ラスト5分が好きだった映画『楽園の夜』
Netflix映画『楽園の夜』を見た。
出ました、韓国ノワール!最近よく観ている。相変わらず得意ではないのに、ギャングはナイフを使うから怖いのに、観てしまう。チョン・ヨビンさんが大好きで、彼女の演技を見るのが目的だった。
絶望が引き合わせる二人
大切な人を殺され、さらに組織に裏切られ、追われる身となった組織の構成員の男と、不治の病に侵されている女。二人は男の逃亡先である済州島で出会う。束の間の時間を一緒に過ごすが、「俺(私)にだって好みがある」と言い、決して甘い空気にはならない。
ならないのだけど、どこかで惹かれ合っているような感じが見てとれた。「どうせ死ぬ運命にある」ことが二人の共通点で、それが二人を近づけているように思えた。人を遠ざけるようでいて、本当はとても必要としていた人たち。切ない。
楽園はどこに?
済州島は日本でいうところの沖縄のように、人々が都会を離れてバカンスをしに行くような場所だ。その美しい景色と、流れる血の対比が際立っていた。あと気になったのは、光。太陽の光が彼らを照らすのだが、その美しい撮り方がとてもよかった。光が当たっていて明るいのに、明るくならない雰囲気の作り方がとてもうまい。
この映画、全編通してほぼ昼のシーンなのにタイトルは「夜」だ。一体、どの夜を指しているのだろう。二人にとって楽園はどこにあったのだろう。
ラスト5分のチョン・ヨビンは圧巻だった。今後も注目していきたい。