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【8月月間連載小説~こつん~】 8月1日

〇プロローグ〇
2016年8月22日月曜日
通いなれたオフィスは今日も
クーラーがよくきいていて涼しい。
お盆明けの午前中は鳴り響く電話音や
FAXを受信する音で騒がしい。
まわりはバタバタしているけど私は落ち着いている
ような・・いないような。
 
(ついにこの日が来た。)
 
(どんな結果であっても、受け入れることができる。
全部そう本当に全部。やってきた。 
この3年間の集大成だ。)
 
(あ!メールがきた!結果は・・・)
 
 
この時から遡る事、約3年前。

正に激動の日々そして人生が大きく変わっていく事を
わたしは予想していなかった。
 


〇本編〇
2013年8月某日。
9年通っているオフィスで今日もたんたんと仕事をする。半年前に営業課に異動になり、やっと慣れてきた頃だった。
 
(そろそろ16時半か。
あと1時間。見積作っとこっか。)
来週の商談に向けてルーチンワークの見積を作ろうとメーカーフォルダをあけたその時、
私を呼ぶ聞き慣れた高いトーンの上司の声。


「おーい上条さん、ちょっと時間とれる?」
(何だろう?評価面接も終わったのになんで個別呼び出し?)
「・・えぇ、はい大丈夫です。」
「商談ブースちょっと一緒に来れるかな?」
「えぇ、はいもちろんです。」
15メートル先の商談ブースに一緒に歩いて向かう。窓の外は暑そうだ。

「ごめんね、忙しいとこ急に呼び出して。
仕事はどう?」
「全然問題ありません。そうですねー、
仕事は慣れてきました。
ただ・・・今の得意先数だと少なすぎるので
これからどこの得意先がふってくるのか
びくびくしてます。」
「そうかそうか。そうだよね。うん!」
上司は基本いつも底抜けに明るい人で今日も目の前で満開の笑顔だ。
(年がら年中、夏みたいな人だなぁ)
その時上司は少しだけ間をあけて、
私に言った。
 
「上条ちゃーん、お花やろっか」
「は?え?お…おはな?」
「そう、お花!お花とか家で飾る?」
動揺している私に間髪入れず
上司が聞いてくる。
「や、飾ったりしませんね、、」
「植物とか嫌い?僕ねー、結構家で家庭菜園とか実はやってるのよー。あれね、結構楽しいのよー。」
「あ、わたしもネギとかバジルとか育ててる時あります!自然は好きですよ?だけど、
お花買ったりってキャラにみえますか?
あ、もしかしてうちの会社が東日本でやってるお花の事業のことですか?
入社してすぐの研修で聞いたことがあるような・・・」
「そうそう!それそれ!西日本でも始めようかってことになってね!
お花っていっても、お仏壇とか神棚にお供えするものがメインになってくるみたいなのよ。あーでもバラの花束とか作れたり、花言葉とか言えたら素敵だよねー!いやー楽しみだ。」
 
(なんかよくわからないけど、、お花なのね?食品会社だけどお花をするのね?
 いやぁ、それにしても本当にお花って全然わからないよー!!)
突然の状況に驚いていたが、サラリーマンである以上特別な理由がない限り
業務を断る事はできない。食品関連の得意先が増える話かとばかり思っていた私は
ただただ急な話に驚いていた。
 
目の前にいる上司はなぜかいつも以上に明るい笑顔だった。

そうこの瞬間、時計の針が動き出したのだ。
【明日に続く】


《続き》
https://note.mu/enaenanote/n/n3e63cdc7b84f

つたない文章をお読み頂き
本当にありがとうございますm(_ _)m

スキ!やご意見ご感想お待ちしてます!

頑張る時は頑張って
ゆる〜くいく時はゆる〜くいこ♪
カジュアルメンターエナエナより。

◆あらすじ◆
お花の新規事業立ち上げで
主人公の上条エナが
苦悩し人生の荒波に揉まれ
それでも必死に生きていきます。

そんな中で
とりまく環境の変化があり
そこで人との出会いや
価値観が変わるほどの経験を通して

主人公の感情の変化や
事業が成功するのか!?
失敗するのか!?
を見届けて頂けたらと思います。


たくさんの人の心の奥に

小さくてもいいから
響いてほしい

という願いを込めて


『8月月間連載小説〜こつん〜』

としました。


例えば高校球児や受験生や社会人、
何かに対して頑張って勝負している人が


よし、がんばろう!
という気持ちを保てる
8月になりますように。

楽しんでくれますように!


フィクションとノンフィクションmix。
ストーリーをわかりやすくするために
脚色を加えています。

予めご了承ください。

誰かを傷つけたり
困らせたりすることがないよう
表現には最新の注意を払って
おります。






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