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【海外生活】5年で日本に帰りなさいと言われた話

と、諭されたことがある。それも初対面の方に。それも飛行機の機内で・・・


最近、その意味が少しずつわかってきたので、今日はそんな話を少し。



何度も記事に書いているが、コロナ禍でなければ年に3度は帰国する私。



その度に片道12時間のフライトとなるわけで、


その12時間を快適に過ごすために、気をつけていることはいくつもあるのだが、


その一つに必ず隣の席の人には挨拶、というか一声かける、というのがある。


私は絶対通路側しか座らないのだが、隣の人に一言言っておくことによって、
その方がお手洗いとか席から離れたい時に、あまり気を使われないようにしようというせめてもの気遣い。


そんなわけで、その一言挨拶から話が進んで、フライトの半分以上話し込むなんてことも時々ある。



この話は何年か前、ドイツから日本に一時帰国する時のこと。


確かルフトハンザ の便で、機内はほぼ満員だった。


いつも通り、通路側で予約した自分の席に向かうと、すでに私の席に座る外国人男性。


ここ私の席だけど?と伝えると、


間違えて座ってしまい、しかもだいぶ寛いじゃっているので、自分の席と交換してくれないか?とのこと。


本来の彼の席は、私の席から斜め前。そして通路側。


通路側なら特に断る理由もないので、彼の希望通り席を交換したが、このチェンジで私は一人のご婦人と出会うことになる。


結構ギリギリの時間で搭乗してきた70代半ばくらいの日本人女性が、私の隣の席(三人がけの真ん中)に座った。


一人で不安そうな様子だったし、機内にはツアーの御一行は乗っていないようなので、一人で旅したのかなーとか色々考えながらも、


ひとまず、「私は一睡もしないので、席離れたい時はいつでも声をかけてくださいね!」と伝えておいた。


日本行きであっても、外国人率が圧倒的に高く、CAさんもほとんどドイツ人なルフトハンザ 便。


隣の席が日本人だったことが、嬉しかったようで、
「安心したわ。ありがとう」と仰っていた。


その後、少し話してみると、娘&孫娘との旅行だったが、空港でチェックインした時はすでに席がほぼ埋まっていて、近くの席になれなかったとのこと。


どうやら娘さん&お孫さんは我々の席からだいぶ後方に座っているらしい。


その後もなぜドイツ旅行をしたのか、等々色々と話してくれた。


そして、なんと彼女の娘さんもかつてドイツに住んでいたらしく、ドイツで学び、その後ドイツでも就職していたようだった。


一人娘がドイツにいる間は、とっても寂しかったとか、一時帰国してもまたドイツに戻るときに悲しくて泣いていた・・・とかそんな話もしてくれて、


彼女の話を聞いて、私は一人娘ではないけれども、きっと日本の両親も少なからず同じような気持ちなんだろうな・・・と思ったりした。


私も彼女に、今ドイツ住んでいて、働いています云々話をしたのだが、

その時に彼女から言われたことが、


「あなたも5年くらいドイツで過ごしたら、日本に帰りなさい」

だった。


彼女の娘さんも、ドイツで働いていたが5年を目処に日本に戻った、というか戻らせたとのことだった。


娘さんの意思としては、もう少しドイツにいても・・・といった感じだったようだが、
「長く暮らし過ぎると、もう日本には戻れなくなってしまうから・・・」とのことで、帰ってきてもらったようだ。



私は当時、「日本に戻れなくなる」この意味がわからなかった。


戻れないって、祖国だよ!実家だよ!
私なんて日本が恋し過ぎて年に3回も帰るんだから!
と思ったが、今になって彼女の言ったことの意味が少しずつわかるようになった。


そりゃ、有給休暇が年に30日はあるドイツ。しかも有休消化必須!


残業も一定の時間以上になると雇用側に罰金ルールとかあって、働き方に関しては、ドイツで働いたら日本に戻れないと思う。


でも、働き方だけではない。

日本特有の気の使い方とか、それこそ空気を読むとか・・・そういうことが長らく海外にいるとわからなくなってしまうのだ。

これは決して、私が海外生活でForeigniseしたんです!と言いたいのではない。


ドイツなんて、思ったことは口に出す国。
街中にいても、スーパーで買い物をしていても、日本人であれば心の声で留めておくべきことを、はっきりと口に出している人をよく見かける。
(そして軽く口論になったりしている・・・それもドイツ)


この国には、言いたいことがあっても相手を思いやって言わないとか、遠回しにいうとか、そんな文化は存在していない。


相手を思いやるんなら、はっきり言ってやれ!くらいの感覚である。


この辺の感覚が、最近鈍ってきたような気がする。


気にしすぎなのかもしれないが、帰国し、友人と久々に会って語り合ったり、家族との何気ない会話であっても、


今のは言わないほうがよかった?とか
ここは黙っておくべき?とかそんな疑問を抱くことが増えた。


友人・家族とは言え、久々に会って話をする相手なんだから、当たり前!
なのかもしれないが、前回帰国した時は、そんな疑問を抱くことが何度かあった。


あ、これが日本に帰れなくなる、というか帰りづらくなるという意味なのかな・・・と思ったり。


もう2年も日本に帰っていないので、次に帰った時に、この疑問を抱く回数が増えるんじゃないか・・・


とはいえ、今年は何がなんでも帰る!と今から帰国を楽しみにしているし、


5年で帰国!と言われても、ドイツで結婚してしまった身分なので、そう簡単に帰れなくなってしまったよ・・・


とこのご婦人に会う機会があったら、伝えたい。


ということで今日はこの辺で。Ciao



















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