被害者多数!!チャイコフスキーの無茶振り
多分、チャイコフスキーは打楽器が好き
チャイコフスキーは自身の管弦楽の作品において多種多様な打楽器、鍵盤楽器を効果的に使っています。
例えば、イタリア奇想曲。タンバリンとグロッケンシュピールが印象的で、南国感を巧みに演出しています。
「くるみ割り人形」では、カスタネットやトライアングル、銅鑼が加わります。さらには金平糖の精の踊りで「チェレスタ」を、わざわざ旅先のフランスのパリから取り寄せて使います。
序曲「1812年」は「大砲」が曲の最後で登場し盛り上げます。打楽器に区分けしていいものかどうかよく分かりませんが…。
交響曲では、なぜか打楽器の種類を絞るチャイコフスキー
交響曲以外の作品では幅広い打楽器を存分に駆使するチャイコフスキーですが、これが交響曲になると、曲の賑やかさからは想像がつかないぐらい打楽器の数を絞ります。交響曲第4番の編成は以下のようなものです。
打楽器が少ないことで盛り上がりに欠けるかというとそんなことはなく、5番までの交響曲の最終楽章は、いずれもその曲のなかで最も盛り上がったタイミングで締め括られます。
チャイコフスキーは交響曲第4番の最後で、カスタネットも、タンバリンも、大砲も使わず、シンプルな編成で曲の最後を盛り上げるために、「シンバルの連打」という強烈な荒業を繰り出します。それがよく分かるのが以下の動画です。
シンバルは1枚あたり1kg少々あります。一般的にスーツを着用するときに使うベルトよりも細くて薄い皮の紐を、親指と人差し指のみで持ち、楽器自体の重さと空気抵抗に耐えながらこの連打を行います。もはや筋トレです。
動画において注目すべきは奏者の素晴らしい上腕二頭筋。楽器の重さと空気抵抗を感じさせない軽快な演奏です。
被害者多数!!チャイコフスキーの無茶振り
吊るす、あるいはドラムセットのようにスタンドにセットするタイプのシンバル(この記事の一番上の、サムネ画像のようなタイプの楽器)なら余り苦労せず演奏できそうですが、そこをあえて手で持つタイプのシンバルで演奏させるのが、いかにもチャイコフスキーらしいところです。あえて目立つところで楽器、奏者の性能の限界に挑戦させることで、独特の緊張感を音楽にもたらします。
楽器を演奏しない人はともかく、演奏経験のある人などは、この曲の最後はシンバル奏者の無事を祈りながら聴いてしまいます。
打楽器以外の被害者
楽器の限界に挑戦させられる、チャイコフスキーの無茶振りによる被害者は数多いますが、ことファゴットにおける被害は大変深刻なようで、過去のSAKURAの記事にもその詳細が記載されています。
オーケストラの生演奏を聴く醍醐味といえば、迫力ある音をホールの真ん中あたりの席で全体を俯瞰しながら聴くことです。
が、 まるでチャイコフスキーのように、ご自身がちょっと性格が悪い自覚のある方ならば、奏者が大変そうにしているところを探しながら、あるいは大変な箇所を予習した上で、目の前にいる奏者がどう乗り切るかをドキドキ(ニヤニヤ)しながら聴くのもいいものです。眠くならずに演奏会を乗り切れると思います。
演奏会の前半で盛り沢山の曲をこなした後、後半で大曲を取り上げる今回のSAKURAの演奏会。最後まで無傷で乗り切れるとは思えませんが、数多の有名曲に果敢に挑戦し、印象に残る演奏会に出来ればと思います。
【面白いと思って頂けましたら、画面下の♥を押下頂けると幸いです!】
【弦楽器団員募集中🎻お問い合わせは下記HP、X、Facebookからお願いいたします】
♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬
アンサンブルSAKURA第41回定期演奏会≪オーケストラの休日≫
日時:2024/08/18(日)13:00開場14:00開演(予定)
会場:IMAホール(都営大江戸線光ケ丘駅前)
指揮:高石治
入場料:1,000円(当日券あります)
曲目:
軽騎兵序曲/スッペ
パノラマ(眠れる森の美女)/チャイコフスキー
葦笛の踊り(クルミ割り人形)/チャイコフスキー
情景(白鳥の湖)/チャイコフスキー
威風堂々第1番/エルガー
「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲/マスカーニ
禿山の一夜/ムソルグスキー
交響曲第4番/チャイコフスキー
公式HP
http://www.portwave.gr.jp/sakura/
公式note(毎月第2,4日曜の練習日更新、演奏会前は毎週日曜更新)
https://note.com/ensemblesakura
公式Facebook
https://www.facebook.com/profile.php?id=100057414580557
公式X
https://x.com/sakuraoke?t=OJ2P-TT5fl3-FT628akSrQ&s=09
♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬♬