その求人、誰にとっても分かりやすいですか?もう一歩、効果の高い求人を制作するために
リクナビNEXTやマイナビ転職など、大手転職媒体を見ると、かつて(10年くらい前)と比べて、求人の質が上がってきたと感じています。というか、昔が酷すぎたんですけどね(笑)。
ただ、今の求人で十分かといえば、ようやくスタートラインに立った程度です。求職者がほしい情報が載っているレベルです。
少しだけ昔話をすると(老害みたいで嫌いなのですが)、かつては平均残業が書かれている求人はまれ。大手企業は給与を出すのを嫌がり、新卒初任給しか掲載しない。福利厚生欄は申し訳程度と、求職者に情報提供する気があるのかとツッコみたくなる求人が普通でした。
しかし現在、そのような求人のほうがまれでしょう。
この業界に入ってから密かにロビー活動をしてきた結果と、ひとりほくそ笑んでいます。
ですが最初に書いたとおり、これで充分ではありません。求人のレベルを大きく3つに分けると以下のとおりです。
必要な情報が過不足なく記載されている
中高生にも分かるように書かれている
応募したくなるような魅力を表現している
現在は1.が実現された状態です。しかし、多くの求人は2.に到達していません。どういうことか。
文章の基本(てにをはや文構造など)は問題ありません。日本語として読める文章です。しかし、理解しやすいかは別です。
具体的には未経験向けなのに専門用語が多用されている。業界・職種の前提が飛ばされているから、業界外から見たら何を言っているのか分からない。クライアントから言われた(であろう)言葉をそのまま掲載している、など。
たとえば施工という言葉は、建設業界では当たり前ですが、業界外からは分かったような分からないような。一言で言えば施工=工事です。施工業者とは、工事を担当する会社という意味になります。
なぜ、このようなことが起こるのか。理由は簡単です。一つはライターが分かった気で書いているから。もう一つはライターが求職者を意識せずに書いているからです。
ライター業では、よく「中学生にも分かる文章を書け」と言われます。基本的な文章理解はできるが、専門知識はない人にもわかるようにしろ、ということです。
しかし、求人ライターはこの基本を遵守しない人が相当数います。ライター初心者が圧倒的に多いからです。要はスキルが低い。求人制作を請け負う制作会社が未経験をかき集めて短期育成しているから仕方ないのですが。
そして、成長したライターは別業界のライターやディレクターに転職してしまう。求人ライターのレベルが上がらないのはそのためです。
私はつねづね求人ライターの質を上げたいと思っており、noteを書いている理由の一つがそれです。
求人ライターのみなさんには、情報を書いただけで満足するのではなく、「この情報って伝えたい人(ターゲット)に分かる言葉だろうか」というのを問うてほしい。
一歩下がって自分の文章を見直すだけで、読みやすさは格段に向上します。中学生にも分かる文章だと閲覧数・応募数も上がります。特に未経験募集では目に見えるレベルで効果が変わるはずです。
読みやすさの積み重ねが自分のレベルアップだけでなく、求人広告全体のレベルアップにもつながっています。
よろしければ、サポートをしていただけると嬉しいです。サポートが今後の活動の励みになります。今後、求職者・人事担当などに有益な情報を提供していきたいと考えています。