いです)。客先常駐系のSIerやSESも同様と考えて差し支えないでしょう。

ここから、さらに管理本部のメンバーの給与などが引かれるので、実際のITエンジニアの給与はもう少し低くなるはずです。

一方、インターネット企業(=インターネット附属サービス業)は2,000万円ないと厳しいことが分かるでしょう。ただし、スタートアップ系はサービス開発が優先なので、フェーズによっては売上が低い段階も存在します。

※上記の数値は平均なので、中央値はもう少し低いと考えられます。しかし、ITエンジニアの賃金から逆算すると、上記平均値以上ないと、低い賃金になる可能性が高いです。

このように、「売上/従業員数=一人あたりの売上高」を計算することで、自分の給与がいくらになるのかを判断する基準になります。(もちろん、ご自身のスキルとの兼ね合いですが)

最後に。そもそも売上や従業員数を記載していない求人は、注意したほうが良いです。なぜなら、企業側か制作側かが「この数字は良くない」と隠している可能性が高いからです。

判断基準となる数字を出さない企業、すなわち「悪い企業」ではないものの、誠実さがない企業は要注意したほうが良いでしょう。

よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。