見出し画像

2021年に読んだ本でおもろかったやつ〜ゴイスー本

ブルシットジョブ
新年早々このブルシットでファ○クな絵本を読んだのは、結局おいらがブルシットに勤しんでいるから。

ブルシットジョブとはクソみたいな仕事、不要不急なのに仕事している感だけがやたら醸し出される上質な納豆みたいな噴飯ショットガン嘔吐ジョブ。
結局、自殺しちゃった著者のデヴィット・グレーバーはアナキズムや官僚制度に糞塗りたくるような本を書きまくっていたが、ブルシットジョブが生まれたのは資本主義的なセカイでの集団生活における打算的な姥捨山みたいなもんで、資本主義経済が持続可能なための官僚的配慮なわけで。

ブルシットジョブで見えてくるのは、既得権益層のイザコザの目くらましであって、そのツケは未来の子どもたちとすぐ下の世代に押し付けられている。要するに糞だ。俺たちは老害の糞が溜まったオムツを手渡されているわけで、そこにまた糞して下の世代に渡すのか、それともその糞てんこ盛りのオムツを老害のケツにねじ込むのか、要するに自然淘汰についての本でした。
ファ○ク!


人新世の「資本論」

流行っているから買うという超資本主義的消費の上で我が家に転がり込んできた新書。
要するに頭ハッピー左翼本?

いやいや、こちらはまだ健全なゲバ棒本で内ゲバラジオ体操みたいな本。
齋藤幸平のスタンスは左寄りだが、左翼的な非階級的態度が我々若い世代には共産党アレルギーを起こさせにくい、要するに無印良品の店員みたいな感じ。
環境問題は無限アイコのブルシットじゃんけんになりがちだが、意外と古典的な「おれのかんがえたさいきょうのかんきょうたいさく」へ誘導するデータの羅列でしかない。
宮台先生曰くウヨ豚はこういったデータをトランプに見せてFire焚書させてワイワイするのがテンプレートなのだが、結局著者の語り口やキャラクターでYMOの誰かが頷くさまを見て「ううう」とテクノにノッてるみたいな反応しか出せないようだ。

資本主義VS共産主義というイデオロギー闘争(プロレス)という伝統芸能を終わらせたような気がするムーブメントを生み出した著者の雰囲気は称賛に値する。
だが、マルクスはこういった。
エンゲルス、カネ貸してくれや!


太平天国

みんな大好きチャイナヒャッハーヒストリー。
もうね、中国産物語には勝てんですよ、ハイ、ヤフーコメントでもボロ負けっす。
中国の歴史(王朝交代期)愛好家としては、「またまた宗教ね」といった感じだが、太平天国ってあまり資料がなかったように思う。
この新書はその点、非常にわかりやすい。
何が良いって中華無双(R18 by孔子)あるあるの「初登場人物が次の行で首チョンパ」が頻発するからね。
太平天国の乱は、キリスト教(もはやどうでも良い)の名を借りた陳勝・呉広の乱だが、聞きかじったレベルの西洋文明を無茶苦茶な地元仕様にしてしまった洪秀全は中国史に名を残すに値するヤンキーね。

中国の歴史は堂々巡り、登場人物も名前が違うだけでだいたい当てはめることができるくらい堂々巡り、でも洪秀全が残した残り香のおかげで孫文が生まれたというのは肝に銘じて凌遅刑!


最近僕が大好きな中野信子先生の著作。
この人はツイート感覚で本を出しているのだが、毎回写真が面白くてわざとなのかなと思ってしまう。
その辺も空気を読んでいるのかもしれない。

あとこの人はベッキーに印税を多少分けてやったほうが良いね。
ベッキー問題のおかげでB層にウケているのだから。
正直、脳科学者なのだがネットで調べればわかるようなことを淡々と書いているだけの本が多い。
もちろん、非常にわかりやすいよ(Wikipediaの次くらいに)
でもお茶の間の教祖であるコメンテーターとして、ズバリ科学的根拠を踏まえてズバッとビシッとラディカルに当たり前のことを愚民に提示してくれるIQ200の先生様なんだから、これこそ時代の空気を読んでいるように思う。
こういうのを天才と呼ぶのであろう。ベッキー天災からの復興(主に主婦層)の指導者である。

ついでにベッキーに金やってくれや!あと文春にも!


ガチの天才井筒俊彦先生の著作。
正直、理解できないけどマジでヤバいこと言ってるのだけが伝わる良書。
読後感は絶頂に値するが、村上春樹の小説ばりに何も覚えていないすかしっ屁本。

人間の意識をイスラームから東洋までの幅広い哲学を駆使して探る行程は、並みの推理小説よりドキドキすること間違いなし。主演にするなら内田裕也。
フロイトが無意識と意識を(本人の)性的衝動で分けたみたいだが、そこから取りこぼされたものが東洋にあったわけで・・・

2回読んでもさっぱりわからないけど、とにかく読後感だけはそんじょそこらの鬼滅の刃なんかより全然良い。
鬼滅の刃なんだけど、あざといくらいのジャンプ的展開をツイート感覚でしかもセリフ説明付きで早回ししているよね。あれが時代に合うようだね。
DBとNARUTOとBLEACHと紅蓮腕の奴を混ぜて脱水かけて天日干しして切り干し大根にしたみたい。
ディスっているわけではなくて、単行本一気読み派としてはとても良かったね。
でも読後感はそんなに無い気がする。Netflix商法に似ている。SNS時代の読後感だね。
あ、井筒俊彦でした。禰豆子かわいい


今年一番はこれかな。


この記事が参加している募集

#読書感想文

188,357件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?