大鷹の王子さまと賢者華恵(プロローグ)

  ずっと昔  ホンニの 天は  明るくて  民は   心が 穏やかな  毎日を  過ごして  いました。
  心が  楽しいと  言うことですね。  真に  欲張りもせず  求めすぎもせず…。
ところが   民は 日々の  生活が  事足りて  くると、明るさの  奪い合いが  始まりました。  すると  天は  ゆっくりと  暗くなり始めて  しまいました。  そして、霊が  集まって きて  しまいました。民は その暗さの せいで また 自分を 正しく 信じることが できず
「神仏よ。どうか  私たちを  助けて  ください」と、天を  見つめたと  言うことです。
  その時代は  千年近い  年月があり  後世の  人は  その時代を
『闇の時代』と、書き記したという  伝説があります。
  ある日の  夜明け前  富士のみえる  高い山の  向こうから  一人の  男が  トコトコと  歩いて  来ました。手には  松の木の  杖を持ち 、黒の服を  着ていました。とても 優しい 笑顔でした。
「私は  大賢人  クロと  言います。そう、私が  天に  耀ける 光る 玉 となりましょう。天の  闇は終わりをつげ  きっと  明るく  なるであろう。民よ。大丈夫です。尊い心で しんぱい することの 無いように!」と、言ったといいます。
 民は涙を 拭くと 祈り  始めました。一人の  民は  その  男を  年をとった  老人のようだと言い また、一人は  若さ溢れる  若人のようだ  言いました。
  そして、民が  皆  黙り込むと  雛菊の  華が  爽やかな  ゆれる この春の 湖で  一羽の  鶴が  その  無音の  時を  破ってサーッと 飛び立ちました。
  湖面は  波立ち  そして  治まると  その  大賢人  クロは  真に  神々しい光る玉と  なり 天から 民を 見守るように 昇って  行きました。
  天の  明るさは  やっと 戻り  民は そう  心の  健やかさや 愛や 仁  こころを  とりもどしました。
 そして、その  光る玉は  スコーピオンの赤い星と  よばれました。
 そのおかげで 民たちも みな 心が 安心でき 平和が 音連れたと
言うことです。民たちは それから その 赤い星と 共に 歩みました。
皆が 感謝し 幸福になった とのことです。
  しかし、闇を失なった  霊たちは  南の  海の  果ての斎の  グリーン城に  逃げ込み  ました。  大賢人  クロは
「きっと大丈夫です。一千年後に  たかの  王子さまが  お生まれになり 若き乙女と共に  霊達を  救うだろう」という  愛の  ある  言葉を残して  去って  いきました。
(プロローグ終わり)



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