松永 まい

セラピスト

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  • Eat, live and love (NZ出産期まとめ)

    NZで出産したときのエッセイまとめ。

最近の記事

変な味のお茶

その店で、わたしは韓国人を装っていた。装っていたというか、ふつうに間違えられていた。名札には、Sooと書いてあった。漢字は、洙。 ピンクの長いロング丈のスカートと、セットアップの軽い上着はすごく可愛くて、とても気に入っていた。ちょうど足繁くヨガに通っていた時期で、もっとも食と自分の身体がダイレクトに反応しあっていた気持ちのいい時期だった。足やら腕やらが自由に動くうえに、裸足でずっといられるその格好は、働く上でとっても着心地が良かった。いっとき料理から離れた時期、わたしはなに

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    • Life is good.

      わたしはニュージーランドで出産をした。そのとき滞在した婆さんちの台所は、わたしがこれまでみてきた世界中の台所の数々の中でも、悪夢に分類される台所だが、ランドリーには良い風が吹いていた。 欧米が、文句なしにアジアと決定的に違って素晴らしいことのひとつは、乾燥していることにある。それだけ書くと、お肌に悪そうとか別にひとつの気候の特徴に過ぎないのだけれど、水廻りの清潔感という意味では、アジアの気候はほぼ同じ大会には出られないくらいの、オリンピックとパラリンピックくらいに違うハンデ

      • タバコとお灸、ホワイトセージとマリファナと。

        そういえば、わたしは昔ヘビーというほどでもないくらいの程度のタバコ中毒だった。 ヘビーじゃないから、中毒と呼ぶにふさわしいかは謎だけど、たしか18だか19だかくらいの不良だったころに夜な夜なクラブにでかける際、手持ちぶたさを紛らわすためにタバコ片手にジンライム片手にぼうっと突っ立って格好つけるのにはとても好都合だったのだと思う。 今20年近く経って思うけど、カインズホームに出かけたりしたときに、カゴを片手に持ち歩くよりも、さらにカートを引いて両手が塞がれると安心するあの感じに

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        • 英語が流暢な日本人と日本語が流暢な外人のセックス

          そういえばふと思い出したことがあって、国際カップルで言葉がちがう人間がセックスをするときって、何語でことばをかわすのかっていうこと。

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        変な味のお茶

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        • Eat, live and love (NZ出産期まとめ)
          12本

        記事

          医者の不養生

          2度あることは3度ある、と、 3度目の正直ということわざが二つあることに気づいた。 遅い。 ネガティブなことは、ポジティブなことよりも100倍くらい大きく見えるものだ。 あとは、医者の不養生という言葉。 この言葉を心に掲げて、今後も潔く世界一不幸なセラピストとして歩んでいこうとおもった今日です。

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          医者の不養生

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          なんと呼ぼう?

          ニューヨークのマンハッタン、10月末、 ハロウィンのパレードが終わった瞬間に 街は一斉にクリスマスに表情を変える 11月1日から、12月の末までの その静かに華やいでいく時期が わたしが一年で最も好きな季節だった 切なくて、切なくて 意味もなく包まれる胸の苦しさとか その締め付けられるような切なさの正体が 悪者じゃないことを知っている感じとか 期間限定で聞こえてくる音色が わたしをどこまでも”今”に惹きつけた ストリートの脇に次々現れる、もみの木売りと どんどん

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          ほはばに見上げる空

          2015年9月23日 名古屋にきた。 駅から歩くあいだに、わたしの横を抜かしていくひとが2、3人いて、 あれ? とおもう。 ときは2012年。父ひろしが、ニューヨークに遊びに来たときのこと。 マンハッタンの街中で、いつも通り歩いていたわたしが、 父の歩く速度がもの尋常じゃないほど遅いことに気づいた。 ひとの波の中で、ビルを見上げたり、 景色を眺めたりする父は、 そのスピード感のある街の流れを邪魔しているように見えた。 そのだいぶあとになってから、 世界の

          ほはばに見上げる空

          それは、待ってはくれない。

          <妊娠12週頃のきろく> 人生は、決して待ってはくれない。 ともだちの、恋人が、山にいってそのまま行方がわかっていないことを今日知った。 わたしの父方のおじいちゃんは、愛するおばあちゃんを残し、山に消えた。 わたしはそのとき小さくて、おじいちゃんが死んだことはまだあまりわからず、焼却場に行ったとき、そこが病院のような場所だとそう思ったことだけ、微かに覚えている。 生や死は、いつもだいたい忘れたころに ありありと何かをたたみかけるように 浮かび上がる そしてわた

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          それは、待ってはくれない。

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          夏の終わり

          正確に言えばその時わたしは 潔く彼をあきらめたりとか、潔く新しい恋をすると腹を括ったわけではなかったとおもう。 最初は気を紛らわすためにデートをしてみたり、いろんな男の人と話そうとしてただけで、本気で婚活をしようとかではなかった。 割烹で食事して、高級な車に乗せられて、相手のことなど見ちゃいない。好きだった彼のはなしをしながら わたしはうんと泣いて泣いて泣いた。 手を繋いでもらって、男の人の身体の温もりみたいなものを思い出したりして 家に帰ったあとは、ほとんど朝まで泣き通し

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          夏の終わり

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          としえおばさんとミョウガ採り

          父のオバにあたるオバさんが好きで、ときどき遊びに連れてってもらう。 基本老人は好きだが、としえオバさんは老人だけど、なんというか意識が比較的ひらけているひとで、そこらへんの若者よりうんと気が合う。 田舎の古民家に一人、移り住んで10年らしい。 わたしは田舎が好きで、田舎も自然も好きだけど、虫とかドロドロに汚れるのとかは大嫌い。 野菜のなっている場所とかすごく興味があって見に行くんだけど、肉体労働はいやでぼんやりしていると、大抵老人は怒る。 「そんなことも知らんのか!

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          としえおばさんとミョウガ採り

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          スパークリングゴールド色のねずみ6(完結)

          スパークリングゴールド色のねずみ5 自分にはもう、引き寄せや創造する力はないのだと長らく絶望してきた。 3次元への怒りがそれを邪魔していたことには、あまり気づいておらず、ドゥーガル氏の目の前でそれを突きつけられたのちに、色々振り返りながら、なぜそれが怒りに変わった理由のことなどを考えていた。 とても平たくいうと、3次元的な愛(自己愛や、お金、物質的な豊かさ)をいちもくさんに創造しようとした最初のころ、その世界のなかで陰湿なイジメみたいなのに遭ったのだ。 でも誰にも言え

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          スパークリングゴールド色のねずみ5

          スパークリングゴールド色のねずみ4 つづき 二周目。それぞれ1個質問ができるというところで、1回目のようなカオスは起こらなかった。 ほとんど自分の仕事は終わっているような気さえして、その会場にいた12人の中でそれぞれ同じ色を持っているかたは何人かいたが、スパークリングもゴールドもひとりもいなかった。 脱力したまま、中途半端な自意識と特別感のなか、「わたしはゴールド。引き寄せできなくても、ゴールド。腐ってもゴールド。」 というフレーズが頭のなかでこだましつつ、 一応、今

          スパークリングゴールド色のねずみ5

          スパークリングゴールド色のねずみ4

          3つづき ある程度自分が深い潜在意識に入ろうと意識をしていたのは最初の短い瞑想時からだった。 すでにもう、決めたテーマをクリアにするつもりで来ているので、自分のほうも完全にプロセスをスタートした状態で臨んでいるのである。 彼の誘導で、部屋の真ん中から上方に向かって光の玉をイメージし、そのシャンデリアからの光を浴びてゆく、という時に 確かわたしはすでに涙を滲ませていたとおもう。 とくに感動したとか、憧れのグルに遂に会ったからとかそういうのではなく、いつも通り自分がやってい

          スパークリングゴールド色のねずみ4

          スパークリングゴールド色のねずみ3

          2つづき 道のりを楽しみ、iphoneの地図が指す場所にたどり着くと、グループセッションの時間は間も無くスタートするというところだった。幸い、遅刻を約束されていた時間から、ぎりぎり遅刻くらいの時間に建物の前に到着し、なんとなく参加者のひとりにちがいないと思うような女子が2人ほど、建物前に迷子になっている私の前を過ぎ去っていった。 着いたはいいが、どこかがわからない。いつものパターンである。外の気候は真夏台湾風、湿度100パーセントに近い台風明け。日傘も帽子もサングラスもな

          スパークリングゴールド色のねずみ3

          スパークリングゴールド色のねずみ2

          1つづきです。 ちょっと、違う視点からものごとを見ようと、最近脳科学の本やら東洋と西洋のそもそもの意識の成り立ちかたの違いを少し勉強してみたり、 なんとなく自分なりに答えにたどり着くように動いていたのだけど ちょうどふわっと舞い込んだサイキックグループセッションへの参加権。そのドゥーガル氏に正面から質問をぶつけてみようと思った。 何が知りたいというわけではないけれど、その自分の失敗続きの状態を、なんとか打破する。とだけ決めて、それに向けて刻々と準備は始まったのであった。

          スパークリングゴールド色のねずみ2

          スパークリングゴールド色のねずみ1

          2018年7月末。約1年ぶりの出張のメイン、アメリカでトップのサイキックらしい、ドゥーガル氏のグループセッション忘備録です。 なんでそれを受けることになったかとういうと、自分がスピリチュアルなメッセージを伝えるセッションをここ数ヶ月で行うようになって、自分なりに感覚はつかめてきたのだけど、一旦客観的に経験値の高いサイキック・スピリチュアルの先生はどんな感じでセッションをやるんだろうか? と見てみたかったから。 とくに、彼氏と別れるかどうか聞きたいとか仕事やめるか迷ってるか

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