【対抗心ちゃん】という子供心
▼『大人心』『子供心』ってなに?という方は
こちらをどうぞ
対抗心ちゃん
だれかのすごい話を聞くと
私だって!と対抗したくなる子供心さんは、
ちょっぴり強気で頑張り屋。
そして勝つことが大好きです。
一生懸命がんばって、
勝てた時はまだ気分がいいのですが、
この気持ちを持っていると、
勝ち負けなので負けてしまう可能性も
いつも半分ついてきます。
勝負が純粋にたのしい子供心とはちがって、
この対抗心の子供心は
どこか勝ちに執着する必死さがあるんです。
それに、負けた時はもちろん勝ってうれしいのもほんの一時だけ。
その瞬間以外はずっとたたかっているので、
やっぱり疲れてしまいます。
それに勝ち負けにこだわると、
だんだんみんなが「敵」に見えてくるので
さいごはひとりに感じてしまいます。
みんなのことが敵に見えてしまうのは、
ちょっともったいないですよね。
だって、本当は敵じゃなくて
なかよくなれるはずの人だった
かもしれないのに。
「‥‥え、でも勝ったらうれしいじゃん
勝ちにこだわってもいいじゃん」
そうだね。
ところで対抗心ちゃんがほしかったのは、
本当に勝つことだったのかな?
「‥‥え?そうなんじゃないの?」
本当は、大人のあなたがずっとむかし
どこかでだれかに負けてしまった時、
傷ついた気持ちを消してつよくなろうとして
対抗心ちゃんが生まれたのかもしれません。
いっぱいつよがってる子は、
よわさを必死でかくしている子。
本当は、いろんな気持ちを
たくさんガマンしてきたのかもしれません。
「でも、よわいのってダメなんでしょ‥‥?」
そう、子供心がいちばんつらいのは、
本当は「だれか」からではなく
大人のあなたからそんなのダメだよ
と責められていることなんです。
だっていちばんの身内であるあなたすら
味方じゃないってことだから。
そのよわさや悲しさを
大人のあなたが心からゆるしてあげられた時、
対抗心ちゃんは安心して
つよさや勝ちへのこだわりを
心からやめることができます。
そしてこの時の気持ちが、
対抗して勝とうとしなくても
「私には、ちゃんとわかってくれる
味方がいるから大丈夫」
という「安心」の感情です。
私は私の味方だと信じられる安心感は、
あなたのこころの中にいる
大人心と子供心でできています。
あなたのこころの中のふたりは、
安心できる味方になれていますか?
▼『こころの中のおとなとこども』他のおはなし一覧が見れます
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?