映画記録「関心領域」
もし配信でこの映画を観ていたら、私はオープニングからエンドロールまで一度もスキップせずにいられただろうか。後半にかけてこれは「現在の自分」を指している、と気づいたとき、今まで感じたことのない恐怖に襲われた。
定点カメラで淡々とヘス一家の様子を映し出していて、まるでホームビデオかドキュメンタリーを観ているみたい。何も説明はされず、下手すると退屈に思えてしまうような穏やかなシーンが続く。しかし、その景色とはそぐわない悲鳴や銃声、エンジン音が遠くから聞こえてくる。画面の中にいる人