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読み聞かせボランティア。無事に読めるか心配な絵本『バスが来ましたよ』。


以前書いたこの記事。

夏から始めた読み聞かせボランティアの活動。

これが、本当に楽しい。

学校での息子(小2)の様子をチラ見出来るのもメリットだし、息子の同級生が私達の顔を覚えてくれて、通学路で話しかけてくれるのもうれしい。

そして何よりも、絵本を映したモニターを見ている子ども達の表情を見るのがいい。目はキラキラしていて、物語の展開によっては、「わあ!」とか、「え~?」などと素直に反応してくれる。子ども達を見るのが楽しすぎて、自分の読む番を忘れてしまったことも(コラコラ)。

最近では、BGMを毎回流したり、絵本の内容にちなんだプチ情報を紹介するコーナーなども展開したりして、みんなでアイデアを出しながら、充実した時間となるよう工夫している。


でも。このメンバーでの活動も、あと2回…。

夫の転勤(修行)終了に伴い、今年度いっぱいでこの街からから引き上げることが決まっているからだ。

もう、今からとても寂しい。



残り2回の題材は、もう決まっている。

3学期初めは、新年らしく、明るくて楽しい感じの絵本。

そして、3月の最終回で読み聞かせする予定なのが、こちらの絵本。

バスが来ましたよ

由美村嬉々/文
松本春野/絵

配本日:2022年06月24日

全盲になった男性が、小学生に助けられながら続けた、バス通勤。「バスが来ましたよ」その声はやがて、次々と受け継がれ…。

アリス社ホームページより


テレビでも紹介されたことがある、ちょっと有名な絵本らしい。実話を元に作られたそう。

メンバーのお母さんイチオシで、きっといい話なんだろうなあ、とは思っていた。


読むことが決まった日から数日後、本屋で見つけ、うっかり立ち読みしてしまった私。


……数分後。


マスクの中が、涙でぐちょぐちょになってしまう。

想像以上だった。

こんなにも心を揺さぶられる話があるなんて。

初見でうっかり立ち読みしてはいけなかった、と後から思った。


ここからはネタバレになるが、ストーリーをざっくりと。

全盲になった男性が、通勤するため、バスを待っている。通り過ぎてしまわないか、無事に乗れるか不安にバスを待つ中、可愛らしい声で、ある女の子が声をかけてくれる。「バスが来ましたよ」。そして、小さな手で優しく身体を押して、バスに乗るのを介助してくれた。

たまたま同じバス停で降りることが分かった男性と女の子。それから毎日、声をかけてくれ、一緒にバスに乗り、会話もするように。それからいくつもの季節が通り過ぎた。


ある春の日。いつもと違う声の「バスが来ましたよ」。女の子の妹だった。「お姉ちゃんは卒業しました。」


それからは、妹ちゃんからさらにたくさんの子ども達に広がる「バスが来ましたよ」の輪。男性は無事に定年を迎えるまで、子ども達に支えられてバスに乗ることができた。

初めに女の子が男性に声をかけたのは、小学校3年生の時(実際は1年生だったそう)。どうやったらこんな風にさりげなく親切が出来るのだろうか。そしてそれを何年も続けることも。

男性も、親切を素直に受け取り感謝する。

女の子の保護者も先生も出てこない。でもきっと、素晴らしい教育をされているんだろうな、と思った。

大人の指示ではなく、子ども達が自ら行い、つないでいった親切の輪。あまりにも自然で温かくて。じんわりとした感動の余韻がいつまでも残っていた。


そして、私の涙腺を1番刺激したのは、妹ちゃんの登場シーン。最初の女の子は、自分が卒業すると男性が困るだろうと思って、妹にその役割を託したのだ。

それに、柔らかい雰囲気のイラストや、1文1文がとても優しい。それがさらに感動を助長する。


なので、この絵本を読み聞かせするのが、今からとても心配なのだ。メンバーのお母さん達とも、どこが無事に読めるかと話したりした。

読みながら泣かないように、練習していこう。いやでも、仮に泣いてしまっても、それはそれでいいのかもしれない。


来年度から女の子と同じ3年生になる子ども達に、この優しい世界が伝わればいいなと思っている。



最後までお読みいただきありがとうございました。



***2024/1/9追記***


***2024/1/23追記***

今週も!ありがとうございます〜

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