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【読書note/文芸】『常識のない喫茶店』

接客業をやっていると、いろいろなお客様に出合います。それはほんとに、良くも悪くも十人十色で。離れてしまえば、ネタになる思い出ですが、現在進行形だったころは、マジでしんどくて。バックヤードで何度泣いたことか。

理不尽に怒鳴りつけられたり、コミックだからといって超バカにされたり、無理難題おしつけられたり。

もちろん、自分がミスをして平身低頭で謝ったこともありますし、私の所為じゃないのに、なぜか私が謝る羽目に陥り、めちゃくちゃ怒鳴られたことも。ふと振り返れば、私のやらかしをものっそい勢いでリカバーしてくれた同僚もたくさんいます(やらかしの神様オレ…滝汗)。

私自身は、「接客業」に就いたのは書店員をしていた2年間だけです。国語講師は接客業というか…また、それはそれで特殊なので(笑)

そんな浅い期間しか従事していないお仕事ですが、それでも今回ご紹介する本は思い当たることばかり。とても面白く読みました。

■『常識のない喫茶店』について

■僕のマリ著
■柏書房
■2021年9月
■1400円+tax

「働いている人が嫌な気持ちになる人はお客様ではない」

日々降りかかるセクハラ、モラハラ、
理不尽すぎるクレームの数々……。
ただ働いているだけなのに、
なぜこんな目に遭わなければならないのか!
店員たちの小さな抵抗を今こそ讃えよう。

溜飲下がりまくりのお仕事エッセイ。

僕のマリさんが、柏書房さんの運営する公式noteで連載されていたものを加筆修正し、書籍化したものです。

リンクは貼ったものの、私自身は書籍で初めて読みました。実は続編『書きたい生活』を読もうとしていたのですが、それなら初めから♪とコチラを読み始めた次第。

そしたら、めちゃくちゃ面白くて、接客業やっている人に、超おススメな一冊でした。

*この記事は有料記事です。
こちらのマガジンに放り込んであります。

■「もう来なくていいです」

接客業をやっていると、理不尽に怒鳴られることあります。あるいは、不条理な理屈を押し付けられて、あまりのことにコチラがフリーズしている間に、ドヤ顔で勝ち誇られることも。

結果、大概の場合、相手が何に怒っているのか、その理屈は何なのか、全く理解はできないけれど、とりあえず「謝る」ことになります。

「どーも、もーしわけございませんでしたっ」

すると、「謝って済む問題じゃないでしょ!」とブチ切れられる。そうして、「どないせいちゅうねん…」と立ち往生したこと、何度もあります。

また、書店員をしてた2年間で、「お客さまは神様だぞ!」と言う人に2~3回遭ったことがあります。感想としては、「マジで、これ言う人いるんだ…」しかありませんでしたが。

あるいは、「そんなに対応悪いと、ネットで買っちゃうぞ」って威張る人も。腹の中では「どうぞ♡ 私も基本ネットで買ってます♡」と思ってました(笑)

とまあ、思い出話が止まらなくなるほど、本書に出てくる、迷惑なお客さんは身近で、1人みたら30人みたいな(某G⁈)人ばかり。

でも、このお店はここからが違います。

私たちなら「申し訳ございませんでした」と、とりあえず謝って収めようとする場面。このお店では

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