見出し画像

自己を肯定する9種類の感覚とその違いについて

「自己肯定感を高める」とか「低すぎる自己肯定感をなんとかする」みたいな話の先に、「本当の自己肯定感とは」みたいな議論があるっぽいんですが、調べてみたらその前に「自己を肯定する感覚にもいろいろある」ことが分かったのでまとめてみました。

書籍やネットなどの情報をもとにまとめてみただけなので、誤りがあったらがんがん突っ込んでいただけると嬉しいです。

自己を肯定する9種類の感覚

9種類の感覚と、それぞれの概要は表の通りです。

①サミット (8)

この表だけでもほとんど目的果たせた感あるのですが、それぞれについてもう少し掘り下げてみます。

①自己肯定感

できてもできなくても大丈夫、という感覚。ありのままの自分を受け入れる感覚であり、自己の存在そのものを肯定する感覚です。自己肯定感の提唱者である、高垣先生が言うそもそもの自己肯定感はこれです。

②自信

自分の価値や能力を信じる感覚です。自己肯定感と大きく異なるのは「自分の存在そのものではなく、自分の価値や能力を信じている」という点ですね。

③自己効力感(self-efficacy)

「できる自分」を信じる感覚のことです。より厳密には「自分の能力に対してこの作業なら十分やれるだろう」という可能性を信じる感覚のことで、過去の「できた自分を信じる感覚」と言い換えることもできます。

④自己有用感(self-usefulness)

他者の存在を前提として、わたしは役に立っている、有用である、と信じる感覚のことです。他者にとって有益な結果をもたらす自分は存在する価値がある、というロジックで、自己肯定感に繋がるとされています。

⑤自尊心/自尊感情(self-esteem)

他者に関わりなく、「自分の存在には価値がある」と信じる感覚のことです。自己有用感と大きく異なるのは、他者に役立つかどうかは関係なく、自分の存在に価値を見出すことができる点です。

なお近年は一般的に「自己肯定感」の訳語としてself-esteemを用いられることが多く、「自己肯定感を高める」「低すぎる自己肯定感」などと表現する場合は、自尊心について語られていることが多いようです。

⑥自己肯定(self-affirmation)

自信をつけたり、自尊心を高めたりするために行われる自己暗示(マインドセット)のことです。これ自体はなんらかの感覚ではなく、あくまでも他の感覚を得るための手法です。セルフアファメーション、とカタカナで表記されることの方が多いですね。

⑦自己への思いやり(self-compassion)

自分自身へ向ける思いやりや慈しみ、優しさのこと。強みも弱みもぜんぶ含めて、あるがままの自分を肯定できる心理状態のこととされています。高垣先生も、自分が提唱した自己肯定感を英語に訳すとすれば「セルフコンパッションが最も近い」とTwitterで言及されていました。

⑧競争的自己肯定感

自己肯定感の提唱者である高垣先生自身が示した概念で、「他者と比較し、自分の優越性を見せつけようとする自己肯定感」だそうです。著書でも語られてますが、こちらに関してもTwitterで語られてたので、興味ある方はぜひ確認してみてください。

⑨共感的自己肯定感

最初にあげた自己肯定感のこと。価値の有無などは関係なく、自分の強みも弱みも、いいところもダメなところも全部含めて自分なんだと受け入れる感覚のことです。

「何を肯定するか」が違う

このとおり自己を肯定する感覚にはたくさんの種類がありますが、これらは、「何を肯定しているか」が異なります。

自分の「価値」を肯定する感覚

まずひとつめは、自信や自尊心といった自分の「価値」を肯定する感覚です。

「価値ある自分」を無条件に信じられる場合にはこれらを得ることで自己肯定感とよく似た状態を手に入れることができますが、「価値なき自分」を無条件に信じている場合、「その感覚を得られない」ことにさらに自信を喪失する可能性があります。

自分の「能力」を肯定する感覚

ふたつめは、自己効力感といった自分の「能力」を肯定する感覚です。

成果を上げているうちは自己肯定感と似た状態を手に入れることができますが、挑戦したことを評価されなかったり、失敗をしたときに十分なケアが得られなかった場合などに損なわれやすい感覚でもあります。

自分の「存在」を肯定する感覚

みっつめが、自己肯定感やセルフコンパッションといった自分の「存在」を肯定する感覚です。

自己肯定感はもともと、親子間や家族間などで育まれる感覚であり、その形成には長い時間と十分な環境を要します。後天的に身につけるのが非常に難しい点が厄介ですが、個人で手に入れたい場合は、自己肯定感よりも「セルフコンパッションの鍛え方」などを調べてみた方がよいかもしれません。

まとめ

冒頭でも示した通り、今回自己を肯定する感覚をまとめた目的は共有です。

本来の自己肯定感でなければ高める意味がないとか、そもそも自己肯定感というものは高めるものじゃないとか、そういうことが言いたいのではなく、「いろいろあるみたいだよ」ということを形にしたかっただけなので、もし誤解を与えるような箇所があれば教えていただけると助かります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?