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マルハナバチのモフモフな体毛は花を見つけるセンサーになっている


概要

今回紹介するのは、マルハナバチのモフモフな体毛が花を検知するためのセンサーになっていることが分かったという論文です。

これまでハチのセンサーはその触覚だと考えられていましたが、この研究ではモフモフの体毛自体が花の周りの静電場を検出するためのセンサーになっていることがわかりました。


今回の論文▼
Mechanosensory hairs in bumblebees (Bombus terrestris) detect weak electric fields
Gregory P. Sutton, Dominic Clarke, Erica L. Morley, and Daniel Robert, PNAS 113 (2016) 7261–7265.


何がわかったのか?

これまで、サメ、エイ、イルカ、両生類、カモノハシといった様々な動物において電場を検出するセンサー器官を持ち合わせた動物が発見されていました。これは獲物を捕らえるためなどに使用されている生命探知センサーだそうです。

そしてこれらの動物の多くは水中で微弱な電気信号を検知することができる能力を持っているわけですが、マルハナバチは、乾いた空気の中で花が発する微弱な電気信号な変化をとらえることができます
マルハナバチの英語名のバンブルビー(Bumblebees)というのはトランスフォーマーに出てきた黄色の愛嬌あるキャラの元ネタですね。

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この論文では、レーザードップラー振動計という、微弱な振動を非接触で測ることができるレーザー装置を使って、電場による体毛と触覚の動きを追いました。その結果、これまで考えられてきた触覚よりも、モフモフな体毛の方が電気的な変化を敏感にとらえることができるとわかりました。

つまり、ざっくり言ってしまえば、私たちの産毛や髪の毛が静電気に反応してふわっとした感じがするやつの強化版みたいなものだと思います。


感想

以前はミツバチの体毛が花粉を効率的に運ぶ微細構造になっていることを紹介しましたが、ハチの種類によってはあのモフモフの体毛はセンサーにもなっているんですね。

人間の産毛も触覚を敏感にするとか、髭は頭部へのダメージを軽減するみたいな話を聞いたことがありますが、動物の毛は科学的に意味があって存在するようです。

また花の静電場という感覚が私にはわかりませんでしたが、花の種類によっては発する電磁場的な特性が変化するのかもしれませんね。

まだまだ自然界には自分の知らない科学がたくさんあるので、今後も調べてみたいと思います。

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