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ヘビから学ぶ生体模倣:ヘビが私たちの命を救う話

ヘビが私たちの命を救うというとちょっと大げさですが、将来的にはあながち嘘ではない話です。

ということで、今回は誰もが知っているあのヘビにフォーカスを当てて、紹介したいと思います。

生体模倣(バイオミメティクス・バイオミミクリー)というのは生き物の構造を人間が真似して、役に立つ材料や仕組みを作ることです。ということで、今回はヘビの毒の成分などには着目せず、牙や鱗(ウロコ)といったヘビの構造から面白いものを作っていこうというお話です。

ヘビの牙が注射器に

引用した写真を見ると分かりますが、普通の注射針と違いますよね。
中空の針があるわけではなくて、特殊な形の突起の周りに薬が出てくる穴があるのは面白い!

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この構造はヘビの前の牙ではなくて後ろの牙を真似しているようで、毛管力によりこの溝に薬剤が流れ込んで穴をあけた患部周辺に流し込むことができるようです。

この突起は中空にする必要もなく金属でなくても良いようなので、さらに可能性が開けますね。

毛管力というのは繊維のような微細な空間に水がしみ込んでいく力です。詳しくはこちらから↓


ヘビのウロコが医療器具に

みなさんはステントという医療機器を知っていますか
詰まりそうな血管を広げるために使う網状の管のようなものですが、実はこの構造にもヘビのウロコの構造が使われているそうです。

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wikipediaより引用

ヘビのウロコはびっしりと並んでいますが、ヘビのくねくねした動き合わせて、動きますよね。

一部のステントの網目模様も一説にはヘビのウロコの構造から模倣してできたといわれているそうです。ステントは血管の中を通って患部まで届けなければなりません。ヘビのウロコを真似することで抵抗なくスルスルと血管を旅することが可能になるようです。

ヘビのウロコの構造が私たちの命を救うかもしれないと思うとある種ロマンがありますよね。


ヘビのウロコは天然の潤滑油

ヘビは足があるわけでもないのに、いや足がないからでしょうか、するすると滑らかに動きますよね。あれはロボットの動き方に由来するだけでなく、ヘビのウロコに潤滑油がコーティングされているそうです。

しかもそのコーティングはナノメートルスケールという光学顕微鏡でも見るのが難しい脅威の薄さ!

この極薄コーティングがなかなか気づかれなかった理由は、潤滑油と言ってもウロコの表面に固定化されているからだそうです。つまり、私たちが最初に想像するベタベタorサラサラな油ではなくて、教室の床に塗ったワックスのようなイメージでしょうか

引用記事を見ると6年前なんですね。初めて知った科学は少し古いものでも目新しさがありますよね(これって私だけでしょうか?)


最後に

今回は、だれもが知っているヘビについて見てみました。ヘビの牙やウロコに面白い発見があると思うと面白いですよね。

ヘビの模倣というとヘビ型ロボットが有名ですが、もう少し細かく見てもいろいろな可能性が広がっていますね。


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