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ボクは徳永進一!叔母さん盗るな!ー4ー

初めからは、こちら⬇各回の最後に続きの貼り付けがあります。

前回、こちら⬇

竜二とボクの大勝負が始まった!

竜二とボクは、ゲーム「スーパーマリオ」をセットして、対戦モードにする。そして……

じゃーん、じゃーん、じゃーん、……ちゃららん……

「え?終わり?」
「あーあ……」

竜二は、コントローラーを手放さず、じっと画面を見つめている。
「俺、ゲームやったことねぇんだ……」
(は?)
もう、竜二のマリオは死んでしまっていた。
竜二は、スーパーマリオの第一ステージもクリア出来なかった……。

(こんな、原始人には ますます美奈さんはやれない……!)

「いや、進一くん……?」
竜二は、ボクに向きなおる。
「こんな勝負じゃなくて、もっと男らしい勝負をしよう。どちらかやったことがないのは、ちょっと不公平だ」
(うーん、……ごもっとも)
ボクは、うなづく。
「明日、朝、午前3時、港に来てくれないか?」
と、竜二はおもむろに。

ボクは、一瞬ゾクッとした。風が吹く錯覚があった。

夜明け前のオトコの決闘だ。

(何をするんだ?)
竜二は、一見ヤサグレ者だから、物騒な本物の「決闘」になるのか?武術か?刀でも持ち出すのか?そして、*簀巻き(すまき)にして海に……、と ボクはそこまで考え過ぎて……。

「すごーい……、ひとりの女の人を巡っての、夜明け前のオトコの決闘ね……!」
妹の愛依は小学6年生で、可愛らしく目が宝石でも散らしたようにキラキラしている。
美奈さんは、少し困ったように見ているが、今のところ静観している。
父さんは、ビデオを回し、母さんはSNSに、この決闘の動画をシェアしている。あまりに短かったので、今の勝負は動画に収まりきった筈だ。

「なんだ、"ねえさん"動画アップしちゃったんですか?お恥ずかしい……」
(か、母さんを"ねえさん"と……!?)
父さんは、ひょろっとした長身をふるわせ、
「あっはっはっ!竜二くん!息子のオトコを鍛えてください!これから、進一も、ちゃんとオトナのオトコにならねば!」
(とうさん!それは、あなたの仕事です……!)
「任せてください!お義兄さん!立派に1人前に鍛えてみせます!!」
あははははは、と竜二は笑う。
(だから……義兄と呼ぶな……!!) 

ボクは、声を張って竜二に尋ねた……!! 



「演目はー!?」



「釣りだー!!」




(はっ?「釣り」!?)(一同)



            つづく

*簀巻き(すまき)にして海に放り込むーーーーー近代の私刑の方法。ヤクザなどが使う。簀で、対象の人を巻いて海に放り込む。


©2023.7.18.山田えみこ



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