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Q 仮処分では裁判官との面接があると聞きましたが、どのようなことが行われるのですか?

A ①被害者側と裁判官との面接では主張や証拠の不足を指摘されるほか、②相手方を呼び出す期日では主張と反論を行います。

解説いたします!

Q 仮処分の流れを教えてください。|弁護士遠藤宗孝 (note.com)で記載したとおり、仮処分を申し立てると、
①被害者側弁護士と裁判官のみが参加する打合せ(債権者面接)のあと、
②プロバイダ等の相手方を呼び出して行う打合せ(双方審尋期日)が行われます。

1 被害者側弁護士と裁判官のみが参加する打合せ(債権者面接)について
債権者面接では、弁護士が、申立書の内容や疎明資料について裁判官と意見交換をします。実は、この債権者面接の流れは、担当する裁判官によって、微妙に異なります。

⑴ 開示決定できるという心証を形成しないと先に進ませない裁判官
Q 仮処分の流れを教えてください。|弁護士遠藤宗孝 (note.com)で記載したとおり、裁判官の中には、この債権者面接の段階で、開示決定できるというある程度の心証を形成してから、プロバイダ等(これを「債務者」といいます。)の反論に進むことを好む方がいます。
こうした裁判官が担当になった場合には、双方審尋期日に進む前に、主張や疎明が足りないので補充の書面等を提出するようにと指示され、再面接期日が設定されることがあります。

⑵ ひとまず双方審尋期日に進む裁判官
これに対して、開示できるという心証までは得られていなくても、ひとまずはプロバイダ等の相手方を呼び出して、相手方の意見も聞いてみよう、と考える裁判官もいます。
こうした裁判官が担当になった場合には、あまり補充の書面等を要求されず、双方審尋期日に進むことになります。

⑶ どちらの裁判官が多いのか?
私の経験では、⑵の、ひとまず相手方の話を聞いてみよう、という裁判官が多いように思います。

2 プロバイダ等の相手方を呼び出して行う打合せ(双方審尋期日)について
双方審尋期日では2~3週間にわたって主張と反論が行われます。

⑴ 通常の裁判との違い 「スピード感」
ここでは、通常の裁判とは異なる特徴があります。それは、「スピード感」です!通常の裁判の場合は、約1か月ごとに主張と反論を繰り返していきますが、Q IPアドレスの保存期間についてルールはありますか?|弁護士遠藤宗孝 (note.com)に記載したとおり、IPアドレスは保存期間がとても短いため、こんなにのんびりと(?)進めていたのでは、IPアドレスが消えてしまいます。そのため、仮処分の場合は、1~2週間ごとに主張と反論を繰り返しますので、主張の補充や反論の作成についても、非常に短い時間の中で行う必要があります。双方審尋期日では、通常、裁判官から、いつまでに主張の補充や反論を行えるかを聞かれますが、この時には、いつまでに反論・再反論等を完了すれば、IPアドレスの保存期間に間に合うかを考えて返事をしなければなりません。

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