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毎日読書メモ(101)『逆回りのお散歩』(三崎亜記)

3年前に筑波山に行った帰り、つくば駅前でトップ画像に使った写真を撮った。真ん中に写っているビルが、三崎亜記『逆回りのお散歩』(集英社)の表紙に使われていたから。

集英社文庫になったときに、別の表紙になってしまったので、単行本で読んだ人にしかわからないネタである。

で、読書感想は、2013年5月に書いたもの。

中編2編。ネットの情報は市町村合併に影響を与えるか。誰が、何を望んで、市町村は合併するのか。何が正義で何が不正? 地方都市の「藪の中」。「戦争研修」で、初期作品『となり町戦争』に戻る。血を流すことになっても、十分な保障さえするのであれば、景気をあげるための戦争はありなのか? 社会のはらむ矛盾が、ちょっと現実からずれた架空世界の中で問われ続ける。


個人的には、『となり町戦争』は処理しきれてないもやもやがあったのだが、『バスジャック』『失われた町』『鼓笛隊の襲来』『廃墟建築士』と、作を追うごとにどんどんよくなっていって、でもいつまでも代表作として『となり町戦争』の名前が出ているのは作者にとって勿体ないなー、と思っている。わたし的にはずれのない作家。『コロヨシ!!』シリーズは系統が違うけれどこれもすごくいい。続きを早く書いてくれるといいのにな、と思っている。

『30センチの冒険』の感想はこちら


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