ヤフーで尖閣ニュースがしつこく掲載されていたから読んでみての感想

読まずにおこうと思っていたら、二日間も同じニュースが表示され続けたので、「読めということかな…」と思って記事を読みました。

『尖閣周辺で「常在化」進む中国公船 今年もハイペース(産経新聞) - Yahoo!ニュース』

 接続水域では中国公船は4隻出没することが多く、1隻は機関砲のようなものを搭載。定期的に別の公船と交代しながら4隻が常駐する状況が続くことが多いことから「動きがよりシステマチックになってきた」とみる海保関係者もいる。
 海保関係者は「海が極端に荒れているとき以外はほとんど尖閣周辺に常在している状況を作ろうとしている」と分析。船の大型化も進んでおり、「中国はより天候に左右されない体制も整備してきた」という。

仲良くなれても喧嘩ができないタイプ6な国(日本のことを言っています)が、火中の栗を拾わず、目を背ける中で、
産経新聞、この部分は頑張って記事にしているようです。

菅総理も、他国とは喧嘩しない人のようですし、
その後見人と言われる二階氏も、

2019年11月、自民党内から習近平中国共産党総書記を国賓として迎えることに反発の声が出ているなか「国賓待遇でそういう立場の人をお招きするのは当たり前だ」と主張

というウィキペディアの記述を読むと、親中の人のようですから、
この問題は現政権では解決など、絶対にしないでしょう(北方領土のように“譲(ゆず)る”という解決ならあり得そうですが…)。

少し過去の記事、2020/11/27 20:00の記事『尖閣問題で“妄言連発”の中国外相に怒りの鉄槌下せ! 国会集中審議で言及ゼロ、「桜」「学術会議」ばかりの異常事態 門田隆将氏「主権に関わる問題意識が欠如」:イザ!』

では、

 中国の王毅国務委員兼外相による大暴言の余波が収まらない。
 「(尖閣周辺で操業する日本漁船は)実際は単なる漁船ではなく、問題を起こそうと進入している」「偽装漁船が繰り返し敏感な海域に入っている。このような船舶を入れないようにするのはとても大事だ」
 王氏は25日、菅首相と官邸で会談した後、記者団を前に、このように「日本漁船の尖閣進入禁止」を要求した。まったく容認できない。
 内閣総務官室の国会担当者は25日夜、夕刊フジの取材に「きょうの国会質疑で尖閣は話題に出ず、取り上げた議員はいなかった」と語った。
 中国による明確な主権侵害に対し、日本政府の抗議の声が届かず、国会も問題意識を持たず、メディアも怒りの声を挙げないのであれば、中国にナメられるだけだ。

と書かれていました。

これに加えて、国民も気にしていないように感じます。
日本の国民性であるエニアグラムのタイプ6は、未知や混沌を嫌います。
こういった未知や混沌から、タイプ6国民は目をそらそうとします。これは、福島の原発処理の現状に意識を向けないのと似た動きです。ストレスがあるほど、混沌から目を背け、今ある身近な安心・安全・安定の中に閉じこもろうとします。それで、日本礼讃(らいさん)話に無意識に引き寄せられたりしています。


尖閣問題については、過去に『尖閣はもうだめかも』を書いています。私がどういう見方をしているのかは、そちらを お読みください。
今回は、以前の記事の追記のような位置づけです。


始めに挙げた記事に対するヤフーでのコメントには以下のものがありました。

中国は明らかに敵国。領土問題は国家として絶対に譲歩できない。

そういう中で,ウィグルの人権状況について外務省が「ジェノサイドとはいえない」という素っ頓狂なコメントを出した。米国の新政権はジェノサイドとして厳しく追及する構えであるにもかかわらず,日米間の綻びのようなコメントを出す外務省に失望した。尖閣に関しては米国頼みだというのに。

「外務省に失望した」というこの人、たぶん、六四天安門事件での日本の対応を覚えていないんですよ(実は私も覚えていませんでした)。

同年7月の第15回先進国首脳会議(アルシュ・サミット)では、議長国フランスをはじめとした西側諸国が残虐行為を厳しく非難した。 日本の宇野宗佑内閣総理大臣は対中円借款を凍結する一方で、外務大臣の三塚博と共に「中国の孤立はさせない」とサミットで主張して他の西側諸国と距離を置き(以下略)
実際に宇野は対中非難声明の素案に記述されていた「中国における野蛮な鎮圧」に難色を示し、その結果「激しい抑圧」に修正され、「中国当局が孤立化を避け、協力関係への復帰をもたらす条件をつくり出すよう期待する」との一文も加筆されたことが後年(2020年)の外務省外交文書の公開により明らかになっている。総理退任後の1990年5月7日に宇野が訪中した際にも中華人民共和国の江沢民から、このサミットでの対応に感謝されている。

この文章で思い出したのですが、
そういえば、「日本は北京ダック」説が中国で語られていたという話がありましたよね。

福島香織氏が書いているようです。

北京ダックは一匹のアヒルを三度違う食べ方で楽しめる。皮は味噌とネギで餅(ビン)に巻いて食べ、肉はもやしと炒めて食べ、骨はスープにする。
同様に、日本も北京ダックのように三度おいしい。歴史問題を持ち出せば共産党の執政党としての正当性を補強でき、領土問題を持ち出せば愛国心によって党内・国内が団結できる。経済が悪化すれば、真っ先に経済・技術協力を申し出てくれるのは日本。北京ダックのように無駄なく利用し尽くせる国、それが日本だ。

そして、
「天安門やウィグルの人権状況についても自分たちに“おいしい”存在である」と。
「尖閣問題でも、“おいしい”対応である」と。



オオカミ少年の話がありますよね。「オオカミが来るぞ」と毎回嘘をついていたら、本当にオオカミが来たとき誰も信じてくれなかった。という話です。

天安門やウィグルや香港について、毎回中国の肩を持つような態度(もしくは曖昧な態度)を取っていたら、
本当に尖閣なり何なり、日本が大変になったときに、世界やアメリカは日本を見放すのではないでしょうか?
(そういえば、イギリスの番組で、林景一駐英日本大使が「尖閣を中国にあげれば?」「地域全体、世界全体を危険に陥れるほどの価値が尖閣にあるの?」なんて言われていましたね。冗談か皮肉か本気かは分かりませんけど)

そんなことまで考えてしまいます。

※ 『英国インタビューで言われた「尖閣を中国にあげれば?」 日本人は外国と議論できているのだろうか?というお話です


それと、
本件とは関係無い、蛇足ですが、ウィキペディアを飛ばしながら読んでいたら(実のところ、目がすべるのにまかせて読んでいただけですけど)、

(前略)外国メディアの報道の多くは、自国の民主化を進めるゴルバチョフの訪中と、中国における一連の民主化運動を絡めたものになった。また、デモ隊の多くがゴルバチョフを「改革派の一員」「民主主義の大使」として歓迎する一幕が報道されるなど、この訪中を受けて両国間の関係が正常化されることとなったが、結果的には中国共産党のメンツが完全に潰される結果になった。

という記述があって、天安門事件には、メンツ問題も部分的にせよあったのですね。
これが、悪化を少しばかり後押しした可能性はある。と思いました。


ヤフコメには、このようなものもありました。

自国の領土領海を守るのに遠慮はいらない。

早急に法整備をするなり、防衛費をアップして海保と海自の充実を計るなり、とにかく守る気概を見せないと尖閣は本当に中国のものになってしまうと思う。

そう思います。ですが、これもタイプ6な反応です。事を起こすときに、安心・安全・安定を意識するから、完全に安心・安全・安定な状態を作って、それから、何か行動をしようとする。
それに対して、中国は当意即妙・変幻自在、いきなり加速だってできてしまいます(新型コロナのときは10日間で1000床の病院を新築しました)。

そもそも、今頃、こういった意見が出ること自体、日本人の意識も後手後手なわけで。

単に、島の上に施設を作るだけでいいんですよ。軍事施設でなくとも漁船の避難所や気象観測所や、その他なんでも。

必用なのは中国と喧嘩する“勇気”。アメリカや世界を巻き込む“気概”。混沌な情勢への“耐ストレス”。そういったものなんですよ。

ちなみに中国は3つとも持っていますよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?