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英語の専門職になるためには

Twitterでnoteに書くテーマをリクエストしたところ、いくつかのお題に人気が集中しました。

それでここでは人気のあったお題の一つ、「英語の専門職になるためには」について書きます。

まず初めにみなさんに謝らないといけません。「英語の専門職」と書いたけど、定義がはっきりしていませんでした。ググってみると、留学カウンセラー、ホテルフロント、貿易事務、通訳案内士…と次から次へと私が考えていなかった「英語の専門職」が出てきて・・・焦りました。

でも今回は自分が実際に経験した職業だけに絞って書かせてもらいます。だって知らないことは書けないし。通訳案内士について読みたかった方、ごめんなさい。

で、私が実際に経験した英語の専門職は
通信講座添削指導員、英会話学校講師、米軍基地内事務、社内翻訳者、社内通訳者」の5つです。

これらは全部、英検1級を取ってから経験しました。ここでまたみなさんに謝らないといけないです。「初期ステータスが英検1級だなんて、聞いてないよ〜!」とダチョウ倶楽部のように怒っている方がいるかもしれません。ごめんなさい。今後英検1級を取る方法についても書く予定なので、それを参考に頑張ってください。

ただ言えるのは、私はそれぞれの職場で新しいスキルを得て、わらしべ長者のように少しずつレベルアップして、現在の社内通訳者までたどり着きました。つまり、一つの専門職を経験することが、次の専門職になる方法なんです。だまされたと思って一度読んでみてください。何か有用なヒントが隠れているかも知れませんよ~。


1)通信講座添削指導員(いわゆる赤○○先生)


●開始時のステータス:英検1級
●英語力以外で必要なスキル:字がきれい(PC入力添削なら不要)、基本的なITリテラシー(OAスキル含)
●応募方法:通信講座提供会社のWebサイトから応募
●報酬:90~1,000円/枚位(会社、担当講座による)
●良かった点:在宅勤務
●悪かった点:寂しい、孤独
●獲得スキル:強固な文法知識

英検1級を取ったので応募してみたら受かった。高校1~3年生の英語を担当。何が良かったかというと、赤色ペンで答案に説明を書くために、どう説明すべきか不明な時は自分で調べなくてはいけない。時間はいくらでもかけられるので(時給ではなく枚数で報酬が決まる)文法書を徹底的に読むことになった。結果、文法が得意になった。
また、先生向けの推奨文法書があり、それが名著として名高い『徹底例解 ロイヤル英文法』だった(でも私は知らなかった)。それまでは高校時代に買った『チャート式 新英語』だけを使っていたので、大学受験英文法を全部網羅できていなかった。
お金をもらって嫌いな文法の勉強ができたというのは本当に大きい。お金というニンジンがぶら下がっていなかったら、退屈だし辛いし、一日中文法の勉強なんてしなかったと思う。


2)英会話学校講師


●開始時のステータス:英検1級+強固な文法知識
●英語力以外で必要なスキル:コミュニケーション力、雑談力
●応募方法:一般の求人サイト、英会話学校の張り紙等
●報酬:1,500〜10,000円/コマ(学校による)
●良かった点:アメリカ人の友人ができた
●悪かった点:授業準備が大変、収入が不安定(授業レベル、コマ数、生徒数で報酬が決まる)
●獲得スキル:英会話力

赤○○先生はずっと英語の勉強をしていられるので楽しかったが、思わぬ弊害があった。人恋しくなるのである。担任制ではなかったので、いくら生徒のことを思ってメッセージを書いても、生徒からの返事は私には届かない。
そんな時、市の図書館に行った帰り道、ふと見るとオープンしたてのカフェの窓に「英会話講師募集」の張り紙が。「英会話講師だったら人と話が出来る!」という単純な動機で「英検1級持っているんですが~」と履歴書を持って面接に行ったら即採用決定。翌日からその英会話カフェで働くこととなった。
ただ、私は海外留学経験ゼロで英会話の経験もほとんど無かったので、実は英会話は得意ではなかった。そのため、働き始めてすぐに英会話クラスの担当から外され英検対策クラスを担当することになった。でも、同僚のアメリカ人講師と仲良くなって毎日無料で英会話をすることができ(単なる世間話だが、雑談大事!)結果、英会話力が爆上がりした。
準備や集客努力に費やす時間を考えると決して割りの良い仕事ではないが、無料で英会話レッスンを受けられることを加味すると、そんなに悪い仕事でもないと思う。


3)米軍基地内事務


●開始時のステータス:英検1級+文法知識+英会話力
●英語力以外で必要なスキル:臨機応変に対応する能力
●応募方法:「独立行政法人 駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)」のWebサイトから応募
●報酬:1,300〜2,000円/時間(職場による)
●良かった点:米軍基地勤務。基地の中はカリフォルニア!
●悪かった点:お給料が一般的な日本企業のバイリンガルスタッフと比べて安い
●獲得スキル:電話越しの英語のリスニング力

2)の英会話カフェのアメリカ人講師は、全員近くの米軍基地の兵隊さんかその家族だった。私の英会話が上達するに連れ、みんなが米軍基地で働くことを勧めてくれた。
すぐ調子に乗って一般求人サイトで米軍基地の情報を調べたら、たまたま日本企業が基地内の電話応対事務の求人を出していた。それに応募して採用された。
後で知ったのだが、実はいわゆる米軍基地の求人というのは一般の求人情報サイトではなく「駐留軍等労働者労務管理機構(エルモ)」という独立行政法人のサイトにしか載っていない
なので、私が見つけた仕事はある意味ナンチャッテ米軍基地内業務だった。単に事務所が基地内にある日本企業というだけだったので、英語は電話応対以外ではほとんど使わなかった。ただ、毎日アメリカ人からの電話を受けていたので、電話越しの英語のリスニング力はアップした。アメリカ人の同僚がいる仕事場を夢見ていたが、実際はノイズの多い英語を聞く訓練になったので、逆に良かったのかも!


4)社内翻訳者


●開始時のステータス:英検1級+文法知識+英会話力+リスニング力
●英語力以外で必要なスキル:基本的なOA能力、組織の中で働く能力
●応募方法:一般の求人サイト
●報酬:1,600〜2,500円/時間(会社による)
●良かった点:英語力が高く、意識も高い英訳者たちと知り合えた
●悪かった点:他業界の用語、知識が全く伸びない
●獲得スキル:英作文力、業界用語&知識

3)の米軍基地から転職したきっかけは命の危険を感じたからである。
ある雨の日、基地内の滑走路沿いに自転車で走っていたら、雷が私から数十メートルのところに落ちた。「やばい、雷に打たれたら死んじゃう!」と怖くなって、その日求人情報サイトで見つけたのが、とある製造業の開発部門の翻訳の仕事だった。
その会社は当時海外進出驀進中で、各部門に通翻訳者がおり、一番多い時で8名の英訳者がいた。それぞれ様々な経歴を持ち、野心に溢れた人ばかりで刺激を受けた。英訳者は海外に目を向けている人が多く、視野も広い。そういった人たちと切磋琢磨し英語力を磨けたのはラッキーだったと思う。
もう一つ社内翻訳者として働くことの利点に、一般的なOAスキルや組織内でのメールの書き方など、一匹狼のフリーランスではあえて時間を取って勉強しないといけないことを業務の中で学べるということがある。また、英語力についても、日本語から英語への翻訳が圧倒的に多かったため、強制的に英作文力が上がった。
ただ、ある程度働いていると、他業種も見たくなってくる。また、通訳に挑戦したいという思いもあって退職を決意した。


5)社内通訳者


●開始時のステータス:英検1級+文法知識+英会話力+リスニング力+英作文力、業界用語&知識
●英語力以外で必要なスキル:日本語力、機械操作ができること
●応募方法:一般の求人サイト
●報酬:2,300〜4,000円/時間(会社による)
●良かった点:みんなに感謝される、仕事の満足度が半端なく大きい
●悪かった点:他業界の用語、知識が全く伸びない
●獲得スキル:通訳スキル(逐次、同時)

会社に退職の意思を告げると、「次の会社は何処だ。職種は何だ」と聞かれた。正直に時給がかなり上がること、通訳業がメインだということを告げると、同じ条件で当時の会社が雇い直してくれることとなった。
通訳はやはり特殊技術なので通訳学校に行く必要がある。そのため土日に自費で都心の通訳学校に通い、メモ取りから同時通訳まで基礎を学んだ。
通訳の醍醐味はたくさんある。会社の役に立てたという達成感、未知の分野を学び、新しいことを経験できる知的刺激、毎回が勝負のような緊張感。それに加え、私は同時通訳時に感じる「テトリス」のようなゲーム感覚が好きだ。落ちてくる言葉をクルクル回し、ピタッと当てはめてドンドン処理していく。英語力が上がれば上がるほど、日本語との境目が無くなり、ピタッと当てはめることができるようになってきて楽しい。私はゲーマーじゃないんだけどな~。でも、この感覚が本当に好きです。


番外)フリーランス通訳者(これからの夢)


今、また転職を考えている。長く同じ業界にいるため、上述の知的刺激や緊張感が薄れてしまったのだ。
将来的には完全フリーランスになり、グローバルで活躍する企業人や財界人、政治家たちの通訳もしてみたい。無謀な夢だと分かってはいるが、あきらめない夢は終わらない。夢を追いかけ、いつかこの手につかみたい。


以上、大変長くなりましたが、大まかな道筋がわかっていただけたでしょうか?
冒頭にも書いたとおり、英語の専門職は上記5つだけではありません。でも、他の専門知識が特になく、英語力だけで勝負しようとすると、基本的には同じ方法しかないと思います。

まとめると、英語の専門職になるには、
*まずは英検1級、TOEIC900点台を取る!
*一つの職場でスキルを得て、さらにレベルの高い専門職へとレベルアップしていく!

専門レベルが上がると、それに伴ってお給料も上がります。そうなると、さらに自己投資をしてさらに高いレベルを身につけることができます。

スタートラインが英検1級(もしくはTOEIC900点台)ということで、一気にモチベーションダウンしちゃった方もいると思います。あきらめないで下さい!私も最初のTOEICは405点でした。時間をかけて正しい方法で勉強すれば、英語は必ず伸びます!

今後「英検1級を取るために何をしたか」「TOEIC990点を取るために何をしたか」についても書いていきたいと思います。ぜひ参考にしてください。皆さんの夢を叶えるお手伝いができたら嬉しいです。

あき@日英通訳者 でした。

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