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孤独のなかで、言葉があふれ出す。「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」

ピザが無いと生きていけないとエンピツカフェの店員さんに噂されているアンです。今日もピザ、もぐもぐとほおばってます。
お気に入りの世界の映画を紹介しますね。

今回紹介する映画の主人公は、J.D.サリンジャー、みんな知ってるわよね。
サリンジャーといえば、全世界で累計6500万部突破、世界中の若者に衝撃を与え、愛され、無数のフォロワーを生み出してきた20世紀のベストセラー「ライ麦畑でつかまえて」の作者よね。
大人社会の欺瞞をからかい、純粋無垢なるものを求める16歳の主人公ホールデン・コールフィールドの姿は、時代や国境をこえて読者の共感を呼んできました。

I mean if I had my goddamn choice, I'd just be the catcher in the rye and all.
僕はライ麦畑で遊んでいるこども達が、崖に気づかず落ちそうになった時、捕まえて助けてあげるような、そんな人間になりたい。それだけなんだ。

ライ麦畑とは、大人が存在しないこどもだけの純粋な世界であり、大人になることを崖から落ちると表現しています。
お金や名声のためでなく、インチキでもなく、ただこっそりと誰かのために生きたいと思いながら、ホールデン自身も「こどもの純粋な世界」と「大人の現実的な世界」との衝突に戸惑っている。

映画の話に戻りましょうか。
「ライ麦畑でつかまえて」は、フィクションなのか?ノンフィクションなのか?

1939年ニューヨーク。大学中退を繰り返していた20歳のサリンジャーは、
家業を継がせようとする父親に反発し、作家を目指してコロンビア大学に入学します。
そこでは文芸誌「ストーリー」の編集長でもあるウィット教授が、作家志望の学生たちに「己の声」を「物語」にすることの重要さを教えていました。

サリンジャーの才能を認めていたウィット教授は、
ある日、サリンジャーに問います。

君に生涯を賭して、物語を語る意志はあるか。
何も見返りが得られなくても。

「己の声」を見つけるために、サリンジャーは物語を書き続けます。
その努力が実り、自分の分身ともいえるホールデンを主人公にした短編小説が、「ニューヨーカー」誌に掲載されることが決まったのですが、その矢先に太平洋戦争が勃発。
陸軍に入隊したサリンジャーは、防諜部員としてヨーロッパに送られます。
戦争が終わったら結婚するつもりでいた彼女との大失恋。
戦闘で多数の仲間を失い、さらにナチスの強制収容所の惨状を目の当たりにしたサリンジャー。
それでも、ウィット教授の「生きて、ホールデンの物語を書き続けろ」という言葉を信じて、どんな状況であろうと物語を書き続けます。

終戦後、戦場のフラッシュバックに苦しめられながらも完成させた長編小説「ライ麦畑でつかまえて」。

最後にサリンジャーのこの一言。

夫や父親や友になるすべを僕は知らない。
なれるのは作家だけ、
ただ書くことに身を捧げ、
見返りを求めなければ、
幸せになれる気がする。

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ENPITSU PROJECTの2020年の活動を振り返るメッセージムービー
ENPITSU PROJECTでは、使われずに眠っている文房具を回収するボックスを会社や学校に設置し、「読み書きの勉強」のために必要としている世界中の人たちとシェアする活動をしています。
コロナパンデミックにより活動が制限されるなか、チャレンジすることで世界と繋がる可能性と楽しさを知った2020年。オンラインが気付かせてくれたこと、それは世界中の人々と、もっともっと強い絆で繋がることが出来るという可能性。学習したいという意欲・機会さえあれば、世界中どこにいても、どんなことでも必ず成し遂げることができる。
まだまだ厳しい状況が続いていますが、ポジティブなメッセージを良い感じのBGMとかわいいイラスト、詩的な演出で発信しています。どうぞお楽しみください。


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