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対話による学びほぐし「アンラーン」を一緒に学びほぐしてみよう!(第二夜レポート)

エンパブリックスタッフの萩元直樹です。
「一緒に考えるUnlearn」の第二夜を開催しました。

イベント開催の経緯

ところで、noteをお読みの皆様に、このイベントの経緯をお伝えできていませんでした。
実は、日本青年館発行の『社会教育(8月号)』という専門誌にて、アンラーンについて私が論文を執筆することとなりました。
アンラーンについては2012年以来、様々な現場で伝え続けてきたので、私自身の考えを自慢げに文章にするのは簡単でした。しかし、この際に、私自身、こう考えました。

そこで、empublic Studioの皆さんと一緒に考え合いたいと思いました。
今回、アンラーンについて考え合えるコミュニティの貴重さをしみじみと感じました。
実際、論文を書き終えた今、empublic Studioでの3夜にわたるイベントをふりかえって、こう思っています。

第二夜の学び 

学びほぐしに必要なダイバーシティ&インクルージョン(D&I)

例えば、「自治会の木村会長」と見るか、
それとも、「木村さんは自治会長をしている」と見るかといった話をしました。
前者の場合、自治会長としての木村さんしか知ることはないですが、
後者の場合、木村さんの持つ個性や知識、技能、価値観、つながりといった深層的なダイバーシティを知る可能性が広がってきます。
当然、木村さんには、自治会長としてだけでなく、無限の可能性があるのです。
 
多様性を認め合い、尊重し合うだけでなく、「活かし合っていくこと」が求められています(D&I)。
なぜ、D&Iが必要かというと、価値創造につなげるためです。実際に、多くの民間企業や行政も組織のマネジメントにD&Iを組み込んでいます。
しかし、「活かし合う関係性」というのは、なかなかすぐに作ることはできません。
 
イベント中、こんな声がありました。

「別にシニアの方に悪気があったわけではないでしょうが、こういうのもアンコンシャスバイアス(無意識の偏見)の一つですよね」「(シニアとして)気を付けないといけない」「ついつい言ってしまいそうになる」などとお話が盛り上がりました。
 
D&I、つまり、多様性を活かし合っていくために必要な考え方が「学びほぐし(アンラーン)」だと思います。
「自分の今までの知識・経験」だけではなく、「他者と新たに学び得たもの」をもとに自分を再構築する考え方・姿勢が必要です。
そして、逆に、相手と学び合い、学びほぐし合える関係性になるためには、このD&Iの感覚が不可欠だとも言えます。「自分の学びの凝りがほぐれて良かった」だけではなく、学びほぐすことで新たな価値を一緒になって見つけていきたいですよね。
 
あまり、アンラーンの文脈でD&Iが触れられることはありませんが、アンラーンをアンラーンしていく中で、とても興味深いトークテーマでした。
皆さんも、ご自身のコミュニティで試してみると新しい発見があるかもしれません。

具体的なテーマで学びほぐし合おう

参加者の皆さんと話し合って、「シニアにとって、デジタルって本当に必要なの?」というテーマで学びほぐしあってみました。

◆そもそも「シニア」って高齢な方をイメージするけど、本当は定義はいろいろ。スポーツやテーマパークなど、シニアの年齢もさまざま。
→アンラーンの感覚があってこそ。ここでは話しやすいように「60代以上の」ということにしましょう!
◆デジタル化に疎い親が興味を持つようになるきっかけとして、共通体験という行為がアンラーンになった。アンラーンが解決策や新しいコミュニケーションのきっかけになる。
◆「世の中が便利になったらいいな」という延長上でデジタル化が進んできたという受け止め方。今、デジタル化という現状・結果から見ているけど、他にも便利な手段はあるのかもという考え方。
◆私は「便利」だからデジタルを使っているのであって、他の人はどう思っているんだろう?
◆デジタルを使える人は便利で、慣れていないひとはむしろ不便という考え方も。
◆デジタルを使い過ぎてることが弊害となって、人とのコミュニケーションや自然と関わる機会が減ってしまっているという問題点も「デジタル・デトックス」として問題視されている。
◆こういうと話は終わってしまうが、一人一人の価値観によるもの。デジタルを使わない、知らないでもいいという考え方もあり。
◆その人が何を大切にしているか。デジタルはそれに寄り添うもの。デジタル化が大事なのではなく、人生にどう活かしていくのか。
◆ずっとこれからも考え続けられるべき問いだと思う。
◆デジタル⇔アナログじゃなくて、その間の境界線を解きほぐしてグレーな部分をあえて曖昧につくっていくこともアンラーン。
◆学びほぐして進んで、学びほぐして進んでと、人生かけてアンラーンしていくこと。学び続けることは変わり続けること。
◆活動を続ける中で、その目的や手段を改めて考え直すこともアンラーン。

第二夜のあとに考えたアンラーン

今回のイベントでの学びも含めて、ソーシャルな活動に照らし合わせると、このようなアンラーンがあると私は考えました。
自分の活動を思い出してふりかえってみると、アンラーンできるか否かの効果が如実に出ると思います。

❶【手段のアンラーン】
ある目的にとっての手段を考えるとき
❷【目的のアンラーン】
ある手段にとっての目的を考えるとき
❸【条件のアンラーン】
ある手段がある目的をかなえる条件を考えるとき
❹【関係性のアンラーン】
ある主体が目的をかなえる関係性のみならず、その周りに存在・潜在する他の関係性を認識しながら考えるとき
❺【問題発見のアンラーン】
調査の中で、現実と目標の乖離から問題を発見するとき
❻【原因究明のアンラーン】
問題から原因を究明するとき
❼【課題設定のアンラーン】
原因を取り払うために課題を設定するとき
❽【対策考案のアンラーン】
課題を達成するために対策(学習方法や学習内容、活動なども含む)を考えるとき

第三夜は、私が書いた論文原稿をもとにみんなで話し合います。
引き続きよろしくお願いいたします!
 

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