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「著作権」とは。実は「著作者の権利」の一部だって知ってほしい!

こんにちは、弁護士の鈴木恵美です。

いままで、みなさんにわかりやすいように著作権という言葉を使ってきましたが、実は法律に正確でありたい弁護士としてはとてもモヤモヤしていたんです。

そしてひょっとすると、著作権に詳しい読者のかたもモヤモヤしていたかもしれません。

前回、著作物を生み出すと、著作権が生まれると書いたんですが、法律的には”著作者の権利”が生まれています!

えっ?えっ?

”著作権””著作者の権利”って違うの?

そう思うかもしれません。普通の言葉の感覚だと同じものを言い換えただけに見えますよね。

でも、法律では言葉はとても厳密に取り扱われます。

第一条 この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

前回の投稿でも引用しました、著作権法第1条をよく見ていただくと

著作者の権利を定め、著作者の権利の保護を図る。と書いてあります。

そうなんです。

クリエイターのみなさんが著作物を作成したときに、手にするのは

”著作者の権利”

なんです。

あれ?

著作権は?

安心してください。

”著作者の権利”の中の二つの大きな柱の中の一つが”著作権”です!

じゃあ、もう一つの柱はなんでしょう?

それが、ぜったいにクリエイターのみなさんに知っておいてほしい

著作者人格権

です。

絶対覚えておいてほしいのでもう一回言います。

著作者人格権

これも、著作権と言葉は似ていますが、よくみると違いが定められています。

余談ですが、私は理工系の大学生の皆さんに法律の授業をしていて感じることがあります。
法律はみなさんが思っているよりも細かくルールがきまっており、それぞれの言葉の定義がはっきりしています。そんなところは公式や定理を駆使して問題を問いていく理系の人の方が実は法律を読み解くのは得意なんじゃないかな、と思ってます。

漢字の多い文字の羅列!と思うと気が遠くなりそうですが、#〜とは◯◯とか、#以下、◯◯という、とかなっている部分を、数式みたいに、X、Y、Zなんて調子で置き換えて読んでみると、すっきりと、パズルみたいにみえませんか?
理系のみなさん、どうでしょうか?

ちょっと、細かいお話になるかもしれませんが、法律の文章は、要件と、効果、があって、
要件が揃うと、=効果が発生!ということなんです。どんどん置き換えて読んでいくと、暗号みたいで楽しくなったり、ならなかったり?

少しでも、法律へのハードルが少なくなったら嬉しいです。

さて、今日のまとめ。

ぜひクリエイターのみなさんに知っておいてほしい!

”著作者の権利” として ”著作者人格権” と ”著作権” をクリエイターのみなさんは手にしています。

第十七条 著作者は、次条第一項、第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。

■今日の1枚

クリエイターのみなさんが手にする著作者の権利には 著作権と著作者人格権両方あります。

みなさんが著作権と語るときには両方あることをぜひ伝えたいです。

今回の記事の冒頭の画像は、実は、著作物と著作者の権利を表しているところです。私が、とってもこだわってデザインした、ゲームのプロトタイプなんです。

私のこだわり。そのことと、それぞれの権利のことは、またいつか!



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著作権ゲームのデザイン、ルール原案、意匠、すべてを、あまりクリエイティブでない私が担当しています。 noteの手描きイラスト画像も自作ですが、いつかデザイン面など、プロの方にお願いできたらいいな、と考えています。 応援いただけたら嬉しいです!