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日本人視点のアメリカ・ギフテッド教育レポート:何その授業!?小学校編

日本でも昨今話題のギフテッド教育。

アメリカではその分野の教育が進んでいるとよく言われます。

果たしてどうなのでしょうか。

アメリカ在住の私の周りにもギフテッドのお子さんがそれなりにたくさんいます。決して珍しいことでもなく、10人に一人か二人はいる感じです。
そして、私自身の子どももそうだと判断されているので、在米日本人家族の私と子ども視点による、学校のシステムや感想など、連載方式で書いていきたいと思います。
(子どもは今中学生です)


アメリカとは言っても、法律さえも異なる合衆”国”。何につけても州や都市、自治体で異なることが多いので、ここではあくまでも我が家の経験と知識でお話をさせていただきます。
なお、本件は2020年前あたりの話です。
 

ギフテッドかどうかは、先生などの推薦でGifted/Talented(と呼ぶことが多いです)のテストを受けます。我が家では、キンダー(小学校の附属の幼稚園年長にあたる)で担任から言われましたが、興味もあまりなかったので、受けさせず。
日本人家庭なので、日本語重視でそちらとのバイリンガル教育もやっていたため、今は必要ないと考えていませんでした。

ですが、毎年担任の先生に言われるので、小学校の中学年の時に一度やってもいいかなと思い子どもに受けてもらいました。
テストの内容等はまた別の機会に…。


ギフテッド(このあたりでは、Talented & Gifted = TAG タグといいます)と認定されてからは、各クラスにいるタグの子だけ、月ー金の午後はタグ・クラスに移動していました。

トップの写真は、子どもが毎日午後過ごしていた教室の一部です。大きなソファもあり本やゲームもたくさんあり、自由な雰囲気です。
アメリカの小学校自体、教室も自由な感じですが、さらにカフェ感が増したような、ここで学習??と思うようなセッティングです。

うちの子はこの教室に行くのが、大好きだったそうです。
(そりゃそうだ。ソファやロッキングチェアーで寝転がって本読んだりもできるので)

時間割があり(午前のクラスでもありますが)算数・国語(英語)・そして小学校だけであると言われたTalent Development(才能を伸ばす・以下、TD)のクラスの三つに分かれていました。

面白いのは、タグと言っても、三つの科目全部いる子もいれば、TDだけの子もいたり。テスト結果によって違うんですよね。

そして担当する先生方も自身がタグだった人だけが採用されるそうです。

算数や英語に関しては、できるならどんどんもっと先に、といういわゆる普通の先取り方式だったのですが、私が感動したのはこのTDというクラス。

親への説明会なども数回あり、毎週のレポートも写真付きで送ってくれるので何をやっているのか具体的に教えてもらえました。

名前の通りに解釈すると、「その子の才能を伸ばす」クラス。

ですがその分野は様々で、チームワーク、リーダーシップ、サポート役、ボランティア活動、他者の尊重、プレゼンスキル、話し方、などなど多岐にわたります。

中でも私が一番面白いと思ったのは、「失敗した自分への対応」でした。

初めて聞いた時、「何その授業?」と思いました(笑)

先生曰く、ギフテッドの子は、できることが多いこともあるため、失敗することを非常に嫌がる、異常に恥ずかしいと思うことがあると。でも、その失敗した自分を笑って、ある意味自虐くらいに受け止めることに慣れるという授業でした。

今でいう「自分で自分の機嫌をとる」ということかもしれませんが、失敗した時、挫折した時、人と比べて落ち込んだ時。その時に人や物に当たったり、塞ぎ込んだり、思い詰めたりすることがないようにトレーニングするという内容でした。

先生に「ミドルスクールにはこれないから」と言われたので、小学校の間はこのTDのクラスを一番満喫してもらいたいと思っていました。

日本でも道徳の授業などもあると思いますが、自分のことを自分で育てる。簡単そうでできないことを小学校のうちから、楽しく教えてくれるということに、結構感動を覚えたのでした。


お読みいただき、ありがとうございました。


次回は、「同じギフテッドでも2E型と英才型は同じクラス!?」のお話です。




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