今できるタイプ６日本への処方箋

最近、タイプ６日本の問題点をいろいろ書いているので（まだ書く予定ですが・・）、
処方箋（解決方法）について書いておくことにします。

まず、「レベル」の簡単な説明から、

エニアグラムには、リソ（と ハドソン）によって、レベルという概念が持ち込まれました。
これにより、同じ性格タイプなのに、素敵な人とそうで無い人がいる理由を説明できるようになりました。
リソ＆ハドソンのエニアグラムでは、素敵な人はレベルが高い人で、そうで無い人はレベルが低い人と説明されます。

日本はエニアグラムのタイプ６の国だと言われています。
リソ＆ハドソンは、タイプ６についてこう書いています。

健全なタイプ６は、自分のまわりで何か不適切なことが起きていることを感じ取ったり、自分が関与している組織の中で他者が力を悪用していることを察知したりすれば、怖れずに疑問を提起する。（略）しかし、これから見ていくように、通常のタイプ６はこういった状況になると怖じ気づき、･･･

そこで、タイプ６日本への処方箋としては、
タイプ６社会の中で“健全なタイプ６”な動きを起こすべく、

「あなたが、レベルの高い健全なタイプ６を振舞う」
「あなたが、健全なタイプ６または それに類似した動きをする人をサポートする」
「あなたが、健全なタイプ６または それに類似した動きをする人を受け入れる」
となります。
ちなみに、始めのほうほど難易度が高く、後になるほど難易度が軽くなっています。

これが処方箋です。

「タイプ６社会の中で“健全なタイプ６”な動きを起こしていきましょう」
ということです。

少なくとも、「怖れずに疑問を提起する」する人を撃ち落とすようなことだけはしないでください。

＊

タイプ６は、レベルがかなり下がってくると、
「誰かが、疑問を呈すると、自分の生き方そのものへの攻撃とみなす」ようになっていきます。
タイプ６集団のレベルが下がってきて、そういったレベルの下がった人が多く出てきて、流れができている中で、あなたがどこまで、その流れに「怖れず」抵抗ができるかがカギになります。

これ、けっこう難しいです。
タイプ６は直近の安心・安全・安定を大切にして、空気を読みます。
あえて、それに逆らう行為を行なうとか、そういった行為をサポートするとか、
そのような目立つ行為は、タイプ６の大切にする安心・安全・安定を損なう行為なので、
これ、国民性として難しいです。

ちなみに、今の日本はレベル６だと思われます（というか世界は、だいたいレベル６あたりです）。

リソ＆ハドソンの記述から、タイプ６の通常の段階・レベル６の記述を抜粋して引用します。

※レベル６は、通常の段階（レベル４～６）の中で、最も低いレベル。

通常のタイプ６は、集団と地位に一体化するが、この＜段階（＝レベル６）＞では、極端に党派的かつ権威主義的であり、他者を「自分に従う」人と「自分に逆らう」人とに厳密に分ける。すべての人が、われわれ対彼ら、部外者対部内者、友人対敵というように遠慮会釈なく二つの分岐にくくられる。「良くも悪くも私の国（権威、指導者、信念）だ」というのが彼らの態度である。誰かが彼らの信念に異議を唱えれば、自分の生き方そのものへの攻撃とみなす。

たぶん、あなたが、空気を読まずに疑問を呈すれば、それは、自分の生き方そのものへの攻撃とみなされます。
またタイプ６日本人は、安心・安全・安定を強く求める一方で、それが損なわれる混沌を強く嫌います。
あなたが、空気を読まずに疑問を呈すれば、それは、混沌としてあつかわれ、
あなたは、安心・安全・安定を脅かす存在として、タイプ６集団から排除される可能性があります。

＊

また、
タイプ６のレベルが下がってくると、
下がれば下がるほど異端を嫌う傾向が強くなります。
どの性格タイプでもそうかも知れませんが、自分と異なる度合いが強い性格タイプを遠ざけ始めます。
それは、エニアグラムにある９つの力の内のいくつかを捨て去る行為です。
そこで、タイプ６社会への処方箋として、あなたが、そのような異なる力を守る必要も出てきます。

＊

あなた、あなた、と書いていますが、主役はあなたです。
他者に頼らないでください。
依存はタイプ６の性質のひとつです。依存から脱却してください。

＊

処方箋は、あともうひとつあります。

レベルが落ちているタイプ６に安心・安全・安定を提供することです。
タイプ６は、安心・安全・安定が揺らぐほど不安がつのり、他者を受け入れる器が小さくなります。
自分の安心・安全・安定のみを確保しようとする一方、他者の安心・安全・安定をないがしろにします。

ですから、レベルが落ちているタイプ６には、相手が希求する安心・安全・安定を提供すれば、少なくとも、それ以上にレベルが落ちることは無いと思われます。

ただこれも口で言うほど簡単では無いことは、分かっていただけると思います。

＊

＊

＊

まとめます。

タイプ６日本社会をより良くする処方箋としては、

「あなたが、レベルの高い健全なタイプ６を振舞う」
「あなたが、健全なタイプ６またはそれに類似した動きをする人をサポートする」
「あなたが、健全なタイプ６またはそれに類似した動きをする人を受け入れる」
そうやって、“健全なタイプ６”な動きを起こしていく。

この３つが一番重要です。

あとは、

「タイプ６社会からはじかれそうな性格タイプがあれば守る（９つの力を維持するため）」

「レベルが落ちているタイプ６には、相手が希求する安心・安全・安定を提供する（レベルが落ちているのを食い止めるため）」

「あなたが動く（依存からの脱却）」

最後にひとつ、大事なのが抜け落ちてました。

「あなた自身のレベルが落ちないようにする
（理想は、「あなた自身のレベルを上げる」）」

どれも難しい行為です。
ですが、日本人の中でもタイプ６以外の人なら、少しはできる部分もあると思います。
そういった行動を起こすときには、あなたのレベルが高ければ摩擦も小さいものとなります。ですので、あなた自身のレベルの高さも重要な要素です。

無理をせず、できることから、できる範囲でやっていけばいいです。

以上、「今できるタイプ６日本への処方箋」でした。

※ エニアグラムの タイプ６日本人論 書いてます。

参考
『【エニアグラム用語】レベルとは？』
『あなたのレベルの上がっているかの確認のしかたを お教えします』
『あなたのレベルが下がっているかの自己判断のしかたを お教えします』
『日本のレベルが落ちている原因』
『レベル６社会』
『国のレベルと「レベルを上げる条件」』
『 タイプ６日本人の「健全な状態」の、たぶん実例 』
『ストレスは連鎖する』
『なんで日本で問題があった組織が正常にならないのか？』

追記
タイプ６日本の問題の多くは、未知や混沌を避けることから来ています。
安心・安全・安定を求め過ぎる態度が、逆に安心・安全・安定から遠のかせる現状を作っています。
ならば、「未知や混沌に慣れましょう」「安心・安全・安定の外に出て行きましょう」とだけ言えば良さそうですが、
参考リンクの最後にある『なんで日本で問題があった組織が正常にならないのか？』を読めば分る通り、
今の日本はそれ以前の状態です。
なので、今回のような処方箋となります。