気持ちを切り替えて次へ進もう~公募展中止の知らせを受けて思うこと~
今日届いた一通の封書から、今年の市展が中止になったことを知った。
それ以前にも、6月と9月に開催予定だった展覧会が中止になっていて、おそらく11月の市展もダメだろうなぁ…と思っていたので、中止の案内状を見たとき「やっぱりなぁ」とつぶやいた。
これで、私が今年度、出品を予定していた書道展は、全て中止となる。
本当なら、今年度の市展は、私は「無鑑査」での参加となる。賞の対象から外れているので、気楽な気持ちで「全紙サイズの大きな作品を自由に書いてみよう」と思っていた。
そこで、昨年買い集めた書道関係の本をパラパラ見ながら、呉昌碩の篆書以外で、趙之謙や徐三庚の作品をお手本にしてみるのも面白そうだなぁ…と考え、「全紙サイズに、どのような配置で、何を書くと面白いか…」と頭の中で構想を練っていた。
しかし、頭の片方では「こんな作品にしたい」とアイディアを練りながら、もう片方では「中止になるかもしれないから、慌てる必要はない」という冷めた意識もあり、とりあえず様子を見ることにしていたのだ。
そうしたら、今日の通知。
「ああ、やっぱり。中止か~。」
頭の中の構想は、来年度に持ち越しとなった。
◇◇◇
私の場合は、趣味でやっていることだし、そんなに慌てることではないけど、「今この瞬間」に全てを賭けている若い人たちは、コロナ禍による中止は非常に痛いだろうなぁ…と思う。
私がもしも学生の時に、今のような形で書道展が全て中止になり、発表の場を全て失うことになったら、精神的に耐えられなかっただろう。
若い時って、能力も感覚もすごく研ぎ澄まされていて、一過性の卓越した才能が降臨する瞬間があり、そこから未来が開けていく可能性もある。学生時代は、お金はないけど時間だけは腐るほどあるので、思う存分、創作活動にのめりこめるし、自分の情熱を注ぎこんで夢中に取り組むことができる。
そんな「クリエーターの卵」期間の最高に恵まれた時期に生み出される作品は、しかるべき所で、その道の大家と呼ばれる先生方にちゃんと観てもらい、適正に評価してもらうことが大事。だから、若いうちはどんどん公募展に出すべきだ。
「力をつけたかったら、どんどん作品を出品しなさい。出品するために、どんどん書きなさい。」
と、昔、私の書の恩師がよく語っていたけど、それは事実である。出品するたびに、確かに力がついていく。
だけど、このコロナで次々と公募展が中止になり、この一年に全てを賭けている子たちは、今一番脂がのっている「旬の時期」を逃すわけだから、やり場がなく、やるせない気持ちで悶々としているのではないか…と心配になる。
20代の頃の1年って本当に貴重だから、何かいい形で報われるといいな…と切に思う。
◇◇◇
来年度に持ち越しになった作品作り。
締め切りが近づかないと原稿に向かえない作家先生…みたいなもので、私も書道展の締め切りがないと書けないタイプ。(←要は怠け者・汗)
だから、また充電期間に入ります…。
長い充電期間にならないことを祈りつつ、とりあえず来年度は開催できると仮予定を立てて、来年度に向けた準備をこれから始めていこうと思う。
気持ちを切り替えて、次へ進もう。
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