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ネットメディアが紙新聞を発行することについて(NewStand一ヶ月目の感想)

こんにちは、えのきです。

さて、NewStandがオープンしておよそ1カ月。
想像以上の毎日に驚いています。

会社員になって20年。
主にコンテンツと企画づくりをやってきまして、
モノを販売することの経験はほとんどなく、
勝手に「ああ、俺客商売向いてないわ」と思っていました。

そして実際にやってみると・・・
「やっぱり向いていない」という再認識。
お客様を納得してもらい買ってもらうのは何と難しいことか!

そして、それ以上に「お客さんとコミュニケーションする」というのは何とも楽しいことで、多くの人に体験してもらうのが大事かと確信しました。モノを売るのは悪ではなくて、人の幸福を高める行為だと思いました。

僕も「モノを売るのは悪」と思っていたのは、その気になっていない人に対して、無理して売っていたのかと思いました。

売り手(=僕)の都合(月のスコアや、年の目標額、会社のキャッシュなど)を考えてしまい、買い手(=お客さん)価格や都合をチューニングしていなく、買い手(=お客さん)のことを何も考えていなかった。「いいもの作ったから買ってよ!買ったらすごい幸せになるんだから!」と真っ裸で大声で叫んでいたんだと思います。この売り方はツラいし、いずれ風邪をひきますね。

そこで、この真冬に風邪をひかないために、NewStandでは向こうから買いに来てくれる「動機」をつけて、明確な「ストーリー」を伝え、買った後の「ほんのり幸せな状況」をイメージをつけることに注力していきました。

NewStandで買いに来てくれる動機は「お店のファンが通ってきてもらう企画(=コンテンツ)を作ること」だと考えました。
朝に来るスープは毎日コーンスープや野菜のスープを複数揃えるのではなく、新聞で取材してくれた、明らかにファンの多い店に限定。1日1杯1種類。毎朝ルーティンで出勤する人に選択の苦労をさせない。そして「自分が好きなお店だから、朝も間違いないはずだ」という意識。これに集中しました。

例えば金曜日の「たけみごはん」。
毎月1度狩野川風のテラスでたけみさんは、昨年の1月から免許を取得して、商売をスタートしました。

オープン後にたけみさんの人柄と商品の良さ(ごはんがおいしい!)が相まって人気店に。NewStandの構想を立ち上げはじめた11月にたけみさんにテスト的な出店をお願いしました。

また、現在木曜日に出店してくれている「BarLife」の神宮さん。
新宮さんは創業前に「ティファニーで味噌汁を」という企画を発表会でやった後「ゆうごはん」を限定創業、そして現在はBarLifeで多くの単身赴任のおじさまの胃袋を掴んでいます。

火曜日の「華味」さんは、ランチもディナーも人気の中華店。店内に入れない人向けに始めた立ち飲み・弁当店「ファーウェイフラット」は仲見世の賑わいを作っています。

月曜日のはなぱんは、華子さんのキャラも含めて、大人気のはなぱんのパンを販売しています。販売直後に売り切れ。翌日には「お友達から、はなぱん売っているって聞いたんだけど」と言われる問い合わせが多くありました。

ここには多くの店主の「ファン」が存在し、高い評価を得ているのがポイント。「普段は入れない」「店主の人柄がいい」「その人に(営業時間外に)また会ってみたい」という人々を集める仕事をしてみました。


小雪の降る1月6日、この試みが当たるのかどうかさっぱりわかりません。
でも、ちらほらと街の人が集まってくれました。

40分おしゃべりして帰るおばちゃん(その後コーヒーをごちそうしてくれました!)

面白がって遊びに来てくれる人・訪問してくれる人も当初から多く集まってくれました。しかも、前職の社長も忙しい中遊びに来てくれることも。

(今でも思い出しただけでもメシ3杯いけます)

また2Fにある「チャトラコーヒー」さんから「まずはとりあえず」のコーヒーを提供することも。ウェブメディア「沼津経済新聞」と宮川の動画配信計画は後回しにして、まずはファンを集めて横串にする作戦に。でも、この横串にする作業(月曜日にいるファンを火曜日の商品を伝える)が何とも楽しいこと。どちらもお店のストーリーを知ってファンになった人々を、新聞で知った情報や、書けなかったエピソードをお客さんとのお話のひとつとして提供していく。今回は記者であった僕と宮川がその役割を行うことに。この仕事は本当に楽しい仕事です。記者として対面しつつ「これはいいストーリーだ!価値がある!」と思えば、NewStandとして交渉していきます。PVとか媒体として広告をお願いする広告販売はへただけど、このシステムで売り上げを上げるのは何よりも僕たちのストレスがない。新聞社では大きなオンライン販売サイトがありますが、記者が販売するのは僕らくらいなのかもしれない、と思っています。


一方紙の新聞も1月から毎週4本厳選して配付しています。今回はあえて「有料」としました。それはフリーペーパーにすることで「とりあえず手に取ろう」と思う人に届けたくなかったから。無料で手に入れた人はしっかりと詠んでくれず、ポケットにしわくちゃにして捨ててしまいます。

掲載された記事と同じポジションで新聞を持ってもらう津賀さん

なので、(表面的には)100円とし、うちで商品を購入してくれたお客さんには試読として提供していきました。商品の「サービス」として提供していくことで、しっかりと読んでくれたお客さんが「この前読んだので、またにんじんジュースを買って新聞もらっていいかな?」というお客さんの姿も。

現在のスポンサー記事。どれも気持ちよく出稿いただきました。

現在は3枠の応援広告を頂き(価格は3月末まで定額3万円、まだ枠あります!)店舗の足らない売り上げの補填を行っています。当初営業として話をしていたウェブの広告や企画も、おかげさまでいろんな話が舞い込んできています。今の広告もNewStandのおかげで沼津経済新聞・ツナゲルの自信あるメニューのひとつになりました。

企画営業を15年やっていて改めて思い知らされました。僕はモノをセールスするときに商品の自信がなく、本当に今欲しい人なのか疑いを持ちながら提案し、過剰な「売れた先のハッピー」を考えていたのかもしれません。僕なら買わないな、って商品や企画を売り込んでいたのかと思います。

この1カ月、NewStandにはさまざまな想定外も起きています。実は思うようにスープが売れない日や、狙った商品が売れないなど「狙い通りにいかない」ことや、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置によって夜の営業が中止になったり、思った以上に2人では日中の営業が他業務との併用が厳しいなどありますが、現在3月末までの運営期間をどう捉えて、面白い営業をするのか考えています。あと2カ月、いろいろ狙っていきますので、ぜひみなさん遊びに来てください!


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