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10年前の美術展レポ

「どこかに足を運びたい」けど安心できる外出先が思いつかないときには、3次元から4次元へと視野を広げてみよう。

私は、2010年に訪れた美術展についてメモを残していた。もう見ることができない、期間限定の展示3つ。オフィシャルな図録などは参考にせず、当時抱いた感想のメモのみを公開する。10年前の個人的な感想である。色々ご容赦いただきたい。

このメモを見たら、展示されていた絵を見たくなったり、画家や作家たちについて調べたくなるかもしれない。随所にリンクをつけたので参考にしてほしい。

あるいは、自分で作品を作ってみたくなるかもしれない。それぞれの訪問日を見て、あなた自身がどう過ごしていたのか思い出すかもしれない。

頭の中をとっちらかして、色々な思いを巡らせてほしい。やってみたいことが思いついたら、行動するなり、忘れないようにメモするなりしてほしい。

(脱線:今までいくつか記事を執筆したが、自己紹介に記載した「研究」「オープンイノベーション」の記事をまだ書いていない。推薦図書の回でNatureを紹介したが、こちらは研究者ならではの具体的な内容にはなっていない。今後書いていきたいと思っているので、気長に待っていただきたい。また、読みたい内容があればコメントいただければ嬉しい。)

↓ 順路

1. 没後120年 ゴッホ展 こうして私はゴッホになった (国立新美術館)

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2010/12/15水曜日に訪問している。一緒に行った友人の名前は白抜きにした。左ページには、展覧会のリーフレットが切り貼りされている。そういえば、このころマスキングテープが好きだった。

ゴッホの肖像画は、写真よりも緑色がかって見えたとのことだ。「横から斜めに見るとなおさら」とあるので、油絵具が時間経過とともに黄ばんできたせいかもしれない。または、美術展が薄暗かったから、そう見えたのかもしれない。

「けっこう小さい」とも書いてある。イラストによると、縦30 cmくらいに見えるが、実際は44 cmのようだ(wikipediaより)。有名な絵ほど、思っていたよりも小さく見えるものだ。私はこれを「モナリザ現象」と呼んでいる。モナリザを実際に見たとき、A4サイズくらいではないか!と驚いた(実際は縦77 cmとそこそこ大きい)。

右ページには、感じたことが断片的にメモしてある。

「木の影が青~紫~ピンク」「女の人描いてもオッサンみたい(陰影や線が多いからだと推測される)」「黄色と青が好きみたい」「絵の具厚い」「じゃがいもキラキラしてた(絵の具が厚くて照明が当たるとキラキラしていた)」「掘る人多い」「模写みたいだけど何か楽そう(らくそう?たのしそう?不明)」「モネの絵がほわほわでキレイ(モネの絵もあったらしい)」「『アルルの寝室』激しい色彩でくつろぎを表現」

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次ページも、イラストとともにメモしてある。

農民の靴(木靴みたいの)カワイイ
水色と赤ってキレイ でも花の絵は基本怖い
ひもで網目をつくって『電光石火』」の速さで模写 byゴッホ

ゴッホの花の絵は、どれもどこか暗くて死の香りがするように見えていた。

右ページには、展覧会の流れと、人が多くて暗くて暑かったことが書いてある。お疲れさまでした。美術展ってかなり疲れるよね。


2. ドガ展 (横浜美術館)

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2010/12/17金曜日に訪問している。左ページに貼ってあるのは、ミュージアムショップで購入したものが入っていた袋かな?

最初に、ドガの本名について興奮気味に書いてある。「ドガ」といえば「ドガ」であり、有名な画家の名として認識していたのに、彼の本名のフランス語表記では「ドガ」が本名のほんの一部に過ぎず、しかも「ド・ガ」と分裂しているように見えて面白かったようだ。

パステル画の多さにビックリ。エトワールもパステル。

有名な絵画で厚みがあって印象派で…ということから、油絵だと思い込んでいたが、ドガはパステル画を多く描いていた。

ほかの印象派画家が外で風景画を描いていたのに対し、ドガはいつもアトリエ。頭の中や、軽いデッサンから描いた。

印象派画家たちは、そのころ発明されたチューブ入り絵具を手にこぞって屋外に風景画を描きに出かけた。そんななかドガはアトリエで制作していたとのことだ。

よく屋内の画題を選んでいたことも理由のひとつだが、頭の中で「印象」を固める時間をしっかり確保したかったのかもしれない。「周作がかなり多い」というメモもあるので、実験的にならずに自分で納得のいく創作をしていたのではないだろうか。次にメモしている、肖像画に描かれた人物の印象が良く表れているという点からも、人物の内面を画家自身の中でよく噛み砕き、描写方法に落とし込んでから描いているように推測される。

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マネとマネ夫人像」(ポストカード購入)マネ夫人はピアノ弾いてるんだけど、マネがこの絵の夫人の顔が気に食わなくて切っちゃったとか!!この絵でのマネはとてもえらそーな態度(笑)

絵のタイトルをクリックすると、絵を掲載しているサイトに飛べる。以降もそれぞれリンクをつけたので、気になる絵があれば見てみてほしい。

全体的に女の子の絵が多い。そしてカワイイ。
綿花取引所の人々」何か引きつけられる。光の色がキレイ。人も動いているし。ドガってもんわりした絵のイメージが強いけど、そういうわけでもない。
「ダンス教師 ジュール・ペロー」顔と表情以外、本当適当みたい(笑)ピントがあってないどころではない。

この絵のリンクをつけようとネットで探したが、ダンス教室や教師ジュール・ペローが描かれた絵画が複数あり、特定できなかった。

エトワール(ポストカード購入)ここのところだけ超混んでた!つまってた!列が全く進まなかった!ルーペ使って見ている人とかいた!しかし確かに今回の展示の中で最も魅力的だと感じた。近づいてもボンヤリ見える。この子以外はいいんだ別に!この子が主役なんだ!スターだ!マドンナ!でも、もんやりマドンナ。でもキレイ。実はこの子以外の箇所もキレイな色だし。混んでなかったらもっとゆっくり見れたのに、ポストカードと本物は全然違った(これは特に)。

そう感じたらしい。

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バレエの授業」(ポストカード購入)本物の絵だと右側の子がつけてる水色のリボンの色がすごくキレイ!ポストカードだと全然そんな感じしないけど、結構大きい絵。左で背中かいてる子も大きい。右上のガニ股の子も大きい。皆それぞれの個性が見えてかわいい。

改めて絵を見ると、きれいに見えた水色のリボンは絵から一部はみだすように描かれている。鮮やかな水色はここ一か所だけに使われていることも相まって、サイズは小さくとも浮き出てくるように見えたようだ。それを念頭に置くと、画面上の絵画の見え方も変わってくる。

「浴槽の裸婦」このポーズがたくさん!!ドガの裸婦は後ろ向きが多い。背中とかお尻とか。お風呂中のものが多いけど、お風呂の時って背中丸まってることが多いからかな。同じポーズの写真とかもあって面白かった。絵の中のポーズが辛そうだったし(笑)

こちらの絵もリンクをつけようと検索したが、ドガが裸婦を描きすぎているために特定に至らなかった。

ドガ展のメモも、展覧会の流れと「横浜美術館のSHOPがおもしろくて買いすぎた」という感想で締められている。横浜美術館のSHOPは、入館料不要で入れて、隣接しているカフェもリーズナブルなのでふらっと寄るのにお勧めだ。


3. トランスフォーメーション (東京都現代美術館)

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2010/12/19日曜日に訪問している。「トランスフォーメーション」展のメモは、全体を通してリーフレットを切り貼りしてある。各作品の横に書いてある番号は、次ページから続く作品の説明とリンクしている。

本展覧会のメモでは、各作品の解説に感想を書いている。作品自体が現代的だというのも相まって、様子が伝わりきらない。従って、各作者に関するリンクをメモの下に記載するので、気になったらクリックしてみてほしい。

面白かったし、「生きることは変わること。」というテーマに心動いたことは覚えている。

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↑ 1ページ目、番号4の作者。

↑ 1ページ目、番号9の作者。

↑ 1ページ目、番号11の作者。


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スプツニ子!は認知度が高いのではないだろうか。メモ中の「生理マシーン」「寿司ボーグ」「カラスボット」がオフィシャルサイトで公開されていた。


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最後のページには、リーフレットに記載のない作品を見て印象に残ったことが断片的に書いてある。

キョンシーは埋葬方法を間違えられてしまった死者で、あのポーズは死後硬直しているから。

へぇ~そうなんだ。忘れていた。

ジャミラは宇宙に置き去りにされた宇宙飛行士。
AIBOは25万円だったけど20分で完売。
マイケルジャクソンは真ん中くらいの鼻が自然でかわいかった(マイケルジャクソンの顔の変化が時系列順に連続的な動画にされていた記憶がある)。
芸者ロボが低俗っぽかったのに意外と最近の作品で驚いたとともにゲンメツ(笑)

芸者ロボは、映画「ロボゲイシャ」を指していると推測される。2009年の作品なので間違いないだろう。


→ 出口

以上、10年前に訪れた3美術展のレポであった。何か感じることや気になることはあっただろうか?

ご自分が感じたものを見つめると、新たな感覚や思考に結び付くかもしれない。心が動くときには、まずはじめに違和感や驚きが生じるものだ。

単に面白いと思うだけでも十分栄養である。

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#ぺこぱ をイメージして描いたのだが、DIOみたいになった。

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