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学校法人への金融教育

当会は、外資HFで働く東大生、外資証券会社で内定を得た東大生が運営メンバーにおり、学校法人向けに金融教育を提供しております。これまでEOEとして実施してきた、学校への受験進路相談会と同様、オンラインで学校の教室と繋ぎ、金融教育を実施します。
近年では、中学高校で金融教育が始められていますが、まだまだ充実してるとは言えません。経済学を大学で学び、金融の現場で働いているからこその視点で金融教育を提供する事が意義のある事と考えています。

金融リテラシーが高い方が良いのはなぜか

金融知識があまり高く無いせいか、日本全体として、株式、投資信託、債券といった金融商品への投資に消極的で現金至上主義の人は多いと感じます。それらは問題なのでしょうか?

個人

現金至上主義の方から聞かれるであろう「現金を家の中に貯めていれば、資産は減る事がないから安心安全。」という意見は正しいでしょうか?
結論から言うと必ずしも正しく無いと言えそうです。

そもそも、貨幣の定義とは何でしょうか?日本銀行管轄の金融広報中央委員会のHPから引用してみます。

取引の際に、商品の交換手段として使用され、人々の間で通用するようになったもの。 貨幣は通貨とか、日常的には「お金」とも呼ばれている。 いずれもその意味はほぼ同じであるが、貨幣は商品やサービスの円滑な交換や流通のための物体・媒介物という意味が強い。

Sorce: https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/yogo/k/kahei.html

つまり、貨幣自体に本質的な価値は無いわけです。昔は貨幣は本質的な価値を持たないと成立しないと考えられていたのか、地球上に存在する絶対量に限度のある金や銀が使われていました。その後政府紙幣が発行されていた時も価値に担保を持つ為に、金本位制などが導入されましたが、現在ではそうした本質的な価値は必ずしも担保されていない国の信用力に基づいた不換紙幣が我々の多くが使う現金として発行されています。

以下の場合には「家で貯めたお金」の価値が毀損してしまうかもしれません。

  • 国の政策によりマネーサプライが増える。

  • 政策金利や政治リスクにより円安になる。

  • 物価が上がり購買力が低下する。

  • (将来リスクとして)暗号通貨などが主流となれば政府通貨の価値が下がる。

もし外貨に替えておいたり上場企業の株に替えておいたり暗号通貨に替えておいたりワインや美術品に替えておいたりすれば、現金価値が相対的に減少する事を防げる可能性があります。当然無知なままでは、そうしたリスクのある金融商品に投資してもリスクが高いので、金融知識を身につける必要があると言えそうです。

企業

資本主義(人や金や情報といった資本を使って売上利益を継続的に増加させ企業の価値を高める、利潤追求を原動力とする市場メカニズム)においては、企業も個人のように、様々な金融リスクに対応する必要があります。具体的な活動としては、企業がIR部門(Invester Relation)を持ち企業の財務情報や非財務情報を公開することにより自分たちの株式を買ってもらうように市場に働きかけたり、証券会社のマーケッツ部門と協力して企業の為替リスク軽減に努めたり、といった活動がそれに当たります。

市場参加者としても事業会社の内部で働く社員としても、個人が金融リテラシーを高めることで、企業も以下のような恩恵を得られます。

  • IRが充実し資金調達が効率的になる。

  • 自ら経営上の金融リスクに対応出来る。

  • 日本の金融市場へ買いが増えればより額の大きな資金調達が可能になる。

  • 本質的な企業価値に基づいた健全な売買が増えれば企業の健全な競争が達成される。

社会

例えば、リーマンショックは質の悪いモーゲージ債が証券会社を通じて多くの投資家に買われましたが、実質的には返済能力のない債券であり、多くの人がその事に気付けていたら金融市場で大きなリスクを背負わずに済みました。更に企業向けの補助金や日銀が避けざるを得なかった低水準の政策金利によって生き延びてきたゾンビ企業も多くの人の売りポジションにより消滅し、意味ない歳出が減る他意味ない企業に勤める人材の最適配置が起き、効率的な金融市場と健全な政府財政を実現出来ると考えます。社会全体としてのメリットは以下のように考えます。

  • 健全な投資活動が金融市場全体のリスクを軽減

  • 本質的な企業価値に基づいた投資行動が起きれば、良い企業は有利に悪い企業は不利になる。

  • (良い企業が伸びゾンビ企業が消滅すれば)税収増、無駄な歳入減により、国の財政収支が健全化。

ロジックだけ追えば三方良しですが、単純に金融リテラシーが上がれば上記の様な効果が得られるとは厳密には言えませんし、予測出来なかったダウンサイドリスクもあるかも知れないので、過去の事例を研究し効果を検証する必要もありそうです。

金融リテラシーに関する統計

世界各国の金融リテラシー

日本人は先進国比較で、高い金融リテラシーのある国民とはいえなさそうです。

Source: https://beyondschools.org/f/financial-literacy-around-the-world

金融リテラシーと投資行動

野村アセットマネジメントが行った2018年の調査によれば、金融知識を問う問題において正答率の高かったグループほど金融資産を株式や投資信託に配分していたという結果が出ています。

Note:Financial literacy based on the number of correct answers to seven questions about interest rate, compound interest, definition of inflation, risk-return, diversified investment, bond price and mortgage. 
Source:Nomura Asset Management

時間をかけた金融教育の重要性

若いうちから基本的な金融知識を学習して時間をかけて理解を深めることの重要性を示しているかもしれません。同じ資料で、正答率が高い人には、金融トラブルの経験者の割合が低く、金融教育を受けた人の方が正答率が高くなると、言及があります。当然知識のない人は金融トラブルを経験しやすいわけで、このグラフが金融教育に対するネガティブイメージを増大させるものになってはいけないと考えます。

Source: 金融広報中央委員会
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/
Source: 金融広報中央委員会
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy_chosa/2022/

我々が提供できる価値

当会は、外資HFで働く東大生や、外資証券会社で内定を得た東大生や、東大や慶應で経済学を学ぶ学生が、運営しています。専門的に経済学を学び金融市場で実際に働いたからこそ得られる情報が提供できます。

学校のニーズに応じて、金融教育を提供させていただきたいと思いますので、お気軽にご連絡いただけますと幸いです。

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