マガジンのカバー画像

レビュー

48
運営しているクリエイター

#PlanetofFood

美味い物を書く「牡蠣飯」

美味い物を書く「牡蠣飯」

 何を以って地元飯とするのか?
私の地元、宮城県の岩沼市では仙台市の南にあるが名物としてその名を知られる牛タンですら、別に仙台牛ではなくオージーだったりUSだったりするわけで、単に厚切りの牛タンを焼いた、食べ方自体が発明であったわけだ。

で、私の地元では元々、はらこ飯が地元メシであった。秋鮭の獲れるころに、醤油漬けにしたはらこと鮭で味わった。

 しかし、飲食ビジネスとすると秋ごろしか食べれない

もっとみる
「不器用なまま、踊りきれ。超訳立川談志」立川談慶 を読んで

「不器用なまま、踊りきれ。超訳立川談志」立川談慶 を読んで

不器用を拗らせたような男が芸人になった。
 立川談慶ーーー。
 その名を知ったのは、水道橋博士が編集長を務めるメルマ旬報であった。

 プロフィールを読めば、慶応大学を卒業後、ワコールへ入社とエリート街道を走っていたはずが、立川談志師匠の16番目の弟子になったという経歴と知る。「花は咲けども噺せども」誕生秘話~初小説に賭けた思い、という章の中では、本の帯を談春師匠にお願いをするくだりが紹介されてい

もっとみる
「泥の中を泳げ。テレビマン佐藤玄一郎」吉川圭三、を読んで

「泥の中を泳げ。テレビマン佐藤玄一郎」吉川圭三、を読んで

テレビマンが描く「テレビ業界」を舞台にしたリアル 元日本テレビのプロデューサーである吉川圭三さんの小説である。吉川さんと言えば、テレビ業界人ならば誰もが知るであろう王者日本テレビの立役者の一人である。詳しくはこちらの記事をご一読いただきたい。

 テレビマンによる「テレビ業界」を舞台にした小説だ。必然的にリアリティー溢れる世界が描かれているだろうことは容易に想像がつく。実は本を読む前にこの小説の発

もっとみる
阿佐ヶ谷ヤング洋品店Vol.21『出禁の男』解禁〜蘇るテリー伊藤『アサヤン』伝説

阿佐ヶ谷ヤング洋品店Vol.21『出禁の男』解禁〜蘇るテリー伊藤『アサヤン』伝説

私のことはどうだっていいんです!  2019年の年末、勝どきに200名ほどのテレビマンが集まっていた。
目的はある男の古希を祝うための船上パーティーであったが、その正式名称はこうであったー。
 「第70回全日本爆笑 伊藤輝夫とゆかいな仲間たち大賞」
 そう、伊藤輝夫こと、演出家「テリー伊藤」さんを囲む会である。
 (以下、伊藤さんと記します。)

 すでにここに伊藤さんを象徴する出来事が凝縮されて

もっとみる

Planet of Food「大好き!魚介料理」

Planet of Foodは「世界の料理を知れば、人生はもっと楽しい!」
というコンセプトで、世界の主婦3人と柴犬による
食にまつわるトークショーです。

今回のテーマは「大好き!魚介料理」
近畿大学卒業のShokoさんを迎え、
魚はどんな食べ方をするべきか?
焼き魚に適したものは何か?

シンガポール在住のまどかさんからは
ヘッドフィッシュカレーなど、
見知らぬ世界の魚介料理を教えてもらってま
もっとみる

「コントが始まる」の最終回を見て

「コントが始まる」の最終回を見て

19歳若手芸人の解散話TAP所属の若手芸人、
ガラパゴスの解散話を聞いたのは
もう、10日前ぐらいだろうか?
緊急のZOOM会議に呼ばれ、事の次第を知った。
さらにその何日か前に
新潟から上京してきた19歳の若手コンビ(ガラパゴス)が
漫才協会へと入るからフューチャーしようという
段取りとなっていた。
今、やっているアサヤンでもライブが計画された。
演出を担当する高須さんからは
「島津よお、今日テ

もっとみる
「藝人春秋3」~死ぬのは奴らだ~水道橋博士を読んで

「藝人春秋3」~死ぬのは奴らだ~水道橋博士を読んで

「人間愛の詰まった一冊」からどんな本に?藝人春秋2において、僕はこの本を「水道橋博士の人間愛が詰まった一冊」と紹介させていただいた。

「文筆家」としての博士を楽しむ今回の藝人春秋3を読み終えて、すぐ、僕の頭の中にはいくつかのキーワードが浮かんできた。読後感としてあまりにもいろいろ感情が沸き起こる。それは博士自身が本の中に数限りない「罠」というべきか、「仕掛け」と言うべきか、上手く言えないが様々な

もっとみる
藝人春秋2~ハカセより愛をこめて~水道橋博士を読んで

藝人春秋2~ハカセより愛をこめて~水道橋博士を読んで

タレントとは親しくしないの禁を破る待望の博士の本がいよいよ文庫本となって発売された。文春での連載当時、欠かさず読んでいたが、諸事情あって単行本は読んでおらず、記事の内容も私の頭から風化している。それゆえに新鮮なネタとして読まさせてもらった。

感想を書く前に、最近、博士と話す機会に恵まれ、懇意にさせていただいている。私は放送作家としてずっと身近にいながら、遠くから眺めている時間が長かった。というの

もっとみる