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超格子が発する超蛍光:パルス波バースト

タイトルの単語が渋滞していますが、今回紹介するのは著名な科学雑誌Natureの記事です。

ナノ粒子が規則正しく並んだ超格子の応用で、超蛍光と呼ばれる現象があるそうです。

超格子が超蛍光って中二病でもやらないような超(スーパー)をつけておけばよいみたいな感じがしますが、調べてみるととっても難しい物理現象でした。

ここでは、雰囲気を簡単に紹介してみたいと思います。


超蛍光の前に簡単な導入

できれば、事前知識なしで記事を書いていきたいのですが、さすがにマニアックすぎるので、簡単に量子ドットに関して紹介したいと思います。詳細な説明は以下の記事をご覧ください。

一言で量子ドットを表すと半導体ナノ粒子です。それは不思議な量子特性を持つことから、蛍光を放出する材料として注目されています。

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また、今回の記事では超格子の話も出てきます。冒頭にも書いた通り、専門用語が渋滞してますね。超格子に関しては以下の記事を見てもらえるとわかると思います。

今回のケースで簡単に言うと量子ドットが規則正しく整列したものを超格子といいます。今回はその量子ドット超格子が単なる蛍光よりもさらに不思議な現象を発現することが分かったという内容です。


超蛍光とは

この概念をざっくり理解するのに数日かかりましたが、ここでは超蛍光を超簡単に紹介したいと思います。(正確さは置いていきますのでご容赦を)

******簡単に知りたい人はスキップしてね********
まず超蛍光を理解するためには、2準位系という概念を知る必要があります。

というか、この概念がどうもつかみどころがないため、理解に苦しむわけですが、要は量子ドット内には2つの状態(エネルギー高いor低い)があって、このエネルギーが高いか低いかは調べてみるまではわからないということらしいです。

シュレディンガーの猫と同じように観測するまでは生きているか死んでるかどっちかわからないのと似てますよね。

このような2準位系がそろったときに強力な蛍光をパルス波として放出する現象を超蛍光といいます。

******スキップここまで********


量子ドット内における、物理的特性はある条件がそろうと共鳴を起こして大きくなります。この時、光をボヤっと放出するのではなく、ピカッと一瞬放出します。このような一瞬の光をパルス光といいます。

パルス光は通常の光と比べて、時間制御が必要な測定などに使われるなど、幅広いところで注目されています。(パルスレーザーなど)

今後、量子ドット超格子の超蛍光パルス波が新しいレーザーなどの材料として使われることもあるかもしれませんね。


最後に

今回は、かなり複雑な物理現象である超蛍光について紹介しました。
専門から離れているため2準位系あたりの説明は間違っていることがあるかもしれませんが、詳しい方がいたら教えてください。

とりあえず、量子ドットが規則正しく並んだ、超格子はパルス光を放出する超蛍光という現象を引き起こすとのことらしいです。


おまけ:量子コンピューター

超蛍光、2準位系に関することを調べていると必ず量子コンピューターが出てきます。

この2準位系という聞きなれない言葉が、量子計算にめっちゃ関係があるようです。シュレディンガーの猫と同じで観測するまではどちらかわからないという状態ですね。

この2準位系を上手に使ってやると、量子計算が高速にできるようになるようです。

超蛍光と量子計算がダイレクトにつながるかはわかりませんが、関連領域としてともに発展していくかもしれないですね。

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