アンサンブルSAKURA

台東区根岸を拠点に活動するアマチュアオーケストラ。弦楽器団員募集中。2025/05/1…

アンサンブルSAKURA

台東区根岸を拠点に活動するアマチュアオーケストラ。弦楽器団員募集中。2025/05/18(日)14:00~第42回定期演奏会@かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール(京成線青砥駅より徒歩5分)、曲目:交響曲第8番/ベートーヴェン、交響曲第8番/ドヴォルザークほか

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第41回定期演奏会開催の御礼、第42回定期演奏会のご案内

本日はアンサンブルSAKURA第41回定期演奏会にお越しいただき、誠にありがとうございました。一度は聴いたことのある曲をたくさん取り上げた今回のプログラムは、お楽しみいただけましたでしょうか?? 次回の演奏会のご案内です! 日時:2025/05/18(日)、13:30開場、14:00開演予定 会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール(京成線青砥駅より徒歩5分) 指揮:高石治 曲目 ロザムンデ序曲/シューベルト 交響曲第8番/ベートーヴェン 交響曲第8番/ドヴォ

    • 希望と栄光の国

      エルガーといえば… エルガー(1857-1934)は、イギリスの作曲家です。代表作である「愛の挨拶」は、誰もが電話の保留音で聴いたことがあるでしょう。 そんな「愛の挨拶」と並ぶエルガーの代表作として広く知られるのが「威風堂々」です。イギリスにおいては第2の国歌「希望と栄光の国」として広く国民に親しまれています。毎年7月~9月にかけて英国のロイヤルアルバートホール等で開催される「プロムス」のラスト・ナイトで必ず演奏される曲の一つで、ロイヤルアルバートホールだけでなくイギリス各

      • 明日はアンサンブルSAKURA第41回定期演奏会!

        明日はアンサンブルSAKURAの演奏会です!暑い盛りですが、会場のIMAホールは、都営大江戸線光が丘駅直結の商業施設内にあり、駅から降りてカンカン照りの中を歩く必要がありません! 奏者にとっても、お客様にとってもありがたいホールです。 光が丘駅下車後の経路はこちらを御参照ください。 また、お車でのアクセスも便利です。一定金額のお買い物で駐車料金の優遇もございます。 明日はお誘いあわせの上、ぜひアンサンブルSAKURAの演奏会にお越しくださいませ! これまでのnoteま

        • 勧善懲悪!!「軽騎兵」のあらすじ~

          オペレッタ「軽騎兵」が上演されることは、ほぼありません「軽騎兵」とは、オーストリアの作曲家スッペの代表作ですが、今日そのオペレッタ(歌以外の部分はセリフで進行する劇。オペラはセリフもすべて歌です)が上演されることはほぼありません。 しかし、このオペレッタの序曲だけは大変有名で、今日においても演奏会で広く演奏され、TV等でもよく使われています。 オペラやオペレッタの序曲(前奏曲)は、作曲家が本編の作曲をすべて終えた後に、劇中の音楽の要所を切り取り、適宜編集してひとつの曲とし

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          離婚成立!やったね!!~民謡に乗せて妻を追い出すチャイコフスキー~

          大音量で始まります 交響曲第4番の第4楽章は、いきなり大音量で始まります。 第3楽章は静かに終わるので、演奏会で寝ている人はこの楽章の頭で飛び起きます。8月のアンサンブルSAKURAの演奏会も、隣の人が寝ていたら、予め起こしておいて頂けると幸いです。 冒頭にひとしきり大音量をならした後、古くから伝わるロシアの民謡「白樺は野に立てり」のメロディが木管楽器によって演奏されます。 そして、冒頭のファンファーレがそのままの形で登場しますが、ホルンを皮切りに雰囲気が一転、まるで勝利

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          飲んで寝たら、変な夢を見た…~ピッツィカートによるスケルツォ~

          「ピッツィカート」によるスケルツォチャイコフスキーの交響曲第4番の3楽章は、弦楽器を指で弾く「ピッツィカート」がひたすら続く、変わった楽章です。 この作品が気候温暖なイタリアでかかれたのはこれまで触れた通りですが、そのイタリアに住む陽気な人々を描いたかのような愉快な音楽です。第2楽章ではシリアスな旋律を吹いたオーボエが、この楽章では空気の読めない「陽気な酔っぱらい」となってピッツィカートの最中に乱入、同じように2楽章でシリアスなソロを吹いたファゴットも愉快な対旋律で加勢しそ

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          もはや脱け殻…、離婚にエネルギーを吸い取られたチャイコフスキー

          く今日はチャイコフスキー交響曲第4番の、第2弾の記事です! ※第1弾はこちらからご覧下さい。 力強い第1楽章とは打って変わって、第2楽章はもの静かで憂いに満ちた音楽です。冒頭のオーボエの旋律が、楽器を変えつつ、繰り返し登場します。ヴィオラやチェロといったオーケストラの中間ぐらいの音域を担う楽器がメロディを弾くことも多く、より内向的な印象を受けます。最後はファゴットによる長大なソロで、冒頭のオーボエとはまた趣が異なります。 旋律もずっとスラーで、フレーズを繋げて演奏しても

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          結婚なんてやってられるか!~離婚から生まれた名曲、チャイコフスキーの交響曲第4番~

          名曲が生まれるタイミングについて クラシック音楽の作曲家が名曲を書くタイミングというのは、作曲家の身の上に何かしら感情を揺さぶられる出来事が起こった時である、という説を見かけたことがあります。 例えば、女性と恋におちた時。ベートーヴェンなら「エリーゼのために」なんかがそうでしょう。ベルリオーズは自身の失恋の経験をもとに「幻想交響曲」を書きました。エルガーは、妻へのプロポーズとして「愛の挨拶」を作曲しています。 身近な人の死がきっかけになることもあります。ムソルグスキーは、

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          過去に演奏したことがあります~眠れる森の美女~

          以前、アンサンブルSAKURAでは「眠れる森の美女」を演奏したことがあります。 アンサンブルSAKURA第35回定期演奏会(2018.06.17(日)@上野学園石橋メモリアルホール) いつもはnoteであらすじを書きますが、この時の演奏会は、我らがコンサートミストレスの高石さんがナレーションを務めました。ナレーションによって物語の流れが分かるようになっていますので、割愛します。 猫ちゃんの音楽ディズニーの作品にも使われたワルツなど、眠れる森の美女は名旋律だらけの音楽です

          過去に演奏したことがあります~眠れる森の美女~

          白戸家お父さんの曲

          チャイコフスキーのバレエ音楽「くるみ割り人形」は、名旋律の宝庫です。クラシック界屈指のメロディーメーカーであるチャイコフスキーの面目躍如の音楽で、今日でも年末におけるバレエの定番の演目として、各地で公演が行われます。 花のワルツ、小行進曲、トレパーク(ロシアの踊り)、金平糖の精の踊りなど、知らず知らずのうちに聴いている旋律達が目白押しですが、中でも有名なのは「葦笛の踊り」。SoftbankのCM(白戸家)のBGMとしてよく知られています。 かわいらしい北海道犬の白戸家お父

          白戸家お父さんの曲

          オーボエといえば、この旋律

          チャイコフスキーはバレエ音楽の大家とされており、彼が作ったバレエ音楽(白鳥の湖、眠れる森の美女、クルミ割り人形)は、今日でも定番の演目となっています。今回のSAKURAの定期演奏会では、そんなチャイコフスキーの三大バレエから1曲ずつピックアップして演奏します。 オーボエと言えば、この旋律バレエを実際に見たことがない人でも、この有名な旋律は耳にしたことがあるかと思います。バレエ音楽の代名詞とも言える「白鳥の湖」の「情景」です。オーボエの音色と、演奏に要する息の量の少なさを最大

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          被害者多数!!チャイコフスキーの無茶振り

          多分、チャイコフスキーは打楽器が好き チャイコフスキーは自身の管弦楽の作品において多種多様な打楽器、鍵盤楽器を効果的に使っています。 例えば、イタリア奇想曲。タンバリンとグロッケンシュピールが印象的で、南国感を巧みに演出しています。 「くるみ割り人形」では、カスタネットやトライアングル、銅鑼が加わります。さらには金平糖の精の踊りで「チェレスタ」を、わざわざ旅先のフランスのパリから取り寄せて使います。 序曲「1812年」は「大砲」が曲の最後で登場し盛り上げます。打楽器に

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          血生臭いお話~カヴァレリア・ルスティカーナのあらすじ~

          マスカーニの代表作にして、ヴェリズモ主義の象徴 「田舎の騎士道」とも呼ばれるこの作品は、イタリアの作曲家マスカーニの代表作です。 それまでのオペラにありがちな、貴族や神話の神々を題材にしたものではなく、市井の人々の生活を題材にした作品は「ヴェリズモ(現実主義)」とも呼ばれ、19世紀末のイタリアにおいてはオペラだけでなく、文学や演劇の世界でも大いに流行りました。 「カヴァレリア・ルスティカーナ」のあらすじ 舞台はイタリア南部、シチリアの山あいの村の、とある復活祭の日です。

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          「原典版」があるらしい~誰の手も加わっていない「はげ山の一夜」~

          ムソルグスキーの「はげ山の一夜」というと、今日演奏されるのはロシア五人組の一人であるリムスキー=コルサコフによって編曲されたものが一般的です。今回のSAKURAの定期演奏会でも、この広く知られている版で演奏します。 はげ山の一夜(リムスキー=コルサコフ編曲版) リムスキー=コルサコフは、同じ五人組のメンバーであるムソルグスキーの死を惜しむ一人でした。ムソルグスキーの作品は、当時のロシア国内ではあまりに斬新すぎるとされ、ほとんど評価されていませんでしたが、リムスキー=コルサ

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          「はげ山の一夜」って、何ですか?

          ロシアの作曲家であるムソルグスキー(1839-1881)の「展覧会の絵」に並ぶ代表作が「はげ山の一夜」です。 迫力のある不気味なこの作品は、ロシアならではの題材で、ロシア独自の音楽を作ろうとしたムソルグスキーが、古くからロシアに伝わる民話にインスピレーションを得て作曲されました。 夏至のごろの夜に、はげ山に集う魔物たち 民話のあらすじは以下の通りです。 「聖ヨハネの日」というキリスト教の祭日の前夜に、チェルノボークという魔物のボスが現れ、配下の魔物たちを集め夜な夜な大騒

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          あいつ、西欧に魂を売ったな~ムソルグスキーの音楽のルーツ~

          19世紀ロシアの作曲家であるムソルグスキー(1839-1881)は、同じくロシアを代表する作曲家であるチャイコフスキー(1840-1893)と同世代です。同じロシアの作曲家で、同じように裕福な家の出身でありながらも、二人の音楽は大きく異なります。 ドイツやフランスといった西欧の音楽が持て囃される19世紀のロシアの音楽界で、ひときは異彩を放ったのがムソルグスキーでした。安易に流行を追わず個性的な音楽を追い求めたのは、幼い頃の体験と、当時のロシアの不安定な国内情勢が、ムソルグス

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