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負けそうで、泣きそうで、消えてしまいそうな中高生にコーチングは効かない。

中高生向けにオンライン自習室 x コーチングのサービスを提供しはじめてしばらくが経ちました。

そんな中、見つけたのがこの本。

内容は、基本的なところが多かったのですが、「コーチング」と「カウンセリング」の対比が丁寧に説明されていて、改めてとても勉強になりました。

その中でも自分の中の経験則にピッタリ合ったのがこの部分。

最初にすべきはカウンセリング。エクスキューズとして傾聴するのではなく、聴くことそのものを目的にじっくり、たっぷりと共感することで、様々なミラクルが起きることでしょう。

コーチングよりも大切な、カウンセリングの技術(小倉広)
※原文に太字はありません

コーチングの前に、子どもたちの話に耳を傾けて、じっくり聴くことって、本当に大切。

「ゴール」を描ける状態にない中高生たち

コーチングというのは、簡単に言うと、描いたゴールに辿り着く助けになることなのですが、そもそもその「ゴール」自体を描ける状態にいる中高生ってそんなにいません。

ドラマや漫画、CMには、ゴールに向かって頑張る中高生で溢れていますが、現実の中高生は心がいっぱいいっぱいで、勉強に集中できない自分を責めちゃっていたり、学校へのモヤモヤがあったりで、それどころではないのですよね。

さらに言えば、自分が「それどころではない」という状態にあることにすら気が付けないほど、心が毎日の忙しい生活向いている場合がほとんど。

ちなみに、自分自身の場合を考えても、そうだったなぁと思います。私が中学生の時、アンジェラアキさんの「手紙 〜拝啓15の君へ〜」がまだ新しく、合唱とかでもよく歌っていたのですが、あの歌詞にピンときていませんでした。今歌詞を見ると、当時の自分に伝えたいような内容が綺麗に描かれているのに…!! 肝心の当時は本当に、ぜーんぜん響きませんでした。ただ、ピアノの音色はすごく好きで、音楽の先生に無理を言って伴奏させてもらってたような。

さらに余談ですけど、YouTubeのコメント欄を見ていると世界のいろいろなところで愛されている曲のようす。すごい!

自分の気持ちや悩みを言葉にすることすら初体験

コーチングでは、コーチ側が質問を投げかけて、受ける側が、解決策などを自分の力で考えるように促す作業があります。

あとは、どんなことに悩んでいるのか、今の課題は何か…なども説明してもらうのも、セッションを進めていく上で必要となります。

ですが、自分の気持ちや悩みを人に伝わる言葉にすることや、会話の中で何かを論理的に考えて解決策を導き出すことって、やっぱり中高生の日常にはあまりないイベントらしく、もちろん、上手くは行きません。

さらに、私は彼らにとっては知らない大人。心の内なんて話してくれるわけがありませんしね。

ここに気がつくまで、ちょっぴり時間がかかってしまいました。

まずは、話を聴くこと・信頼関係築くこと

気が付けば、最初の数ヶ月は話を引き出すこと・信頼関係を築くことを、焦らず、のんびり行うスタイルへと。

コーチング前の準備期間的な要素ももちろんあるのですが、こうやって、はじめましてだった大人と丁寧に関係性を築きつつ、自分の悩みや考えを話す練習ができるのって、中高生にとってとても大切な経験だと思うんです。

そういう土台があれば、どんな進路に進んだとしてもどうにかなるような。

それではまたー!


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