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【スパイスの科学】二日酔い予防だけじゃないターメリックの秘密

カレーには欠かせない黄色のスパイス ターメリック。あまり聞きなれない方も多いかと思いますが、お酒を飲む人なら聞いたことがあるあのウコンです。

今回はスパイスとしてのウコン、ターメリックについて紹介したいと思います。

ターメリックの発祥

ターメリックは3000年以上も前からインドで使われており、カレーの原料として重宝されています。

そんなターメリックは紀元前にはペルシャと北アフリカに渡り、中世にはオスマン帝国の商人により、ヨーロッパに渡ったとされています。以前紹介したサフランも黄色く着色するスパイスであるため、より安価なターメリックはサフランの廉価な代替品として使われていたようです。

個人的には黄色いサフランライスの代替としてターメリックライスでも十分気分が上がります。(実物の香りは違うようですが)

現在でもターメリックはインドで生産されており、粉末ターメリックの90%がインド産です。

ターメリックの科学

植物としてのターメリックはショウガのような形をしています。それもそのはず、ターメリックはショウガ科ウコン属の多年草の植物なんです。

スパイスとしてのターメリックを作る際には、ショウガによく似た根茎をゆでた後に乾燥し、粉末にします。

ターメリックの成分は少し独特で、土っぽい香りのするツルメロンが多く含まれています。これはあまり他のスパイスでは見かけることのない化合物ですね。そんなターメリックは同系統の香りを持つクミンや、パプリカ、ブラックカルダモンと相性がいいです。

またジンギベレンというツンとくる刺激臭を持ち、同様の刺激をもつショウガやコショウと使うとさらにスパイシー感を増すことができます。

実は、カレーだけでなく、白身魚にヨーグルトとターメリックを合わせたソースをかけてグリルしたり、肉にすり込んでからローストしたりなど、意外と幅広い応用の利くスパイスなんです。色合いに黄色っぽさを加えたいエスニック料理なんかを作るときは重宝しますね。

ちなみに葉っぱは食物を包むハーブとして使われるそうです。

黄色い色素クルクミンとは

ターメリックの特徴的な黄色を作り出しているのはクルクミンという成分です。

クルクミンの色は環境によって変わり、酸性下で鮮やかな黄色、アルカリ性下ではオレンジがかった赤、フライパンや鍋の鉄分と反応すると黒っぽくなります。

クルクミンは現在進行形で研究されているような物質で、さまざまな機能を持っていると考えられています。例えば抗酸化作用や抗炎症作用、抗菌作用に加えてがんを抑制できるかもしれないとも考えられているんですね。

ただの色素としての利用だけでなく、将来的には科学に裏付けられたサプリメントや治療薬として利用されるかもしれませんね。

最後に

今回はターメリックについて紹介しました。

ちなみにウコンは漢字で鬱金、欝金、宇金、玉金と書くようで、ターメリックという名前は英名になるようですね。

ウコンの力などでお世話になる人も多いと思いますが、是非カレーのみならずスパイスとして利用してみてください。

参考


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