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Q 開示請求は必ず2回で終わりますか?

A 3回以上必要になることもあります。

解説いたします!

1 MVNOが利用されている場合
近時、格安携帯電話の普及により、MVNOという仕組みが利用されていることがあります。この場合、格安携帯会社(MVNO)は、自社では無線通信インフラを保有しておらず、NTTドコモ、KDDIといった事業者(MNO)からインフラを借り、無線通信事業をしていますので、投稿者の情報を保有しているのは、MNOではなく、MVNOです。そのため、コンテンツプロバイダから開示されたIPアドレスを管理する接続プロバイダに開示請求をした際、当該接続プロバイダから、「当社はMNOであり投稿者の氏名住所は知らない。MVNOが知っている」等の回答がされることがあります。こうした場合には、まず①MNOに対してMVNOの開示請求を行い、②次に、MNOから開示されるMVNOに対して投稿者の氏名住所の開示請求を行う、といった形で、接続プロバイダに対する開示請求が複数回必要になります。

2 MVNEが利用されている場合
また、MNOとMVNOとの間にMVNEが入っていることもあります。
MVNEとは、「Mobile Virtual Network Enabler」の略であり、「仮想移動体サービス提供者」と訳されます。
MVNEは、MNOからまとめて回線を借りて、MVNOに卸しています。

3 SIMカード再販等が行われている場合
そのほか、SIMカード再販やIPアドレス貸出といった事業形態がなされている場合にも、まず下位プロバイダを開示してもらう必要があります。

4 まとめ
上記の場合、コンテンツプロバイダに対する開示請求とアクセスプロバイダに対する開示請求の2回の開示請求では投稿者を特定することはできず、3回以上の開示請求が必要になります。弁護士に依頼する際には、どの範囲まで代理してくれるのか、よく説明を受けるようにしましょう!逆に、こうしたことについて最初に説明してくれない弁護士には依頼すべきではないと思います。

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