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とある学級通信への、22年越しの感想文

わたしの弟の担任の先生が書いた、とある学級通信をふと思い出したので、「先生が言ってたこと、今、実感しているよ!」と発しておきたい。

学級通信の一角に(たぶん、先生がその時に思ったことを書くコーナーだと思う)、こう書いてあった。

朝、旦那や子どもを見送るときの「いってらっしゃい」は、本気で言っています。一日無事で、帰ってこれるように。真剣に言って送り出しています。


一言一句覚えているわけではないけど、こんな感じ。

たしか弟が小学3年生くらいで、わたしは中学生だったと思う。連絡帳袋の上にのっかっていた学級通信。

これを読んで、親ってやっぱり通学途中の子どもの交通事故とか、事件とか(当時ちょいちょい不審者出没が取り沙汰されていたのもあって)に遭わないか心配なんだなあと素直に思った。

親から直接言われるのではなく、普段は「先生」している先生の親としての一面を垣間見ることで、素直にそう思えたんだろう。今気づいたけど、これも先生から教わるというひとつのかたちかも。そう考えると、先生って黒板とチョークとか、花丸赤ペンとか、そういうの以外の手段でいろんな気づきをくれていたのかもしれない。

ただ、そのときは「わたしもいつか親になったら思うのかな」にとどまっていた。父が自分より先に職場に行くときは(母はわたしより後に家を出発するので圧倒的に言うより言われた記憶が多い)、たいてい「いってらっしゃい」と言っていたけど、先生の学級通信を読んですぐに、自分も先生のように家族に対して本気で言うようになったかというと、残念ながら正直そこまでには至らなかった。

しかし、先日急に、自分の朝の「いってらっしゃい」が本気になった。

結婚して3か月半ほど。

あまり仕事のテンションを家に持ってこない旦那が、とても疲れた表情をして帰ってきた。話し出しそうなのでひととおり聞いて眠りにつき、翌朝。
昨日の今日だから、朝も珍しく浮かない顔をしていた。

そのときに、突然思った。

仕事でのトラブルは、社会人生活ではそんなに珍しくないことだけど。きっとこれからも、新たな問題は出てくるけれど。

まず今日一日、会社までの道中も、それから仕事中も、無事に過ごして、家に帰ってお互いに疲れたねと言いながら夕飯食べられますようにと思った。

そんなに本気でいろいろ考えて「いってらっしゃい」と言ったのは、初めてだった。

しばらくしてこの学級通信を思い出した。

先生、わたしも、「いってらっしゃいは本気で言う」っていうの、わかったよ。

……弟の担任だけどね。笑

#オープン学級通信  #忘れられない先生
#ことば  #ことばのちから

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