この機会にやりたい!平成ライダーVシネマ個人的ランキング(前編)


皆さん、こんにちは。

企画意図と、ルール説明を投稿しました、「平成ライダーVシネマ個人的ランキング」をこの記事からやっていきます(読んでいないという方、詳しくは↓をチェック)。

前編は11位~6位までの6作品、

「面白いが言いたいことがある」あるいは「面白いが上位には届かない」と思った部類の作品群になります。なので不満を書き込むことも多いかもしれませんが、良いと思うところは絶対に書いていきます。

それでは早速参りましょう。

11位:ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ

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「仮面ライダービルド」のその後を描く「ビルド NEW WORLD」第1弾。残念ながら最下位です。

ラスボスであるエボルトの復活等、本編の結末を否定しかねない展開が劇場公開以前から見受けられ未だにかなり評価が賛否割れているという印象でしたが、僕はかなり否の方に寄ってしまいました……。

演出等は山口恭平監督、非常に気合いが入っていて映像としては全編楽しいものの、いかんせん呑み込みづらい展開が60分間終始続く作品でした。

何故か元に戻っているジーニアスボトルは置いておくとしてもエボルトとのバディ要素も、旧世界での犠牲者として現れたヒロインと万丈との関係性も微妙に描き切れていないドラマとしての散漫さが気になります。ギャグのために出てきた内海などキャラの扱いに雑なところが多く、本当に勿体ない出来です(エボルトに関しては制作側も色々あったそうですが)。

ただキルバスのキャラは文句なしに立っていたと思います。必殺技で蜘蛛の足が出るのもカッコいいですし、エボルトがこいつと会う時だけはテンションを露骨に下げるのも新鮮で楽しめました。取り敢えず戦兎はなんで変身機能をあのロボに付けちゃったの……?


10位:ドライブサーガ 仮面ライダーマッハ/仮面ライダーハート

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「仮面ライダードライブ」の外伝シリーズ「ドライブサーガ」のVシネマ第2弾。敵のボス格であるハードロイミュードが仮面ライダーとして蘇ることが話題を集めました。

蘇ったハートが「ゲンさん」こと追田現八郎と合同捜査を行うという本編には無かった切り口のバディもの感、確執を乗り越えたロイミュード幹部組の掛け合いの面白さ、剛が自分の本心を誤魔化してしまう「心の仮面」を取り払うというマッハサイドのテーマなど楽しめる要素は楽しみました。

ただギャグとしてやってるスローモーションがクドいなど演出が全体的に悪い方向にはたらいていてだいぶ損をしていると感じました。映像面の評価で言えば「クローズ」より下になります。

あとマッハ側は小説版を前提にしているのであれを読まないと剛と「あのキャラ」の関係性に戸惑うことになりますが、読んでいた自分としてはこの話がかえって蛇足に思えました。いくらなんでもしつこすぎるだろロイミュード005……!

ただ「ドライブ」らしい前向きな着地という面で肝は外さなかったという点で呑み込みづらさは薄いので、この順位とさせていただきました。


9位:鎧武外伝 仮面ライダー斬月/仮面ライダーバロン

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昨年平成の終わりに舞台版も制作され、今なお根強い人気を示した「鎧武外伝」第1弾。主役格だったライダー2人をピックアップし、本編20話頃にそれぞれに起こった出来事と活躍を描く。

「W RETURNS」から実に4年ぶりとなったVシネマ通算3作品目。「鎧武」はそれまで映画と並行して配信されていたネットムービーが無く、その分の予算でこれを作ったと言われていますが、この「鎧武外伝」シリーズが好評だったことにより現在のVシネマ体制が出来上がったという意味で地味に重要な1本でもあります。

上2つは色々と不満点を挙げましたが、この作品、かなり良い出来です。

本編が1年通してスケールの大きな話を展開させていたのに対し、本作はあくまで主役となるキャラ2人を掘り下げるためのややこじんまりした話。しかしながらその分短い時間でサクッと話を展開し、キャラを魅力的にそつなく描いてみせる手際の良い作品です。

特に推したいのは後半の「バロン」側。1年間駆紋戒人を演じてきた小林豊が20年以上かけて役作りをしてきたシャプールを2役で演じ、お菓子を作り、その裏で戒人が複雑な生い立ちを明かしつつ素面のアクションも披露してなんやかんやでカッコよくキメるという、もはや小林豊のPVのような作り。

劇場版だと微妙な出来(というかはっきり駄作)になりがちな金田治監督ですが、これぐらいのスケール感が多分合ってるんでしょうね。バイクアクションなどもかなりクオリティが高いです。

ここまで褒めていると、「じゃあなんで9位なんだ!」と疑問に思われる方もいるでしょう。

理由は簡単。この上にはもっと面白い作品しかないからです。

よってライダーVシネマの面白さの基準点としては、僕の中では「斬月/バロン」になるとお考え下さい。

取りあえず、この作品について悪いところを強いて挙げるなら、よくも悪くも突飛に感じる要素がそこまで無かったことでしょうか。


8位:仮面ライダーW RETURNS 仮面ライダーアクセル

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「仮面ライダーW」のスピンオフ第1弾にして、記念すべきVシネマ第1号。鳴海探偵事務所所長・鳴海亜樹子と結婚した仮面ライダーアクセル・照井竜が美女と共に警察に追われながらも捜査を行う姿を描く。

当時は本当に革命的だったライダーVシネの初めての作品。2010年代の日本特撮に多大な影響を与えた坂本浩一監督がメガホンをとり、照井竜が、アクセルが、ひたすらアクションを繰り広げます。

当時平成ライダーであまり無かった素面でのアクションをかなり本格的に取り入れたという意味でも衝撃的な1本で、ヒロインと手錠で繋がれた状態で戦闘員を蹴散らす序盤のシークエンスは必見。まさかのなだぎ武もジャッキー・チェン的な大立ち回りを繰り広げるなど、映像的な見応えに感動した作品です。Wの探偵組にもしっかり変身シーンや活躍シーンがあるというのが今のVシネの傾向(主役が変身しないことが多い)から考えるとかなりお得感のある要素でもあり、今見ても色褪せない出来になってると思います。

ただ照井竜を描く上でここは避けられなかったのでしょうが、「MOVIE大戦CORE」のマリッジブルーから更に照井夫婦の揉め事を話の軸に置かれるのはなんとも言えない蛇足感がありました……。まあ結婚してなお亜樹子を「所長」と呼ぶことや復讐を「振り切った」照井の愛など、見どころと言えばこれも見どころではあるのですが。

なのでまあ差し引きでこの順位という感じです。敵のコマンダー・ドーパントはかなり好きな部類に入ります。

7位:ビルド NEW WORLD 仮面ライダーグリス

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「ビルドNEW WORLD」シリーズ第2弾。第1弾「クローズ」の興行的成功を受け作られた「ビルド最終章」。同時上映は「ドルオタ、推しと付き合うってよ」。

正直「クローズ」の納得いかなさが後を引いて観に行くのを躊躇ったのですが、実際観てみるとかなり楽しめた作品でした。

良かったのが「ビルド」本編の序盤から中盤のパンチライン、「仮面ライダーを兵器利用する」という部分をちゃんと清算したところです。

ここは本編だと後半エボルトの存在感に食われてしまってかなり勿体なく感じていたので、相当スカッとした部分です(逆に本作でエボルトが出てこなくて不満という方もいるようですが)。

「クローズ」で出てこなかった葛城親子が新世界ではどうしているのか、戦兎とはどういう関係かなど気になる点も多数回収し、本筋は猿渡ファームの面々を軸にギャグとシリアスのバランスを取ってかなり上手くやっていたと思います。戦兎の悪魔の科学者ぶりには思わず吹き出しましたが、なんだかんだあの世界だと皆幸せそうでこれはこれでいいか……と僕は溜飲を下げました。

戦闘シーンもグリスブリザードの活躍がちゃんとありつつ新フォームの見せ場もちゃんと迫力を持たせて描かれており、合間に他ライダーの活躍もちゃんとあるのでここは素直にアガるポイントですね。

「ビルド」は小説版も控えているので、それ次第でまたちょっと評価が変わりそうですね。


6位:仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザーエンディング

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3部作方式で描かれる、「仮面ライダーエグゼイド」の後日談(画像は最終作「ゲンムVSレーザー」)。「東映Vシネクスト」として制作された初めてのシリーズで、1作ずつ2週間限定で劇場公開する方式をとりました。

謎が謎を呼ぶ展開と、バトルの恐るべきインフレ合戦ぶりから非常に高い評価を集めた「エグゼイド」の外伝であり、屈指の人気キャラ、檀黎斗がラスボスと銘打ったことから注目も浴びた本作。3作全て合わせてこの順位です。

「ブレイブ&スナイプ」、「ポッピーwithパラドクス」、「ゲンムVSレーザー」と、それぞれ異なる2人のライダーを軸に各々が抱える問題へのひとまずの回答を示す方式ですが、全体通して程良く纏まっています。

ただ一気に3本も作ったせいか「ゲンムVSレーザー」を除いて映像的な仕上がりは結構寂しく感じます。あと「エグゼイド」の発明的演出である「必殺技カットイン」をサボっていてそこはあまり好感が持てません(予算食うんでしょうかあの演出)。

それでもやっぱり檀黎斗というキャラクターが持つ引力は凄まじいものがありました。彼は最期に永夢に満面の笑みを向けるところは普通に涙が出ましたし、あの意味深なラストから小説版に続くのも善しですし、ここで終わらせておくのもありという意味で綺麗な着地を見せた作品です。


……以上、11位~6位までの下位6作品を紹介しました。

次の記事では5位~1位、非常に満足度の高い作品群を書いていきます。

それでは、次回をお楽しみに。

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