【スパイスの科学】3つの香りをあわせ持つオールスパイスとは
オールスパイスという名前をきくと、いろんなスパイスを混ぜたミックススパイスかなって思いますよね。
でも、実はオールスパイスという一種のスパイスの名前なんです。
今回はそんなオールスパイスについて1分ぐらいで紹介したいと思います。
オールスパイスとは
オールスパイスの名前の由来はシナモン、クローブ、ナツメグの3つの香りを併せ持つことからだと言われています。それぐらい多彩な香りを持つ貴重なスパイスということですね。
そんなオールスパイスは以前紹介したクローブと同様にオイゲノールという化学成分を多く含むスパイスです。
しかし、その発祥は東南アジアのクローブと異なりマヤ文明のあった中南米(今のメキシコ周辺)です。当時は、ミイラの防腐剤や薬、香味料などに使われていたようです。また、肉や魚の保存のためにも使われていました。
そんなオールスパイスの最初に見出したのはあの探検家コロンブスと言われています。コロンブスによってヨーロッパに伝わったオールスパイスは次第に私たちの生活に入り込んでいくことになるんですね。
現在はジャマイカが主要産地になっていますが、今でも中南米の多くの国で栽培されています。
オールスパイスの利用
オールスパイスは薬っぽいオイゲノール、刺激のあるシネオールなどに加えて柑橘風味をもつフェランドレンやウッディな香りを持つリナロールが含まれています。
そんなオールスパイスは肉、魚、野菜など幅広い料理に使うことができます。ナツメグの香りを持つことからも、ナツメグを切らしたときに肉に振りかけて臭み消しに使っています。そういう意味でも、汎用性の高いスパイスといえるでしょう。
さらにオイゲノールのほんのりと温かみのある味わいはナツメグやシナモンと同様にお菓子にも使うことができます。クッキーの生地、ジンジャーケーキ、イギリス風プリンなどにも利用することができます。
さて以前のクローブではオイゲノールについてフォーカスを当てましたが、今回はシネオールを見てみましょう。
シネオールはモノテルペノイドの一種です。と言われてもわからないですよね。私もあんまりよくわかっていません…
もう少しわかりやすい話にしましょう。
このシネオールという成分はユーカリ族の植物の精油に含まれており、ローリエ、ヨモギ、セージの葉からも抽出されるそうです。
そんな爽やかな香りを持つシネオールは香料や化粧品などにも使われているようです。
樟脳の香りにも近いと言われていますが想像が少し難しいでしょう。簡単に言えば、防虫剤の香りといったところです。
もちろん、防虫剤は濃度高めに作っているはずなので、もう少し柔らかい香りですね。
このオールスパイスの香りを引き出すためには乾煎りするという方法があります。乾煎りしてから、挽くいてパウダー状にすると焙煎香のような香ばしい香りを追加することができます。
最後に
今回は汎用性の高い多彩な香りを持つオールスパイスについて紹介しました。
あんまり見かけないかもしれませんが、スーパーや百貨店などで注意深く見てみてください。結構いろんなところで売っているのを見かけます。
スパイスなので使う機会はそう多くないと思いますが、興味があれば是非一度買ってみてください。
参考文献
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