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描きたい絵と、描ける絵は違うって話(2)

こんにちは。週一更新を目標にしています。
私はイラストACというサイトで無料でダウンロードできるイラスト素材の提供をしているので、そのイラストの紹介と日々の思っていることを書き綴っています。

以前、描きたい絵と描ける絵は違うという話をnoteに書きました。
これまで書いてきた記事でも上位に入ります。

続き、というには内容が重複している部分もあるのですが、今日は私の『描きたい絵』について書こうかなぁと思います。イラストの紹介は今回はその後で。

私の『描ける絵』

前回の話とほぼ同じ内容になってしまうかと思いますが、改めて。
私の『描ける絵』はIllustratorで描く絵です。
『描く』というには語弊があるかもしれません。『作れるデザイン』の方が意味的にはしっくりきます。

仕事でのデザインは自分の絵ではありません。
私はIllustratorを使ってデザインをする職種です。デザインの業種にも色々ありますが、先方(お客様であったり、それを売りたい営業さんであったり)の希望に沿ったデザインを作るというのが仕事、という意味では職種は関係なく同じです。

商品Aを売るのに色々な人が関わります。
商品企画の人、パッケージを考える人、売り方や戦略を考える人、キャッチコピーを考える人、食品であればその商品の味にかかわる専門職の人、農家の人、物流の人、エンドユーザー、CM業界…

デザイナーはこの流れのうちの一部です。
自分がこうしたい!と思った通りに提案できるデザイナーの方もいますが、仕事として(会社員として)デザインに携わる人はデザインの知識はあれど、自分のデザインがそのまま採用されることはあまりないです。
企画会議で出た色味だったり、ロゴのイメージだったり、商品のコンセプトを聞いてそれに沿ったデザインを提供するのが仕事です。
新入社員が最初にぶち当たる壁でもありますが、思った通りにできない事のほうが多い。
『この色とこの色じゃ絶対合わない!ダサい!!』
って思っても、先方が『もっと黄色と赤で文字は大きく目立たせてください』って言ってきたら、それを視覚的に変ではなくダサくならないように希望に沿ったデザインを出すのが仕事です。
私も、市場にある商品で誰もが知っているパッケージを担当したことがありますが、正直、みんなで作ったデザインであって自分のデザインではないので(私はお客様の希望を視覚化しただけ)胸を張って『私のデザインです!』なんて言えません。

私の『描ける絵』はビジネスイラスト だと思っています。

心を無にして描かなくてはならない時だってあります。
(こんなんクソだせぇぇぇ)って本心では思いながらも先方の言うとおりにしなくてはならない。でもどんな絵でも描くことはできます。

倫理的にダメでしょこれっていう案件も多々あります。
お客様から、『ここのイラストはこれで』って透かしの入った画像を渡される事なんてザラです。
その画像を運よく素材サイトから見つけ出してダウンロードできれば良いですが、見つからなかった場合は『100%全く同じイラストにはなりませんよ』という前提で、その絵をトレパクって似た感じに作らなくてはならない事もあります。
でも、絵を見て、似た感じのところまではIllustratorであれば大抵描けます。
制作時間もなんとなく読めるので、『このくらいの納期は頂きますよ』と交渉もできます。(間に合わない場合は残業ですが)

それが私の描ける絵。

私の『描きたい絵』

元々、イラストACや素材サイトに投稿する前までは、インスタで自分のイラストを紹介していました。

モノクロ線画イラスト
https://www.instagram.com/erink_monokuro/

ファッションイラスト
https://www.instagram.com/erink.art/

似たタッチの人もいるので、似た系統のイラストは存在するとは思いますが、完全オリジナルなので同じ絵は絶対にないと思っています。
趣味で描かれている絵は、発想が真似できないと思うんです。出来上がった絵をみてコピーができたとしても、その絵を描く発想の真似はできない。

最初は、この絵を素材サイトに出そうなんて思ってもいなかったのですが、Illustratorで描くイラストのネタが尽きてしまった時、aiデータではないけど出すだけ出してみるか的な安易な気持ちでJPEGとPNGだけですが提供し始めたのが最初です。
ここでイラストの紹介です笑

■ 楽器演奏者のモノクロ線画イラスト

↓↓↓ 線画シリーズまとめて見られます。他の演奏者もあります。

■ 日常生活モノクロ線画イラスト

■ ファッションスタイル画のイラスト

↓↓↓ ファッションイラストまとめてあります。

イラストACに公開するようになってから、趣味で描いている絵に目をとめていただき、お仕事の依頼の連絡をいただくことが増えました。
ただ、趣味絵はiPadで自分の隙間時間に描いている絵です。
子供の塾の送迎で待っている時間に車内で、とか、会社の昼休憩の時間にひとりで描いたりしています。
ほぼ毎日描いていますが、毎回10分程度なのでひとつのイラストが描きあがるまでに時間がかかります。納期がなく、自分の好きなアングルで好きな絵を描けるので楽しい時間です。
お仕事の依頼が来るようになってわかったことがあります。

私は趣味絵を仕事としてお受けできない という事です。

後ろ向きな表現をするとしたら、
納期は守れません。このアングルで、とか、もっとかわいらしい絵柄で、云々言われても、先方の要望には応えることが出来ませんという事。

そうなんです。
仕事はお客様ありきなのに、趣味絵の場合はお客様の要望に沿って描けないんですよ。私。
あと、仕事になってしまったとたん、なんか気負ってしまって何を描いていいのかわからなくなってしまう。
それを『描いていて楽しくない』っていうんですけど。
趣味で描いているのに楽しくなくなるのは本末転倒な話。
だから、『描きたい絵』は仕事としては引き受けたことはありません。

『描ける絵』と『描きたい絵』の違い

人にもよるとは思いますが、私にとっては

描ける絵=相手の要望に添って表現できる絵(自分を殺してでも描ける)
描きたい絵=自分の気持ちに沿って描く絵(気持ちが乗らないと描けない)

です。

イラストレーターの存在意義


仕事としてデザインをしている側からみると、自分のイラストで生活をしている人の絵は真似ができません。先方に『こんな感じでお願いします』と他の方のイラストを見本に出されても真似できないし描けないんです。
私に『鬼滅の刃みたいなイラストで』って漫画家さんが描いたような絵を見本に要望されてもそれは無理です。
また、勝手に真似をして使ったとしても訴えられる可能性だってあります。
本当にそのタッチでデザインしてほしかったら、クライアントが直接イラストレーターや漫画家の方に交渉すべき案件。真似できないし、リスクが高く真似したくありません。

イラストレーターとして生活をしている方々に依頼が来る案件は、そういった案件です。イラストレーターさんの色や味が、商品の色と希望した形にマッチした時、会社員デザイナーが描けないテイストの場合が多いんじゃないかな。後はきっかけであったり、伝手であったり。
最終的には人と人とのつながりになりますね。

自分の趣味絵でも、それがお客様の要望に沿うことが出来て、納期も守れる場合、それはもう『自分の味を出した描ける絵』になるんだろうと思います。
今、私の描いている趣味絵も、もっと数をこなしてどんな要望でも応えられるくらい腕が上がったら、仕事として引き受けられるようになるのかもしれませんね。いつになるかわからないけど。

パッシブインカム(不労収入)とは

先程も少し触れましたが、私の趣味絵の方に仕事の依頼がたまにあります。
納期を守れないので基本的にお断りしてきましたが、直近の依頼は挑戦してみたくなったので別の形でイラストのリクエストとしてお受けしました。

息子が吹奏楽をやっている関係で、吹奏楽シリーズを描いてイラストACに投稿していたのですが、冊子を作るのにピアノとオペラとバイオリンの奏者のイラストを描いてくれないか?という依頼でした。

お客様の要望には添えない可能性もあるけど、演奏者をもっと描きたい気持ちはあり描きたくなったのでお受けしました。
ただ、お仕事としてではなく、数点イラストを描いてイラストACに登録するので、気に入ったらダウンロードしてほしいとこちらからお願いをさせていただきました。

気になる趣味絵のDL数は?というと、これが意外と需要があります。
シリーズで描いているからか、週に一回は台風のようにたくさんDLされていきます。(DLの時間も同じなので、同じ方がDLしてくれているのだろうと推測)
季節物のイラストのDL数には及びませんが、このあたりのイラストは季節は関係ないので、DL数が落ちることなくDLされます。
季節物で、今全く動かなくなったイラスト(夏物)があるんですが、そのトータルDL数を追い越した趣味イラストもあります。

これがパッシブインカム(不労収入)か!!!

ストックイラストを始めて10カ月。
現時点で理解した需要と供給のまとめ

これは、私個人の推測なので絶対ではありませんのであしからず。
でもほぼ合っているんじゃないかと思っています。

(需要A)イラストをデータとして描けない一般の人
(供給)PNGやJPEGなどの(できればIllustratorで作った)素材。
イラストACの無料サイト向き。

(需要B)イラストは描けるけど時間のない企業デザイナー
(供給)Illustratorで作ってあり、素人感のない使いやすい素材。
イラストACでも有料でも良いが、素材の場合は無料の方が分母が大きい(一般の人も使える)ので私だったらイラストAC。

(需要C)会社デザイナーが描けない領域のイラスト
(供給)イラストレーターの方が描くような作者色の濃いイラスト。
有料の方がいい気がしますが、イラストACも侮れないです。
企業デザイナーが使っているイラストで作者色の濃いイラストは、aiデータではなくても、解像度の高くクオリティが高ければ採用されます。ガンガンDLされることはないかもしれませんが、不労所得になりうる領域です。
ただ、有料ではないイラストACも侮れないと書いたのは、私のように仕事の依頼が来る可能性もあるからです。

(需要D)クオリティが高すぎる完成されたイラスト
(供給)絶対有料サイトです。
特に季節物。クオリティが高く、ちょっとだけ手直ししてすぐに使えるデザインは有料のサイトからしか基本使いません。理由は、デパートや駅中など、大衆の人が目にする制作物だったりするので、一般の人が探せるところ(イラストACなど)にあるデザインは採用しないからです。


私はストックイラストを作るにあたり、最近、一番最初に完成されたイラストを作るようになりました。
例にあげると、先に素敵なポスターを完成させるんです。

そのポスターが、クオリティを上げすぎたなぁとか、10MB超えてしまった場合(イラストACは10MB以上は投稿できません)は、有料サイトに投稿しています。(こちらもポチポチDLされています)・・・需要D

作ったポスターに使った素材(ハートとか星とか音符など)をばらしたイラストや、学校やちょっとしたチラシに使えそうなクオリティの場合はイラストACに投稿します。・・・需要A/B

趣味で描いている絵も投稿しますが、現時点ではイラストACにしか投稿したことがありません。ここはこれから有料に挑戦しようと思っています。
趣味絵はiPadで描いているのでベクターデータではない為、JPEGとPNGでイラストACに投稿していますが、時間のある時にベクターデータにリメイクして、デザインとして使える状態にしてから有料サイトで投稿する予定です。・・・需要C

まだまだ実験要素てんこもりです。奥が深いです。
これからも無理なく調整しつつストックイラストを継続していきたいですね。

毎度のことですが、今回も長い記事になってしまいました。
文字数もこの時点で4943文字。
よくここまで書けるなぁって自分でもびっくりです。
今回の記事は5000文字超えるな。笑
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
(↑ここまでで5009文字でした!!)


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