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男尊女子はいるか?

少し前に「この部署には男尊女卑がまだあるからねー」とある人が言ってたんだって、という話を聴いた人から聞いた。(ややこしいな)
今これを読んでいる読者の方で、男尊女卑って分かるだろうか。正直、「死語」だと思っていたし、今そのワード出す人がいるんだなと別の意味で驚いた。
さて、世はジェンダー(性差)について昔以上に敏感である。かく言う私もジェンダーは仕事上、頑張って勉強している身である。だから、私が書く内容は色んな本から借りた言葉や考えの上、成り立つであることを先にお伝えします。

昭和時代ギリギリに生まれ、平成時代を生きてきた私はこの令和2年にして、DEIという言葉に出会った。出会ったのは会社の新しい部署で設立され、スタートアップメンバとして自ら応募した。プレイヤーとしてやってきたこれまで、まさかの事業の責任者だ。そしてメンバーは60歳/エンジニアと、40歳過ぎ/二児ママという異色の組み合わせ。
約2年間、DEIや組織のありかた、心理的安全性、心理的資本、女性活躍、障がい者雇用、LGBTを含むマイノリティなど、まっさらな状態から今では自分なりの見解を持てるまでになった。

そんな中で聞いた「男尊女卑」ワードは、その人には悪いが言葉のチョイスがよろしくない。それを聞かされたのは22歳。LGBTとかジェンダーフリーの概念は少なくともその人よりはあるのだ。男を立ててこそ女だ、そんなことを言いたかったのだろうか。ぽかんである。二の句が継げない。
どこかのスポーツ選手が言っていたが、理想の女性は1歩2歩引く女性。個人の好き嫌いとして良いと思うが、現在を知っての言葉であろうか。ただ無知であるだけだろうか。


『男尊女子』について少し話してみよう。女性女性「男尊女子」(著:酒井順子)の本を手に取ってみたのだが、そこには、男尊女卑にはプンスカしながらも、なにかというと男尊女子の影は自分の中にある、とあとがきとしてあった。女性も男性と同じように働けるようになり、モーレツ社員となって髪を乱して男性に負けないように働いていた・・という人もいるのではないだろうか。 バリキャリで働くのが好きな女性、家事や育児といった 家のことをする女性、結婚しても働き家のことはパートナーとシェアする女性etc…いろいろである。 結婚して寿退社して専業主婦になりたい°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°という感じで、男尊女子が実は世の中にいるのである。 ちょっとオーバーに書いてみたが、男性と別にこれ以上並ばなくてよいし、男性を立てるほうが楽でよい、昇進してあの女性部長みたいになるのはちょっと・・・、男性のサポートをするのが私には似合っている。

旦那の収入で家族十分過ごせるプラチナシートが欲しい!だから頑張って女子力高めて男尊するの。

私自身はキャリアウーマンだ(と思っている)。
友人には専業主婦もいるし、立派な仕事だと思っている。大卒後、就職はせず結婚し一家を支える彼女の選択を尊重したいと思う。(旦那さんは自営業で家をあけることも多い。子育てや家事は彼女のワンオペだ。)
一方で、別の友人は仕事をしているが結婚を機に辞めたいという。育児制度をふんだんに使って退社する、その後は家庭に入りたいという。
私は、現在働いているのであれば、継続して働いていたほうがいい!退職して再就職活動というのは険しい道だと言いたいが、たぶん言ってはダメだ。それは価値観の押し付けになることに気付いた。
なぜ、家庭に入りたいのか。そんなこと理由であげられるわけない。仕事の人間関係に疲れた/家にいたい/家族の幸せを私の幸せにしたい…
言葉にはできないあれやこれやが詰まっているのだろう。
プラチナシートが手に入るなら、男尊女子だっていいじゃないか!私は喜んでその気持ちを否定しないで尊重してあげよう。

男尊女子とはき違えていけないのは、カマトトである。男性をスマートに立てるのは良いと思うが、無知のフリはしない方がいい。
『そんなことも知らないんだな~馬鹿だな~アハハ』と笑ってくれるのは昭和に生きたおっさんだけではなかろうか。もちろん全員ではないだろうが。

自分の教養や価値は決して下げないで欲しい。これは私の想いである。
女性の方が男性より頭がいいのはプライドが許さん!って何時代だよ。
紫式部は、自分が漢文を知っていてはならない(当時、漢字は男性、女性はひらがなとなっていた)というカマトトで、漢数字「一」さえ知らないと言っていたようだ。反対に清少納言は自分の知識は開示する方だったので、彼女はそんな清少納言が気に食わなかったのでしょう。
あなたが教養のある魅力的な人だと今を生きる時代の人は理解してくれるはず。

ジェンダーは2択ではない

現代は男性、女性の2択ではないことは、皆さんもきいことはないだろうか?自分はノンバイナリーという表現を宇多田ヒカルさんがしたことは少し前。
ジェンダー(性差)というのは社会が作った性別での役割だと価値観とかそういうもの。
ジェンダーレスは社会的に男女でその差をなくそうということ。(男女によって仕事内容に差別しないとか、年収とか。)
ジェンダーフリーはそういったものから自由になること。社会ではなく自分に目を向けて自分の好きな役割、価値観を持つという感覚。
そういうことが今は分かってきた私であるが、突き詰めると、
「あなたはあなた、自分は自分。お互いを受容していこうよ。」ということが言いたい。

男尊女子がいても、いいのである。

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