りんごのたね〜ほんとうにいいりんごは、二度と腐らない
昨日まで必要だったものが、
今、必要ではなくなる。
昨日まで大切にしていたものが、
今、取るに足らないことになる。
昨日まで自分を構成していた一部だったものが、
今、重荷になる。
それを、躊躇なく棄てていく作業は、
まったく楽ではないとわたしは思う。
そんな自分に繰り返し
ショックを受けることは続くだろう。
手放すというとなんとなく
やわらかい言い方に聞こえるが、
つまり「棄てる」というのは、 過去それを大切にしていた自分を含めて
切り捨てるということに違いないからだ。
だからひりひりする痛みを伴い
もう窮屈でほんとうは動きづらい服でも、
なんとなくその違和感をごまかしながら
その当時の「心地よさ」を
ずっと思い出していたくなる。
または
あの時それくらい好きだったから
あの時それくらいお世話になったから
あの時自分を救ってくれたから
「今」の自分には、
本当は、もう何も必要がないのに
なんとなく自分がひとりでは心細い気がして
そんな自分は薄情な気がして、ただ、モヤモヤと共に
そばに置いておきたくなる。
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