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【85回】読書日記(190310)〜分厚い…ちくま学芸文庫「反対尋問」を手に入れた。

○フランシス・ウェルマン、梅田昌志郎訳「反対尋問」(ちくま学芸文庫、2019年3月)

「『完璧』な主張をどう切り崩すかー議論の主導権をいかに握り、真実を明るみに出すか。名弁護士らが用いた技術を集成した、法律家のバイブル!」

帯に書かれた熱いメッセージを読み、購入した僕は、法律家ではない。単なる教師である!

生徒指導など、相手から事実の概要を引き出したい時など。「相手を打ち負かす」という「権力争いに勝つ方法」がほしいのではない。ただ、相手から正しい話を聞きだす方法はないか。そうか、弁護士は、上手に尋問しながら、証人の主張と向き合っていくなあ。なにか、得られるものがあるかも。

その程度で、購入した文庫本。730ページ。持ち歩くのが大変だ。


○反対尋問は裁判中の行為なのだから…

相手の話から事実を引き出す。偽証を認めさせる。
生徒指導と大きく違う点がある。

1つ目は、「反対尋問」を行う場は、裁判中であり、1対1での対話ではないということだ。
「反対尋問」のときは、弁護士と相手側の証人とのやりとりになる。だが、それを聞いている人がいる。裁判官であり、陪審員(裁判員)である。
判決を下すのは、裁判官であり、判決を考えるのは陪審員だ。
つまり、彼等聴衆に悪い印象を与える弁護士は、いくら話が達者な者でも、裁判においては不利ということも考えられる。
「反対尋問」の結果を決定するのは、弁護士ではない。

2つ目は、生徒指導は裁く場ではないということだ。
たとえ、ある生徒が別の生徒を叩いたとしても、教師が裁くのではない。
教師が行うことは、事実の確認と、今後の指導・対応、解決後の観察。
「反対尋問」という本をこれから読むけれども、「反対尋問」をするわけではない。あくまで、好奇心で読むということ、知識としてインプットしておきたいということ。それを、おさえておきたい。