弁護士遠藤宗孝

弁護士(第二東京弁護士会)。ネット上の誹謗中傷、退職代行・オワハラ対策含む労働問題等を…

弁護士遠藤宗孝

弁護士(第二東京弁護士会)。ネット上の誹謗中傷、退職代行・オワハラ対策含む労働問題等を取り扱っています。 情報ネットワーク法学会 労働問題検討委員会 等 司法試験予備校LEC 選択科目総整理講座【国際私法】講義担当 お問合せは自己紹介のページからお願いします。

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開示請求・削除請求FAQ目次

このページは、開示請求・削除請求FAQの目次です。 Q インターネット上で誹謗中傷を受けました。私にできることを教えてください。|弁護士遠藤宗孝 (note.com) Q 誰が誹謗中傷を行ったのか分からない場合でも、削除請求できますか?|弁護士遠藤宗孝 (note.com) Q 私は、誰が誹謗中傷の投稿を行ったのか分かっていますが、投稿者に請求しても素直に削除するとは思えません。こうした場合、ウェブサイトの管理者に対して削除を請求することができますか?|弁護士遠藤宗孝

    • Q 仮処分では裁判官との面接があると聞きましたが、どのようなことが行われるのですか?

      A ①被害者側と裁判官との面接では主張や証拠の不足を指摘されるほか、②相手方を呼び出す期日では主張と反論を行います。 解説いたします! Q 仮処分の流れを教えてください。|弁護士遠藤宗孝 (note.com)で記載したとおり、仮処分を申し立てると、 ①被害者側弁護士と裁判官のみが参加する打合せ(債権者面接)のあと、 ②プロバイダ等の相手方を呼び出して行う打合せ(双方審尋期日)が行われます。 1 被害者側弁護士と裁判官のみが参加する打合せ(債権者面接)について 債権者面接

      • Q 仮処分では被害者側で名誉毀損などを説明しなければならないと聞きましたが、それはどのくらい難しいですか?

        A 「証明」までは求められず、「疎明」で足りるとされますが、そのハードルはかなり高いです。 解説いたします! 1 被害者側で立証しなければならないこと Q 私は会社を経営していますが、誹謗中傷に対して法的措置を取るにあたって特に気を付けるべきポイントを教えてください。|弁護士遠藤宗孝 (note.com)の記事の「1」の欄に記載したとおり、開示請求では、被害者の側で、①名誉を毀損することに加えて、②公共の利害に関する事柄でないこと、③公益目的でないこと、④真実でないことに

        • Q 仮処分で必要な書類を教えてください。

          A 仮処分命令申立書・疎甲号証写し・委任状・資格証明書・収入印紙・郵券です。 解説いたします! 1 仮処分命令申立書について こちらには、 ①申立人の権利が侵害されていること、 ②保全の必要性(Q 私は個人で作成されたと思われるブログで誹謗中傷されました。このブログ上には運営者等の情報が書いてないのですが、こうした場合に投稿者を特定する流れを教えてください。|弁護士遠藤宗孝 (note.com)の「3 サーバー管理会社への開示請求」の欄に記載した、今すぐに申し立てをしない

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        開示請求・削除請求FAQ目次

          Q 仮処分の流れを教えてください。

          A 申立→面接→双方審尋→担保決定→供託→発令→削除・開示→担保の回収という流れです。 解説いたします! 1 申立 地方裁判所の保全部に申し立てを行います。東京地方裁判所では、2階の民事9部で申し立てを行います。 2 債権者面接 弁護士と裁判官のみが参加する打合せ(これを「債権者面接」といいます。)が実施されます。ここでは、弁護士が、申立書の内容や疎明資料について裁判官と意見交換をします。裁判官としては、この債権者面接の段階で、開示決定できるというある程度の心証を形成し

          Q 仮処分の流れを教えてください。

          Q Amazon、ヤフオクなどの実名登録型サイトで誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。

          A サイト管理会社に対して、投稿者の氏名・住所・電話番号等の開示請求をします。 解説いたします! 1 総論:匿名サイトの場合との違い 2ちゃんねる、5ちゃんねる、X(旧ツイッター)などの匿名サイトの場合には、サイト管理会社が投稿者の情報を保有していないため、IPアドレス等からたどっていくほかなく、2段階の開示請求が必要でした。 これについては、下記の記事をご覧ください。 SNSの場合:Q SNSで誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。|弁護士遠

          Q Amazon、ヤフオクなどの実名登録型サイトで誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。

          Q 開示請求は必ず2回で終わりますか?

          A 3回以上必要になることもあります。 解説いたします! 1 MVNOが利用されている場合 近時、格安携帯電話の普及により、MVNOという仕組みが利用されていることがあります。この場合、格安携帯会社(MVNO)は、自社では無線通信インフラを保有しておらず、NTTドコモ、KDDIといった事業者(MNO)からインフラを借り、無線通信事業をしていますので、投稿者の情報を保有しているのは、MNOではなく、MVNOです。そのため、コンテンツプロバイダから開示されたIPアドレスを管理

          Q 開示請求は必ず2回で終わりますか?

          Q 私はブログで誹謗中傷されました。このブログ上には運営者等の情報が書いてないのですが、こうした場合に投稿者を特定する流れを教えてください。

          A ①サイトで利用されているサーバーを調べて、そのサーバー管理会社に対して開示請求をすることで特定できることがあります。①で特定できなかった場合は、改めてサーバー管理会社に対してアクセスログの開示請求を行うことで特定できることがあります。 解説いたします! 図解         →氏名住所の開示請求→投稿者特定 サーバー管理会社         →ログイン情報の開示請求→APに対する開示請求→投稿者特定 1 開示請求する相手方はサーバー管理会社 X(旧ツイッター)や2ち

          Q 私はブログで誹謗中傷されました。このブログ上には運営者等の情報が書いてないのですが、こうした場合に投稿者を特定する流れを教えてください。

          Q 匿名掲示板で誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。

          A ①まずは掲示板管理者に対して発信者情報開示請求を行い、次に、②誹謗中傷の通信に利用されたアクセスプロバイダに対して発信者情報開示請求を行うことで特定します。 解説いたします! 1 代表的な匿名掲示板 代表的な匿名掲示板としては、2ちゃんねる、5ちゃんねる、爆サイ.comなどが挙げられます。 2 「ログイン型」との違い Q SNSで誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。|弁護士遠藤宗孝 (note.com) で解説したとおり、SNSの多くは、

          Q 匿名掲示板で誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。

          Q SNSで誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。

          A ①ログイン時のIPアドレス等の開示を受けて特定するルートと、②電話番号の開示を受けて特定するルートがあります。両方を併用すると良いでしょう。 解説いたします! 図解       →IPアドレスの開示→APに対する開示請求→投稿者特定 SNS事業者       →電話番号の開示→弁護士会照会→投稿者特定 1 代表的なSNS 代表的なSNSとしては、X(旧ツイッター)、インスタグラム、フェイスブックなどが挙げられます。 2 SNSの多くは「ログイン型」 SNSの多くは

          Q SNSで誹謗中傷された場合に投稿者を特定するまでの流れを教えてください。

          Q CPに対する開示請求とAPに対する開示請求の2回の開示請求に成功すれば必ず投稿者を特定できますか?

          A 特定できるとは限りません。 解説いたします! 2回の開示請求を行っても、必ず投稿者を特定できるとは限りません。その理由としては、①IPアドレスの保存期間についてルールが存在しないこと、 ②なぜかアクセスログが保存されていないことがあること、 ③アカウントが削除されることでアクセスログが消えることがあること、 ④コンテンツプロバイダとアクセスプロバイダが保存している情報の組み合わせによって技術的に特定できない場合があること 等が考えられます。 1 IPアドレスの保存期

          Q CPに対する開示請求とAPに対する開示請求の2回の開示請求に成功すれば必ず投稿者を特定できますか?

          Q 私は、DM・メール・チャット等で誹謗中傷されたのですが、この投稿を行った者を特定することはできますか?

          A 発信者情報開示請求で特定することはできません。 解説いたします! 開示請求が認められるためには、「特定電気通信による情報の流通」がなされたことが必要となるところ、「特定電気通信」とは「不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信」と定義されています。 そのため、メール、チャット、DM等のような、当事者間でのみ閲覧できるものについては、開示請求の対象になりませんので、開示請求を使って特定することはできません。

          Q 私は、DM・メール・チャット等で誹謗中傷されたのですが、この投稿を行った者を特定することはできますか?

          Q 私に対する誹謗中傷の投稿を行ったアカウントが削除されました。この場合でも投稿者を特定することができますか?

          A コンテンツによっては特定できないことがあります。削除される前に、弁護士に相談しましょう! 解説いたします! コンテンツによっては、アカウントが削除されるとログも消えてしまうものもあります。例えば、X(旧ツイッター)ではアカウントが削除されると1か月でログが消えるとされていたり、インスタグラムでもアカウントが削除されると早期にログが消えるとされているほか、爆サイでは削除された投稿の記録は保存されないとされています。そのため、相手方のアカウントや問題となる投稿が削除された

          Q 私に対する誹謗中傷の投稿を行ったアカウントが削除されました。この場合でも投稿者を特定することができますか?

          Q 開示請求のスケジュール感を教えてください。

          A ①IPアドレスの開示請求については、裁判所の決定が出るのに2~3か月程度、決定後に情報が開示されるのに一般的には1~2週間程度、サイトによっては1~2か月かかります。②氏名住所の開示請求については、裁判所の決定が出るのに1~3か月程度、決定後に情報が開示されるのに2~4週間程度かかります。 解説いたします! 1 IPアドレスの開示請求について IPアドレスの開示請求のスケジュールを考えるにあたっては、⑴裁判所の決定が出るまでの時間と、⑵裁判所の決定が出てから、実際に情

          Q 開示請求のスケジュール感を教えてください。

          Q IPアドレスの保存期間についてルールはありますか?

          A 3か月から6か月程度保存されていることが多いですが、ルールはありません。 解説いたします! 1 IPアドレスが残っていないと投稿者の特定ができないこと 投稿者の特定を行う場合には、コンテンツプロバイダ(X社(旧ツイッター社)などのことです)のアクセスログと、アクセスプロバイダ(NTTドコモなどのことです)のアクセスログを照合する必要がありますので、両者のアクセスログが残っていない限り、投稿者の特定はできません。 2 IPアドレスの保存期間について そのため、投稿者の

          Q IPアドレスの保存期間についてルールはありますか?

          Q 法改正によって、簡単に開示できるようになりましたか?

          A 簡単になったとは言えないと思います。 解説いたします! 法改正がなされた際には、被害者救済ということが声高に叫ばれましたので、読者の皆様のの中には、改正によって被害者救済の方向に強く進み、開示請求が簡単になったとお考えの方もいるかもしれません。 ところが、必ずしもそうではありません。私は、開示請求が簡単になったとは言えないと考えています。そう考える理由は複数あります。 1 IPアドレスの開示の範囲が狭くなったこと ⑴ 旧法下の対応 法改正前は、開示が認められるログイ

          Q 法改正によって、簡単に開示できるようになりましたか?