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人は見た目だけではわからない

今日は人は見た目でだけではわからないというお話です。
私たちは、つい見た目で人を判断してしまいます。

メリビアンの3Vの法則からもわかるように、第一印象はとても大切です。
3Vの法則とは、人の印象は、視覚情報(見た目、しぐさ、表情、視線)で 55%、聴覚情報( 声の質や大きさ、話す速さ、口調)38%、言語情報(言葉の意味、会話の内容) 7%で構成されているという法則です。つまり、印象の93%が見た目と聞くトーンで決まるということです。この法則を利用したのが、詐欺商法や恋愛商法です。

人は「騙される」「誤解される」ということをしっかりと自覚して、真実を見る眼を持つことが大事です。

今回はそんなエピソードを紹介します。

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お釈迦様の弟子のカッサパは、頭陀行(ずだぎょう:執着を払う修行)において右出る者がなかったので、「頭陀第一」と呼ばれていました。出家してから八日目に悟りを開いたほどの立派な僧侶です。

カッサパは貪(むさぼ)りや怒りなどに満ちた生活を嫌い、日々、自分を厳しく律していました。

或る日のこと、お釈迦様が樹の下に座ろうとした時、カッサパは自分の着ていた大衣(だいえ)を脱ぎ、四つにたたんで座布団の代わりにしてそこに置きました。その上に座ったお釈迦様が、柔らかくて座り心地が良いことを告げると、カッサパはこう申し出ました。
「どうか私の大衣をこれからずっと座布団代わりにお使いください」

カッサパは、粗末な糞掃衣(ふんぞうえ:雑巾の様な汚い服)を身に着け、ずっとその汚れた粗末な衣を着続けました。

或る日、カッサパが説法を聞こうお釈迦様のところにやって来ると、その場に居合わせた修行僧たちが、見た目がとても汚いカッサパを軽べつした眼で見て、誰もが彼を避けようとしました。

これを知ったお釈迦様は説法を途中で止めて、「よく来た、カッサパ」と申言って、自分の座を半分あけてカッサパに座らせました。お釈迦様はすでに悟りを開いたカッサパをお釈迦様と等しい境地に達した者であることを、こうして弟子たちに示しました。

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『星の王子さま』でも「真実は目には見えない」といったことが書かれていますが、本当の凄さや優しさなどは目に見えないところに在るのかもしれませんね。お釈迦様が、見た目にだまされずにしっかりと真実を見抜かれているところは、私たちも学ぶところがあるようです。

特に上司や先生たちは、部下や子どもの行動の裏に隠れている心の在りかをしっかりと見つけて、仮に悪い事であっても評価できるところは評価してあげて、部下や子どものいいところを伸ばしてあげて欲しいと思います。

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